米澤穂信 『ボトルネック』
亡くなった恋人の諏訪ノゾミを弔う為に、
主人公の嵯峨野リョウは、ノゾミが転落死をした東尋坊にいたのだが、
何か違和感を感じ、ふと目を覚ますと、自宅がある金沢の街にいた。
奇妙な感じを持ちながらも、自宅に戻ると、見知らぬ女性が出てきた。
その女性は、この家の者だという。
名前は、嵯峨野サキ。
話をきくと、サキは生まれる前に亡くなった「姉」のようで。
「姉」が生まれた世界。
イコール、リョウが生まれなかった世界にリョウは迷い込んでいた。
二人で二つの世界の間違い探しをしながら、リョウの世界に戻る手掛かりを探る。
二つの世界の違いが段々と明らかになってくるのですが、
これがなかなか辛い。
あまりにも対極にある二つの世界。
その世界の対比が巧みでした。
ラストは重い終わり方。
いまいちすっきりはしなかったですが、これはあえてそうしたのだろうと思いました。
色んな解釈が出来ました。
面白い設定でした。
あれは何だったのだろう??と思う箇所はありましたが。
後、名前が皆、リョウ、サキ、ノゾミとカタカナなんですね。
他の人たちも。
このブログを書いていて、気づきました。
何か暗示しているのかな?と思ったけれど、分からなかったです。