エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

野塚岳(1353.2m)沢登り

2009年06月28日 | 山紀行 (日高山系)
ganさんと遡行(ゆく)沢登り
南日高・・・野 塚 岳 (1353.2m)
■ 山 行 日     2009年6月27日(土)   日帰り
■ ル ー ト     ニオベツ川南面直登沢~野塚岳~1220m峰南西尾根下降ルート
■ メ ン バ ー      CL iwaさん、SL ganさん、カトちゃん、いさむさん、高柳さん
            宮王さん、えみさん、ひろみさん、りえさん、エバ

■ 登 山 形 態      沢登り
■ 地 形 図     1/25000地形図  「楽古岳」
■ 三角点・点名    二等三角点 点名「野塚岳 ノツカダケ」
■ コースタイム    登り 4時間10分   下り 2時間35分
<登り>
08:15  登山口野塚トンネル駐車場出発
08:30  二オベツ川入渓
08:45  580m二股
09:20  720m付近スノーブリッジ(中を通過)
09:50  780m三股(スノーブリッジ)
      滝の連続
10:30  920m二股(右股へ)
11:00  1050m付近休憩 から11:15
12:25  頂上 

<下り>
13:25  下山開始
14:05  1220m峰直下の分岐(休憩)~14:15
15:20  650m枝沢出合
16:00  登山口駐車場


★ オフミ・・・
インターネット上の付き合いでも、実際に顔を合わせる事をオフライン・ミーティング略してオフミと呼ぶ。
HYMLに入会して始めて会員同士が誘い合った企画山行に参加した。ただ実際には、函館の会員sakagさん
や千歳のたかさんとも山行をしているが、これはエバ自身の企画に同行していただいた形なのであえて今回
始めて・・と記したい。


★ つぼ岳・・・
今回の主催者ganさんこと岩村和彦さんが毎月企画する会員同士の懇親会「つぼ岳」に4ヶ月連続して参加
しているエバ。当然ながら常連の参加者とは少しずつ顔と名前を互いに覚え山談義は尽きないし、HPやblog
を開設していると互いに訪問し合って相手の実績は承知していることも多い。開設していない会員でもネット
上で興味のあるページを開いて見ているので初対面でも話の盛り上がりは早く話題が尽きないのが楽しい場所
だ。

ganさんはHYML創立者の一人でもあり今年で10周年になるというからその実績は高い。共同文化社から
発行しているganさん著書の「ganさんが遡行(ゆく)北海道の沢登り」と「ganさんが遡行北海道沢登り三昧」
は正にHYML会員がganさんとの沢登りを楽しんだ紹介本と言えるし、内容も判り易く解説しているので沢
のガイド本的機能も充分だ。沢登りに興味のある方は是非買い求めて読んでほしい本だ。



【 6/27(土) 】 晴れ


登山口となる国道236号線 野塚トンネル日高側の駐車場で懸垂下降の講習会・・・

★ 10ヶ月ぶりの沢登り・・・
パッとしなかった6月の天候もここに来てようやく太陽が顔を出し楽しみにしていたオフミの当日も晴れの
予報で胸高まる興奮にソワソワしていた。4時30分JR川端駅前で参加者と合流、総勢10名の内標津か
ら参加するえみさん以外の9名が集まった。初対面となるのは、函館の高柳さんと若いりえちゃんの二人で
他はつぼ岳の常連でお知り合い・・だ。
エバ車は、駅駐車場にデポして2台の車に分乗し出発する。途中で運転を変わって登山口となる国道236
号線(天馬街道)の野塚トンネル手前(日高側)駐車帯に着いたのは7:30。
ここで合流するえみさんも到着して全員が揃った。えみさんとも初対面である。
早々準備をしてからganさんの呼び掛けで円陣を組みご挨拶と各自の自己紹介をする。沢登り始めてという
えみさん、2度目のひろみさん、3度目のりえちゃんといさむさん、20数年ぶりという宮王さん、幾春別
岳以来10ヶ月ぶりのエバそして沢ベテランとお見受けの高柳さんと三昧のganさん、カトちゃん、岩さん
だ。
出発前には初心者のために懸垂下降の簡単な講習会を行って緊張感が高まってくる。


★ 遡行・・・


国道からすぐ横の二オベツ川に降りる(標高は約540m地点)


標高700m付近までは単調な河原歩きが続く・・・

8:30・・最初に懸垂下降で入渓する。
初心者の女性陣には念のため補助ロープで確保しながら降りてもらった。沢はじめてのえみさんの緊張した
顔は隠せなかった。
入渓したニオベツ川の川幅は約4~5m、傾斜は緩く多少増水気味もやさしい登りから遡行の開始となる。
リーダーは岩さんで先頭を歩き、ganさんは中間で前後を見守る。エバは最後尾をおおせつかりゆっくりと歩
いた。

8:45・・580m二股。
下降時に1220m峰南西尾根を使った際にこの二股に降りるところだ。全員テンポ良く石から石へと軽快に足を
運んでいた。

9:20・・720m付近でスノーブリッジ。
トンネルを抜けると最初の滝に出合う。



自然の冷蔵庫・・・ブリッジの中を通過する。冷たい融雪の雫とマイナスイオンに癒される爽快な場所だ。





700mを越えて滝が出てくると傾斜も増し高度を稼ぎ始める。そして780m三股では、再びスノーブリッジと
なりトンネルの中を通過する。出るといきなり20m程のナメ滝が現れ左岸を高巻く。また、この辺りから5
m前後の滝が連続するがホールド・スタンスはあるので直登する。ただ微妙な滝では岩さんとganさんが滝
上からロープを出して確保する場面も・・

エバ心もちワクワクしてきた。(楽しいかも・・・)



790m付近の20mのナメ滝は左岸を高巻く・・






800m~900m付近の連続した滝・・・


920m二股・・右股に入り頂上へ続く

★ クライマックス・・・
920m二股から右股に進むと頂上付近まで続く南面直登沢だ。直進すると野塚岳西尾根のコルに突き上げる
沢となっているがこの沢からの直登は崩落していて非常に難しそうでエバには登れそうもない。
右股に進むと傾斜は一段と増し全てが滝のようにも見えるほどだ。難しい滝は一箇所で核心部の最大の滝が
1000m付近に出てくる。ただホールドなどはしっかりと探せば直登出来る。
1100m付近で源頭となり以降涸れ沢となるが沢筋は直下までわかり易くハイ松が出てくると稜線が目に入り、
稜線に出ると明瞭な踏み跡が頂上に繋がっていた。



頂上付近から登って来た直登沢を見下ろすとその深さを実感する

★ 感激の頂上!!


野塚岳頂上・・・登り 約4時間(背景はトヨニ岳)

12:25 頂上到着。
互いにしっかりとした握手で喜び、感激を噛み締めている。風は強いが雨具を着ると寒くはなかった。
青空は少ないが心は晴れて展望も比較的良くトヨニ岳をはじめ北の稜線と南は楽古岳まですっきりと見せてく
れ満足の登頂である。記念写真を撮った後は、ganさん恒例の昼食タイムで讃岐うどんを茹でて食べ1時間ゆっ
くりとくつろいだ。




★ 下山・・・
一級国道を辿る・・
下山ルートは、主稜線の南尾根を辿りオムシャヌプリとの中間に位置する1220m峰から派生する南西尾根を下
降しニオベツ川580m二股に出るとほぼ終了だ。

13:25・・下山開始。
頂上から明瞭な踏み跡があり低いハイ松も気にせずに非常に楽をする。ただ1220m峰のピーク手前から南西尾
根に取り付く分岐が判り難く経験者が居ないと苦労するだろう。分岐にはピンクのテープが付いているがその
先に少しだけ不明瞭な踏み跡となり笹薮を漕いで降りると再び明瞭な踏み跡に辿り着いた。踏み跡は沢の出合
直前で不明瞭となり急な笹薮を滑り落ちるように直進すると枝沢に出る。そして間もなく本流に出て20分ほ
どで終了だ。




頂上からの下り・・前方にオムシャヌプリと十勝岳、楽古岳を見ながら辿る




1220m峰ピーク手前の分岐にて・・野塚岳を背に


南西尾根の笹薮も楽チン・・

15:20・・650m付近で枝沢に出合う。
16:00・・駐車帯登山口に到着。(下り 2時間35分)


★ ナウマン温泉と札内ヒュッテ・・


りえちゃんとganさん


左からエバ、高柳さん、いさむさん (札内ヒュッテにて)

★ ありがとう・・・
インターネットで繋がった見知らぬ山好き同士が集まって、互いに助け合い一つの山行を成功させる。山の
知識も技術も人それぞれでだけど協調出来る山登りそんな世界がHYMLにありました。
組織にこだわらず個々を尊重し気張らない山のすすめ・・・情報を交わし共用し困難を解決に導くML・・・
自分に合った人たちと自分にあった登り方を模索すればOK・・
人を中傷せず、束縛や押し付けもしない自由な生き方・・
いい事ばかりではないと思うがいい支えにもなってくれそう・・

今回は、そうした意味で新鮮で楽しい山のすすめを体験出来ました。
ganさんをはじめ岩さん、カトちゃん、高柳さん、宮王さん、いさむさん、えみさん、ひろみさん、りえちゃん
本当にありがとうございました。

貸切の札内ヒュッテでの懇親会は本当に楽しかったですね。



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8 コメント

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Unknown (lucky)
2009-07-02 21:34:42
エバさん、blogの更新いつも楽しみにしてます

HYMLに巡り会えて良かったですね~。
とっても楽しそう

あ、夫婦登山も羨ましいです
返信する
初コメント、うれしいです。 (エバ)
2009-07-02 23:14:55
luckyさん こんばんわ
ようこそエバのページへ・・

いつも楽しみにblogを観ていただいて
ありがとうございます。これからは
気兼ねなくコメント沢山お待ちしています。

機会があれば久々の山も同行出来れば
昔話に華が咲くかもね・・(笑)

入会したばかりですがHYMLは、気張らない
組織に拘らない個々に自由な考え方で参加できる会なので良かったと思っていますよ。

夫婦登山は継続しながら、多くの仲間たちとも
多くの山に行ければ・・と願っています。

luckyさんの入会もご検討を・・・
返信する
お邪魔します (gan)
2009-07-03 08:02:34
エバさん、ganです

素晴らしい写真と過分なるコメントに感謝です

HYMLは基本的に情報交換の場に過ぎないのですが、10年も毎月懇親会をやっているのが他のMLと違うところでしょうか
必然的に顔の見えるMLとなり、当然親しくなると一緒に山に行くことも多くなります
ある意味山岳会的でもあり、山岳会を越えた集まりとも言えます
組織もなければ会費も出席や報告義務もありません
何をするにも自由であり、その前提には自己責任があります
こういう集まりなので、何かやろうとするとやる気のある人だけが手を挙げます
過去冬山本を出したり登山道の整備をしたり、講習会をやったりした実績がその証拠でしょうか

私主宰のオフミはいつもあのような感じです
来るもの拒みませんが、唯一体力的なことだけはいつも留意しています
荷物は持てても体は担げませんから(笑い)
また沢の場合は事故や怪我が一番怖いですから、落ち着きのない人、自分の実力を見極めないで行動する人は以降積極的には声かけません
運転手以外は飲むのもいつものこと
その辺りは山岳会でないので、主宰者の好きなようにやっています

HYMLを上手く活用してエバさんの山の世界を広げて下さい
過去どれだけ多くの人がHYMLを通じて成長してきたかは論を待ちません
この私もその一人です
返信する
初訪問します。 (宮王)
2009-07-03 18:30:08
エバさんこんばんは!
宮王です。

先日の野塚岳、お疲れさまでした。
滝滝滝の連爆、本当に素晴らしい沢登りでした。
ganさん曰く、「一押しの沢」…
実に感動もんでした。

これからも機会があれば、またご一緒したいですね。
ganさんに迷惑かけるけど((笑

でも、この「HYML」って恐るべし((笑
もはや山岳会に引けをとらないくらいに、
チームワークが素晴らしいのでは…

追記…
う~んそれにしても、本格沢登り、20数年ぶりに再燃しそうです((爆

ganさんをはじめ、HYML仲間に感謝です!

返信する
世界が広がれば・・・ (エバ)
2009-07-04 12:57:26
ganさん 心温まる長大なコメントありがとうございます。今頃はオフミの「がま沢」だと思いますが、返信だけさせて頂きます。エバも今からボランティアで夕張岳パトロールに出掛けます。ヒュッテ泊をしますが、仲間も集まって楽しい時間が好きです。夏道はもう行かないと言っていたかも知れませんが、HYMLの仲間たちとも「つぼ岳・夕張会場」編も面白いのではないでしょうか。7月のつぼ岳で提案してみようかな?

入会してまだ日は浅いですが、これまでに無くエバ自身の山の世界は広がりつつあり実り多いHYMLの世界です。
返信する
迷惑かけないように・・・ (エバ)
2009-07-04 13:07:51
宮王さん こんにちは
初訪問ありがとうございます。
オフミ野塚岳では、果敢に挑む凛々しい宮王さんがエバの目に映っていました。とても20数年ぶりとは思えない遡行ぶりです。確か一度もロープのお世話になっていないですよね。私は一度だけお世話になりました・・(笑)

宮王さんも今日は「がま沢」ですね。

もうganさんには「迷惑」を掛けないと思いますよ。ブランクはあってもきっと実力はベテラン域でしょう。ganさんの力になって下さい。

またオフミでよろしくです。
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17年前のクワンナイ川を思い出して (K Jbaez)
2009-07-08 18:37:24
ずいぶん輪が広がってきていますね。
皆さんのコメントを読み進んでいくと、私までその一員になってしまっているように感じました。「きちんと自分を管理できる人!なら、いつでも参加 OK です」というような大きな温かいお仲間たちでいらっしゃいますね。
ますますのご繁栄を!!
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11年前でした (エバ)
2009-07-08 22:45:23
そうganさん そういう方なんです。
エバの最初のクワウンナイは1998年でした。
11年も前になるんですね。Jbaezさんのコメントで私も思い出しましたが、あの時は行きたいも行きたくないも関係なく行ってました。自分の管理など出来るレベルではないのに・・・
今は、ケガと弁当自分持ち・・の世界です。
組織に頼らない代わりに自分をきちんと管理出来ない者は、知らぬ者同士であるがために最低限のマナーなのですね。色々勉強してます。
暖かいコメントいつもありがとうございます。
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