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~紆余曲折の日々の中で...

2050カーボンニュートラル vs Great Reset(3)

2021-02-14 | 報道/ニュース
代替エネルギーのもたらす厄さい

2011年、ポツダム気候影響研究所(PIK)のハンス・J・シェルンフーバー教授の助言に基づき、メルケルとドイツ政府は、2001年に「Energiewende」というエネルギー政策の一つとして、2022年までに原発を禁止し、太陽と風力、そしてその他の再エネによって発電を行うと発表した。その目的は、ドイツを「カーボンニュートラル」の最初の工業国にすることだった。

この戦略は、経済的な大惨事といえるものだ。かってのドイツは、産業的には最も安定し低コストで信頼性の高い発電グリッドを有していたが、今日のドイツは、世界で最も高価な電気を発電する国となってしまった。ドイツのエネルギー産業協会BDEWによると、最後の原子力発電所が閉鎖される2023年までに、ドイツは電力不足に陥ると予測される。

同時に、最大の電力源である石炭は、段階的に廃止され、ネットゼロカーボンに至る。鉄鋼、ガラス製造、基礎化学、製紙、セメント製造など、従来のエネルギー集約型産業は、高騰するコストやシャットダウンに直面したり、生産拠点も海外に移すなどという事態に陥るが、それは何百万もの熟練した仕事の喪失にもつながる大問題に発展する。エネルギー効率の悪い風力や太陽光、今日の発電コストは、ガスの7〜9倍にもなっている。

ドイツは、熱帯諸国に比べて太陽が少ないため、風力がグリーン電力の主要な供給源と見なされている。太陽光発電所や風力発電所の建設には、膨大な量のコンクリートやアルミニウムの投入量が必要となる。そのためには、安価なエネルギー(ガス、石炭、原子力)が必要である。それが段階的に廃止されると、「炭素税」が追加されなくても、コストは法外に高くなる。

ドイツにはすでに約30,000基の風力タービンがあり、EUの他のどこよりも多くなっている。巨大な風力タービンは、巨大な構造物の近くの居住者にとって騒音や超低周波音の健康被害、天候や鳥の被害という深刻な問題を抱えている。2025年までに、既存のドイツの風車の推定25%を交換する必要があり、廃棄物処理は大きな問題となる。市民が、内包するリスクや災害を理解するにつれて、企業に対する訴訟は増えている。2030年までに目標を達成するために、国家には「エコ専制君主職」を創設する必要があると、最近、ドイツ銀行は認めた。

同時に、2035年までにガソリンやディーゼル輸送を止め、EVへの移行を発表しているが、これは、ドイツで最大かつ最も収益性の高い産業である自動車部門を破壊し、数百万人の雇用を奪うものである。

リチウムイオン電池搭載のEVは、リチウムの採掘とすべての部品の生産の影響を含めると、全くゼロカーボンと言っていられないのであり、カーボンフットプリントは、ディーゼル自動車よりも劣る。また、2050年までにドイツがゼロカーボンを達成するためには、数百万のバッテリー充電器と信頼できる電力を備えたグリッド電力を必要とするため、今日よりはるかに多くの追加電力量が必要となる。

現在、ドイツとEUは、ゼロカーボンへの移行に対して資金を提供するために、新しい「炭素税」を課し始めている。税金は、電気とエネルギーをさらに高価にするだけであって、ドイツ産業の崩壊を加速することを保証する。

過疎
ゼロカーボンアジェンダを推進している人々によると、それはまさに彼らが望んでいることである。先進国の産業空洞化、モーリスストロングが言ったように計算された数十年にわたる戦略は、工業化された文明の崩壊をもたらすことである。

現在の世界における産業経済を薪を燃やし風車の回転する暗黒郷に戻すことは、アジェンダ2030:国連グローバルコンパクトの持続可能性の下でのグレートリセット変革の重要な部分である。そこでは、現在のカリフォルニアのように停電が当たり前になった世界である。

メルケルの気候 顧問であるシェルンフーバーは、2015年に、教皇庁科学アカデミーのフランシスコの任命者として、教皇フランシスコの急進的なグリーンアジェンダである回勅の手紙(Laudato Si)を発表した。そして彼はEUにそのグリーンアジェンダについて助言した。2015年のインタビューで、シェルンフーバーは、「科学」が「持続可能な」人口の最大環境収容力は約60億人少ないと判断したと宣言した。最後に、彼は、大層な皮肉を込めて、地球が保持できる人類の数を推定できるようになったのは、言わば、科学の勝利とでも言えるのであり、その数は10億人を下回る

そのためには、先進国を解体する必要があります。世界経済フォーラムのアジェンダ貢献者であり、国連気候変動枠組条約の元事務総長であるクリスティアナ・フィゲレスは、2015年2月のブリュッセル記者会見で、国連気候アジェンダの真の目的を明らかにした。産業革命以来支配してきた経済開発モデルを意図的に変えるという人類史上初めての取り組みを、私たち自身が設定している」

フィゲラスの2015年の発言は、2021年1月の世界経済フォーラムの「ダボスアジェンダ」でフランスのマクロン大統領によって今日繰り返され、「現在の状況では、資本主義モデルと開放経済はもはや実現可能ではない」と主張した。元ロスチャイルド銀行家であるマクロンは、「この流行から抜け出す唯一の方法は、富める者と貧しい者の間のギャップをなくすことにより焦点を当てた経済を作り出すことである」と主張した。

メルケル、マクロン、ゲイツ、シュワブとその友人たちは、ドイツとOECDの生活水準をエチオピアまたはスーダンのレベルまで下げることによってそうするであろう。これは彼らのゼロカーボン暗黒郷である。CO2を削減するためには、空の旅、車の旅、人の移動を止め、「汚染」元産業の閉鎖などを厳しくする。今回のパンデミックが、グレートリセットと国連アジェンダ2030ネットゼロカーボンの舞台を巧妙に設定するに至っている。

*F. William Engdahlは、戦略的リスクコンサルタント兼講師、プリンストン大学で政治学の学位を取得しており、この記事が最初に発行されたオンラインマガジン「NewEastern Outlook」 で独占的に、石油と地政学のベストセラー作家、グローバリゼーション研究センターのリサーチアソシエイト。





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