G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

「山と渓谷」4月号の特集「大人のための登山学」について

2018-03-20 | 登山関連情報

 雑誌の特集というとタイトルは読者の関心を引くために大袈裟だが内容、ページ数共に読者を失望させるような場合が多い。
 然し、以下に紹介する「山と渓谷」4月号の「大人のための登山学」は読者の期待を裏切らないと思います。
一読して、とても有用な情報が提示されているので、できれば購入して保存するに値する一冊であると信じます。
 また、昨今、高齢者の山岳事故が多発している折からも、この特集は時宜を得たものと思います。 

1.「大人のための登山学」とは関係ないが巻頭写真の空撮「涸沢と穂高連峰」が素晴らしい。
 既に登った人には過ぎし日の熱き思いを呼び覚まし、未登頂の人にはいつの日か、踏破したいと言う強い憧れを惹起すると思います。 

2. 巻頭記事の、86歳の山岳写真家で現役の登山者でもある三宅 修氏の「山を続ける極意」と題するリポートは、高齢者、特に小生のような後期高齢者の登山愛好家に対する心強いエールとアドバイスを開示している。高齢の大ベテランの言であるから率直で説得力があり、腹にストンと落ちるのが嬉しい。 

3.「自分を知る」では“運動能力の低下を直視”、“10歳若返るトレーンング”、“登山中及び登山後のリセット方法”など実用的な方法を提示している。

4.「Over40のためのウエア・装備研究」では体の衰えをウエアや装備品でカバーする具体的な事例と対処方法を提示している。


SCW~GPV天気予報サイトの使い勝手が大幅に改善~

2017-10-24 | 登山関連情報

概要:
従来のGPVは多くのアウトドア愛好者等に重用されていたが、本来パソコン用に開発されたものでスマホでは使い難かった。今般、スマホ用として使いやすくバージョンアップしたSCWが2017.6.23にリリースされた。未だ、多少の改善点を残しているが、視認性、操作性、使い勝手等が大幅に改善され使いやすくなった。
使用方法は簡単で下図の実画面例(雨量・雲量/気圧・風速/気温・湿度表示)を見れば大凡分かると思うので詳細(web.参照)は省略する。
以下に主な改善点と各画面の概要を紹介します。 

改善点
1.画面の大きさ切替が容易:
画面は局地、詳細、広域に切り替えられる。局地は2kmメッシュ、詳細は5kmメッシュであるが、通常は詳細で充分である。
2.画面中心点が自動的に現在地点になる:
従来は観測点へ画面をドラッグして移動する必要があったが、それが不要になった。なお、ドラッグすれば任意地点へ移動できる。
3.予報時間のセット:
従来は小さな◁、▷マーク及びスライダーで時間を変えていたが、今回はそれに加えて画面の右側or左側をタップすることで、簡単に夫々時間を1時間ずつ進めたりor遅らせたりできるようになった。
なお、予報時間は詳細で39時間(約1.5日)、広域で264時間(10日)までである。
4.観測地点の地図表示:
画面左下の地図で観測地点の市町村名が確認できる。
5.画面の予測ボタンをタップすることで予測⇔観測の切替ができ、観測にすると雲形・雲量の過去の観測結果が表示される。
解読が難しいので説明は省略する。 

雨量・雲量画面:
カラー表示が雨量を表し、寒色→暖色が雨量の少→多に対応している。白黒表示が雲量を表し黒→白が雲量(%)の少(晴れ)→多(曇り)に対応している。
(注)色と雨量、雲量の対応に関してはGPVの場合と同様であろう(以下他の画面についても同様)。

 
気圧・風速/風向画面:
カラーが風速を表している。寒色→暖色が風速の低→大に対応している。等高線は気圧を表している。

 気温・湿度画面:
寒色→暖色が温度の低→高に対応している。等高線が湿度を表している。


Garmin GPS vs スマホ GPSの比較(その5)

2017-05-28 | 登山関連情報

1.はじめに:
今までの使用実績では地図上の軌跡では両者に有意差はないが、標高データでは、スマホGPSは変動が大きく、その結果、沿面距離や累積高度データが著しく信憑性に欠けていた
  所が、5月20日に鈴鹿の小岐須渓谷から宮指路岳→仙ヶ岳を周回した場合は、地図上の軌跡ではスマホGPSが僅かに優れ、標高データでは有意差が無いことが分かった。
その詳細を以下に示す。

2.地図上の軌跡の比較:
下図は赤線がスマホGPS、青線がGarmin GPSの軌跡である。下図では定かで無いが拡大図では、赤線は地図上の道と良く合致し、青線は特に画面右1/3の林道部分で道から大きく外れているのが分かる。
                                                     (1目盛り約300m) 

3.標高図の比較:
  以下に示すように両者に有意差は無かった

(1)スマホの場合:下図の通りである。

上図から沿面距離:10.06kmであるが実際は、スマホを入れたザックをデポし宮指路岳から
馬乗り岩を往復(100m)したので実際の沿面距離:10.16kmとなる。
なお、累積高度:1,270mである。

(2)Garminの場合:下図の通りである。

上図から沿面距離:10.17kmである。なお、累積高度:1,230mである。

4.今回の結果のまとめ:
  (1)地図上の軌跡ではスマホGPSが優れている
   なお、拡大した地図で見ると分かるが、両者に差が生じているは谷道の部分であった。
     (2)沿面距離、累積高度に関しては有意差が無い。 

5.以前の結果との相違:
   (1)地図上の軌跡に関しては、以前は同等であったが、今回はGarmin GPSが僅かに劣っていた。           但し、ルートナビとして実用的には問題ない範囲の誤差である。
     (2)標高データに起因する沿面距離、累積高度に関しては、以前は、スマホGPSは実用にならない
         の誤差があったが、今回は有意差が認められなかった。 

6.結論:
  登山に於いて、重要なのはルートナビ機能、即ち地図上の軌跡データであるが、Garmin GPS及び
      スマホGPSの変動は実用上問題無いと言える。
         但し、地図上の軌跡、及び標高データに起因する沿面距離累積高度データの誤差は使用環境
    (森 林、尾根、谷など)、携帯方法(水平、垂直、斜めなど)などによって変動する事を承知して
      おくのが肝要であろう。 

7.参考ブログ:
   
 「スマホGPSとGarmin製GPSの標高データの比較検討」
   http://blog.goo.ne.jp/g-g-shimizu/e/f69fb89e0f4fcb94419781c74e0b1d69

 

 


スマホGPSとGarmin製 GPSの標高データの比較検討

2017-04-24 | 登山関連情報

1. 概要
4月23日(日)に鈴鹿山地の朝明キャンプ場→ハライド→青岳→ブナ清水→朝明キャンプ場と周回してきた。
その際、スマホGPS(Fujitsu M03)とGarmin製GPS(eTrex Vista HCx)とでトラック データを取得し、そのデータからトラック データと標高データを抽出し、比較検討を行ったので報告する。
 その結果は、トラック データに関しては、両者に有意差は無いが、標高データに関してはGarmin製の方が圧倒的に高精度であることが判明した。
 参考として、Fig.1にその時のトラック データ(Garmin製)を示す。
                                                                  Fig.1

2.スマホGPSの標高データ:
Fig.2に示す通りで、データのランダム変動が大きい。
従って、沿面距離≒12.8km、累積高度(+)≒2,804mとなっているが、実際の数値より可成り大き目に算出されていると推定される。
 
Fig.2(クリックで拡大)

3.Garmin製 GPSの標高データ:
Fig.3に示す通りで、ランダム変動は無く、データはほぼ、地形と類似しているのが分かる。
従って、沿面距離≒9.5km、累積高度(+)≒1,123mは実際の数値に近いと推定される。

Fig.3(クリックで拡大)

4.Garmin製 GPSの補正後の標高データ:
地形図が正しいものとして、地形図に合わせて補正した標高データはFig.4の通りである。
1/25,000地形図の精度(5m)はGPSの精度(10m)より高い事を勘案すると補正後のデータはより信憑性が高いと推定される。
 因みに、ここでは、沿面距離≒9.2km、累積標高(+)≒940mとなっている。

Fig.4(クリックで拡大)


スマホGPSとGPS専用機の比較(その3)

2017-02-28 | 登山関連情報

2017.2.9にアップした「象鼻山~南宮大社の縦走」のブログではGPS専用機とスマホ(ソフトはジオグラフィカ)とでは両者に有意な差異はないと書いた。
今回は美濃加茂市の「高木山~山之上富士山周回」山行時(山行記録は2017.2.22にアップ)に両機種でトラックを記録したので再度、両者の比較を行った。 

1.実測データを示す。
(1)  GPS専用機の場合:

(2)  スマホの場合:

 (3)  両トラックを重ね合わせた場合:
所々でトラックが二重線になっているが、この部分に差異が生じた事を示している。

2.差異の考察:
(1),(2)のトラック図は一見した所、差異は明確でないが、(3)両トラックを重ね合わせてみると時々、約20m位の差が生じているのが分かる。
また、(2)図では一部で登山道から外れていたり、富士山の登降でトラックがずれていることから、誤差の源はスマホのトラックにあるのが分かる。

3.結論:
以上の考察からGPS専用機の方がスマホよりも忠実度が高いと言える。
その要因として、次の2点が考えられるので、次回の山行時にどちらが主原因か明確にしたい。

(1)両者の携帯位置が違っているので、それに伴う内蔵GPS受信機の感度差
 実際にはGPSはベストの胸ポケットに、スマホはベストのサイドポケットに携帯した。
(2)内蔵しているGPS受信機そのものの感度差