北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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和洋折衷住宅

2024-05-21 20:14:00 | 函館

 

「東本願寺函館別院」から西へ向かう通り。

通りの先に、有名な「カトリック元町教会」が見えますが、そこへの道中であるこの通りが、西部地区「王道コース」の第4チェックポイントになっています。

この通りには何があるかと言いますと、

 

 

函館を象徴すると言ってもよい、独特な建築様式の建物が建っています。

人様の所有する建物なのでさらっと触れるにとどめますが、2階建ての建物で、1階は純和風、2階は洋風の外観になっている建物が、函館、特に西部地区ではよく見かけます。

 

 

 

1859年の箱館開港により、箱館も諸外国との交易の舞台となりましたが、開港したとはいえ、当時の商人達は、相手国から不利な条件を突き付けられ、決して対等な立場とは言えない状況での交易を強いられていました。

そこで商人達は、悲願である対等な取引実現のため、和風の生活様式を守りつつ、洋風を意識した店舗・住宅を建築することで、対等な立場であることを強烈にアピールしようと考え、財力があった海産商を中心に、写真のような和洋折衷様式の建物が建てられることとなりました。

また、役人達も、当時から交流のあった、ロシア・ウラジオストックの街並みを模倣するよう指導したとされています。

まだ車も列車もなく、函館を訪れるに当たっての交通手段が海路しかない時代、船で函館港に近づいたとき、函館山の麓に立ち並ぶこのような洋式の建物が目に入ると、訪れた人は、どこか異国の地に辿り着いたのではという錯覚を覚えたとさえ言われています。

最盛期には、このような建築様式の建物が、函館山の麓に、1,000軒もあったそうです。

しかし、和洋折衷様式とはいえ、実はそれは外観だけで、外観をいかに洋風に見せるかに重点を置いたことで、洋風の外観部分も、中は畳敷きの和室だったりしているそうです。

函館地方の言葉で、「いいふりこき」と言って、悪い言い方をすると「見栄っ張り」というような意味の言葉があるのですが、この建築様式の建物は、そんな函館人の気質を如実に表していると言われています。

 

 

 

 

 

中には入りませんでしたが、この建築様式の建物で、函館を舞台にした作品が多くあることでも知られる、森田芳光監督の「メモリースペース」があることを、今回初めて知りました。

比較的近年の作品もあるので、今度DVDを見てみようかなと思います。図書館のAVスペースに置いてないかな・・・。

 

【追記】

アップしてから気が付きましたが、今日はこのブログの開設記念日でした。

今日で丸19年。来年はいよいよ20周年です。

コメント (2)
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