富貴蘭と戯れる日々

富貴蘭の生長記録です。
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大冠

2006年03月02日 | 大冠


羆覆輪が富貴殿のような深覆輪に変化したものが大冠です。
三年前の福岡の大会で展示をしましたが
その後直ぐに親木の天葉が芯止まり
秋田から九州まで持ち歩くと調子を崩すことがあるものですね。
健全なの姿が懐かしくも恨めしい・・・。
が出ても派手な柄が多くウチの棚ではなかなか育ちませんです。
(この一鉢も大冠から出たハデ仔ですが結局枯れました。)

東京ドームや大会での展示は見るほうは気楽なものですが
出品される側はそれなりにリスクを背負っているものと
頭が下がる思いです。

話は変わりますが蘭の葉は三層構造になっていて
覆輪や中透けなどは周縁キメラ斑と言うのだそうです。
それぞれの層で斑が入る、入らない2通りだとすれば
2×2×2=8で8通りのパターンが考えられ
種類でいえば覆輪、大覆輪、中斑、中透け、三光中斑、逆三光中斑?
ユウレイ、青ということになります。

羆、建国殿で面白いのは
この一族で周縁キメラ斑すべてのパターンを
網羅していることです。
品種で言うと覆輪は羆覆輪、大覆輪は今回の大冠、
中斑は長寿楽、中透けは、三光中斑は八千代
逆三光中斑で固定した木はありませんが
派手な羆覆輪の一部の葉に見受けられます。
また、ユウレイは新月殿、青は建国殿などの柄抜けです。

これだけでもすごいのに、それにプラスして
一枚の葉に暗む黄縞、暗まない黄縞、暗む白縞を混在させています。
各層に柄が有るか無いかだけでも8種類なのに
斑の色も何種類かあるとなると複雑さは加速度的ですね。

またそれに区分キメラ斑という縞が加わりますし
一部の柄だけ目立つ木が多いので違う雰囲気に見え
なかなか整理が出来ていない感じもします。
実際、大冠と白深覆輪では同じパターンの柄でも
がらりと雰囲気が変わります。
(昔、見たことがある白柄の羆というのをもう一度見てみたいものです)

まだわからないことはたくさんありますが
墨を流すことと泥が軸元に濃く集まって
付けから先へは散らないという特徴もあって
品種自体の見分けは意外に簡単です。
知れば知るほどすごすぎる一族ではあります。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
白柄の羆 (おっくん)
2006-03-02 18:51:54
こんばんは、ご無沙汰しています。

 いつも拝見し勉強させて貰っています。

 羆ファミリーは1つも所有していませんが

 この用な着眼点から観察できれば楽しみも

 倍増ですね。

 今年は是非、棚入れしてみたいものです。

 それにしても<白柄の羆>想像しただけでも

 凄いですね!

 
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上記の訂正 (おっくん)
2006-03-02 18:57:54
それにしても白柄の羆、想像しただけでも

 凄いですね!

どなたか四国全国大会に出品してくれ~~

返信する
コレクション (風蘭三昧)
2006-03-02 21:41:33
おっくんさん、ご無沙汰でした。

ある程度テーマを決めて集めると

歯止めが利くかもと思っています。

青光墨でもこの法則が当てはまりますが

全部集めるのはなかなか大変です。

白柄の羆、私も見てみたいです。
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ふっ、深い! (yukimakikazu)
2006-03-04 00:23:33
こんばんは。お邪魔します。大冠、すごいですね。でも幽霊と紙一重の恐怖がありそうです。8種類の可能性を遺伝子レベルで考察すると、どの性質を強く出すかを決める遺伝子があり、芽によってそれぞれ変化しうるので、建国殿系は無限に近い可能性があるということでしょうか。いや~、深い!
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大冠 (風蘭三昧)
2006-03-05 14:28:26
yukimakikazuさん、こんにちは

新月殿でも何年かは持ちこたえますから

いくらかでも紺地のある大冠はそれなりに丈夫な品種です。

でもさすがにハデだと・・・

枯らす喪失感をたまに味わうのもおつなものです。

おっしゃるように建国殿は深いのでご覧のように夢中になっています。
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