歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

世界に渦巻く「恨」の不気味さ

2016-12-20 07:45:36 | 産経新聞の記事から抜粋

 

   

  

 保守派の論人の大御所的存在、西尾幹二氏の、『正論』への寄稿文です。今回の切り口は韓国の専売特許である「恨」の世界とルサンチマンへの結びつき、おまけに「ホワイト・ギルト」まで話は広がっていきます。

  今時韓国を話題にしても、目新しさはないのですが、どういう訳か日本は日本で行われている韓国人の犯罪を、隠す習性は治りません。しかも彼らの名前を公表する事すら差別だと思い込んでいます。日本のメディアが完全に汚鮮されまくっています。

  

  要するに韓国は遅れているという事です。近代化は一部には表れてはいますが、全体的に見ると、精神的にも、道徳的にも、技術的にも、日本に追いつくのは30年早そうです。しかし朝鮮にかなわないのは音楽的センスかも知れません。

  然し、K・POPは戴けません。これは単なる物まねですから、古賀誠が取り入れた朝鮮メロディは、日本演歌の源流かも知れません。美空ひばり、都はるみ、みな向こうの血が入っています。

  さて、ルサンチマンですが解釈は沢山ありますが、反逆的憎悪を持った奴隷の道徳的行動パターンだという解釈もありますが、西欧の貴族社会の中から湧いてきた行動パターンを言った言葉と解釈もありますが、復讐心と簡単に言うのも入るでしょう。

  

 👀 👀 👀 👀 👀 👀 👀

 

【正論】 2016年12月19日 付
世界にうずまく「恨」の不気味さ 「アメリカの韓国化」どう克服 

   

          評論家・西尾幹二

≪韓国を揺るがしたルサンチマン≫

  朴槿恵大統領の職務剥奪を求めた韓国の一大政変には目を見張らせるものがあり、一連の内部告発から分かったことはこの国が近代社会にまだなっていないことだった。

  5年で入れ替わる「皇帝」を10大派閥のオーナーとかいう「封建貴族」が支配し、一般民衆とは画然と差をつけている「前近代社会」に見える。一般社会人の身分保障、人格権、法の下での平等はどうやら認められていない。

  

  ただし李王朝と同じかというとそうではない。「近代社会」への入り口にさしかかり、日本や欧米を見てそうなりたいと身悶(もだ)えしている。騒然たるデモに荒れ狂った情念は韓国特有の「恨(ハン)」に国民の各人が虜(とりこ)になっている姿にも見える。

 「恨」とは「ルサンチマン」のことである。完全な封建社会では民衆は君主と自分とを比較したりしない。ルサンチマンが生まれる余地はない。

  近代社会になりかかって平等社会が目指され、平等の権利が認められながら実際には平等ではない。血縁、財、教育などで強い不平等が社会内に宿っている。こういうときルサンチマンが生じ、社会や政治を動かす。

  

  恨みのような内心の悪を克服するのが本来、道徳であるはずなのに、韓国人はなぜかそこを誤解し脱却しない。いつまでもルサンチマンの内部にとぐろを巻いて居座り続ける。

  反日といいながら日本なしでは生きていけない。日本を憎まなければ倒れてしまうのだとしたら、倒れない自分を発見し、確立するのが先だと本来の道徳は教えている。しかし、恨みが屈折して、国際社会に劣情を持ち出すことに恥がない。

≪吹き荒れる「ホワイト・ギルト」≫

  ところが、困った事態が世界史的に起こりだしたようだ。ある韓国人学者に教えられたのだが、恨に類する情念を土台にしたようなモラルが欧米にも台頭し、1980年代以後、韓国人留学生が欧米の大学で正当評価(ジャスティファイ)されるようになってきた。

  世界が韓国的ルサンチマンに一種の普遍性を与える局面が生じている、というのである。こういうことが明らかになってきたのも、今回の米大統領選挙絡みである。

  白人であることが罪である、という「ホワイト・ギルト」という概念がアメリカに吹き荒れている、と教えてくれたのは評論家の江崎道朗氏だった。

  インディアン虐殺や黒人差別の米国の長い歴史が白人に自己否定心理を生んできたのは分かるが、「ホワイト・ギルト」がオバマ政権を生み出した心理的大本(おおもと)にあるとの説明を受け、私は多少とも驚いた。

  

  この流れに抵抗すると差別主義者のレッテルを貼られ、社会の表舞台から引きずり下ろされる。米社会のルサンチマンの病もそこまで来ている。

 「ポリティカル・コレクトネス」が物差しとして使われる。一言でも正しさを裏切るようなことを言ってはならない。“天にましますわれらの父よ”とお祈りしてはいけない。なぜか。男性だと決めつけているから、というのだ。

  あっ、そうだったのか、これならルサンチマンまみれの一方的な韓国の感情論をアメリカ社会が受け入れる素地はあるのだと分かった。両国ともに病理学的である。

  20世紀前半まで、人種差別は公然の政治タームだった。白人キリスト教文明の世界に後ろめたさの感情が出てくるのはアウシュビッツ発覚以後である。

  それでも戦後、アジア人やアフリカ人への差別に気を配る風はなかった。

80年代以後になって、ローマ法王が非キリスト教徒の虐待に謝罪したり、クリントン大統領がハワイ武力弾圧を謝ったり、イギリス政府がケニア人に謝罪したり、戦勝国の謝罪があちこちで見られるようになった

≪トランプ氏は歪みを正せるか≫

  これが私には何とも薄気味悪い現象に見える。植民地支配や原爆投下は決して謝罪しないので、これ自体が欧米世界の新型の「共同謀議」のようにも見える。

  日本政府に、にわかに強いられ出した侵略謝罪や慰安婦謝罪もおおよそ世界的なこの新しい流れに沿ったものと思われるが、現代の、まだよく見えない政治現象である。

  各大陸の混血の歴史が示すように、白人は性の犯罪を犯してきた。旧日本軍の慰安婦制度は犯罪を避けるためのものであったが、白人文明は自分たちが占領地でやってきた犯罪を旧日本軍もしていないはずはないという固い思い込みに囚(とら)われている。

  韓国がこのルサンチマンに取り入り、反日運動に利用した。少女像が増えこそすれ、なくならないのは、「世界の韓国化」が前提になっているからである。それは人間の卑小化、他への責任転嫁、自己弁解、他者を恨み、自己を問責しない甘えのことである。

  

  トランプ氏の登場は、多少ともアメリカ国内のルサンチマンの精神的歪(ゆが)みを減らし、アメリカ人を正常化することに役立つだろう。

オバマ大統領が許した「アメリカの韓国化」がどう克服されていくか、期待をこめて見守りたい。

(評論家・西尾幹二 にしおかんじ)

 

 👀 👀 👀 👀 👀 👀 👀

 

  最初のタイトルにアメリカの韓国化とあります。アメリカの中が歪んでいるという意味でしょうか。アメリカングローバル主義によって痛めつけられた白人社会の逆襲とも言います。

  当たらないかもしれませんが、アメリカが貧富の差が付きすぎ、たった1%の富裕層に対し、99%が不満を抱え、メディアは1%側に入っているという説は、もしかして本当かも知れません。

   

  しかしアメリカは、なんといっても世界一の軍事国です。この国と日本は戦い日本は負けましたが、どういう訳かアメリカを恨んでいないという、独特の日本的武士道精神とでもいう、高度な資質を持っているという事は、誇るべき宝でしょう。