月水食堂のお弁当

地産地消と昭和の香りをコンセプトにした安くておいしいお弁当を届けます。

後追い

2011-05-22 19:24:52 | 日記
俳優の長門裕之氏が亡くなった。

一昨年、おしどり夫婦として長年連れ添った女優の南田洋子さんに先立たれ、気落ちした姿が涙を誘っていたのを思い出す。

南田さんは、あのきりっとした容貌から想像できぬほどの認知症を患い、その介護を長門さんが一手に担っていた。

ドキュメンタリー番組で南田さんのあらわな姿が映し出され、賛否両論の議論が飛び交った。

その議論はさておき、妻に頼り妻の介護に全力投球していた男にとって、先立たれる悲しみ、喪失感は計りしれないものかもしれない。

私の母の兄は、数年前に亡くなった。やはり妻を癌で亡くし、わずか一年後だった。

伯父は妻である伯母にめろめろで、伯母を見つめる眼差しは、柔らかく愛情に満ちていた。

伯母はとてもきれいな女性で、師範学校を出た後伯父と結婚。三男を育てる傍ら、自宅でお茶やお花を教えていた。

伯父は家の中の全ての事を伯母に任せ、伯母に全信頼を寄せていた。
伯母は70を過ぎて癌を患い、伯父は在宅で看護をした。痛みに苦しむ伯母のどんなわがままも聞き入れながら。

だから伯母を亡くした後、今まで滅多に見せない涙を流し伯父は号泣した。

その後気落ちした伯父は、伯母の一周忌を待たずにこの世を去ったのだ。

何故だか周りは悲しむよりも、伯母の元へと急いだ伯父を安心しながら見送った。

長門さんも、今頃洋子さんの名前を呼びながら三途の川を渡っているのかな。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。