エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

初冠雪の沢登り・・・1726峰 (雪盛山)

2013年10月15日 | 山紀行 (日高山系)
登山の師匠 ki さんと8年振りの同行登山・・・
想定外の初冠雪・・・1726峰 (雪盛山)

■ 山 行 日   2013年10月14日(祝月)   日帰り
■ ル ー ト    パンケヌーシ川八ノ沢 往復
■ メ ン バ ー   kiさん、yoneさん、kobaさん、suさん夫妻、エバ
■ 登 山 形 態   沢登り&藪漕ぎ
■ 地 形 図   1/25000地形図  「千 栄」「ペンケヌーシ岳」
■ 三角点・点名  三角点・点名無し (図根点「二九」)
【図根点】
図根点(ずこんてん)は図等三角点ともいわれ周囲の三角点から観測し実際の三角点上では観測しな
いという前方交会法により位置を決定したものです。これは無線鉄塔などで構築物上で測量すること
ができない場合につかわれますが精度は低くなります。本来、図根点は三角測量のあとの細部の
測量につかい標石の埋設はせず、その位置が測量によりはっきりすると、すぐ測板上の図面に移して
しまいます。標石として設置されるのは重要な場所や再現が必要な場所に限られますが盤石は埋設
されません。図根点標石の設置は1940年、50年代が多かったのですが現在はありません。


■ コースタイム   登り 3時間45分   下り 3時間10分
                     (休憩含む、下り きのこ取りタイム約30分有り)
<登り>
登山口(八ノ沢出合) 7:55出発--渡渉
八ノ沢林道8:00--1075二股8:35~45休--1230二股9:22右へ--1380二股10:00
1470沢から右岸小尾根へ10:25~35--1700北西尾根11:40--雪盛山頂上11:45
<下り>
下山開始12:30--1380二股下出合13:40~50休--1075二股14:52--きのこ取り--
--登山口15:40



GPSルート図は、山ちゃんのHP「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」からお借りして編集したものです・・

★ プロローグ同行の実現・・・
私の初登山は34歳の11月、登った山は、支笏湖の北東部に位置する「紋別岳(865m)」でした。
職場の先輩の誘いを受けて家族3人で参加し、頂上で食べた昼食がとても美味しかった思い出が今も
鮮明です。その翌年から本格的な登山にのめり込むように夢中になり現在に至っている次第でした。

8年振りの同行が実現したkiさんもまたそんな先輩の一人でした。
夏道登山から沢登り、冬山へとステップアップしながら本当に色々な山に連れて行ってくれました。
kiさんが所属する山岳会へ入会後は更に諸先輩方の指導と共に本格的に厳しい山も体験し基本から
応用編まで一通りの知識と技術をご教授頂いたといつも感謝しています。しかし、退会後は夫婦登山
が中心となり、会のメンバーとの山行は皆無でした。

以前「雪盛山」の存在を教えてくれたのもkiさんだったのですが、行くチャンスに恵まれずずっと気に
なっていた山の一つでした。そんな時にHYMLの山仲間である山ちゃんが雪盛山の報告をMLで流し
すっかり触発されてしまいました。
今季の内に登りたいと強く念じ早々に同行者を探し始めたのです。しかし、誘いが急きょだったり連休
の最終日とあってか中々同行者が得られませんでした。久々の単独行も視野に入れて計画をしていま
したが、思い切って最後の望みとばかりにkiさんへ同行の依頼をしたのでした。

ちなみに妻チーヤンは、第二子の孫の誕生と共に娘と孫の支援に専念中で山は休業の告知をされた
のでしばらくお休みです。


★ 二人から六人へ・・・
出発当日の朝になって同行者は二人~六人に増えていました。
kiさんの山仲間が集まってくれたのです。
道無き日高の山に於いて、沢登りで比較的簡単に登れ眺望抜群の山は少ないと声を掛けたようでした。
kiさん以外はすべて初登頂の面々、中には場所も標高も知らずに参加したメンバーもいたようですが
リーダーkiさんの元誰も不安になる人は居ませんでした。


★ 1726峰(雪盛山)・・・
地形図には山名が無くそれまでは標高が山名として呼ばれていました。
後にいつ誰がどんな経緯で「雪盛山(ゆきもりやま)」と名付けたかは不明ですが、今ではその名も知れ
つつあり登山者も増えていると聞いています。

雪盛山は、北日高の主稜線上にある芽室岳(1753m)とルベシベ山(1740m)の中間点に位置する稜線上
のピークに過ぎないが、遠くからも目立つビラミダルな山容をしているのでその名を知ると登行意欲が
湧いてくる山の一つになっている。
登山道は無く積雪期に芽室岳から稜線伝いにピークを踏むか沢登りでその頂に立つしか方法は無い。
その中で沢登りは、パンケヌーシ川支流八ノ沢から北西面直登沢をルートとする報告がいくつかネット
上でも紹介されている。日帰りが可能で難しい滝やロープを使うような下降も無く藪も薄いとあり、まし
て眺望の良さはこれらのHPからも充分認識できる。

今回同行してくれたkiさんは、5度目の登頂となり4度はこのルートから登頂したらしい。
すっかり情報泥棒的エバではあるが、今回は更に他力本願的な昔に戻った山行になりおんぶにだっこ
で楽な登頂が可能となった・・・。


★ 初冠雪の洗礼・・・
同行のメンバーと日高町の道の駅で合流し、初対面のご挨拶をする。
車から外に出るとピリッと身の引き締まる寒さを実感し、途中夕張岳が真っ白だった事を思い出した。

早々登山口となるパンケヌーシ林道へ向かい国道から約18キロ入った八ノ沢出合まで車で入る。
八ノ沢沿いにも林道があるが出合にあった橋は崩壊していて人も車も通る事は出来ない。
出合に車を止めて早々出発準備をし、いきなり本流の冷たい渡渉からスタートとなった。

7:55 本流渡渉
8:00 八ノ沢林道出発

八ノ沢出合から望むペンケヌーシ岳の山頂部は真っ白に雪化粧し「かじかむ」寒さに今日の
登山スタイルを疑問視した。
「もしかしなくても俺たち沢登りだよな・・」山頂があれだけ白いという事は雪の上を沢靴で登るという
洗礼を覚悟して行くという事になりそうだが、大丈夫なんだろうか?
疑問視したのは私だけでした・・・。



八ノ沢林道をしばらく歩く・・・

★ きのこにテープ印・・・
八ノ沢林道はほとんど廃道化しそうな草の茂る細い道だった。
地形図上では1070m付近まで林道線があるが、実際にはもう少し手前ですっかり沢と同化している
様だった。その道は何度が八ノ沢を渡渉しながら約1.2キロほど歩き1040m付近で入渓したと思う。

林道ではきのこ名人と言われるKobaさんがいち早く見つけ帰りの収穫を楽しみにテープ印を付けた。



正面(上流)から朝陽を浴びて八ノ沢の遡行が始まる・・・・

★ 核心部・・・
1075二股 8:35~45 休憩
ブタ沢とは言わないが、入渓から単調な沢歩きをしながら今季これが最初の沢登りできっと最後でも
あるだろうなぁ~と最後尾をキープする。
休憩~の声が掛かってザックを降ろす。高度計と地形図から1075二股と確認、丁度地図上の林道
線が切れた付近になる。


1200付近 9:10~15 休憩
沢中から始めて本峰雪盛山を望める位置に来た。
見上げると完全に白くなった山肌に「もしかして・・・」とまた不安が過る。

振り返るとペンケヌーシ山を望みここもまた白い頂きで「綺麗だなぁ~」と思う前に
「寒いなぁ~」と実感した。


1230二股 9:22
水量はどちらも変わらないが本流の右股に進む。
程なく3m程の小滝が現れ渓相が一変して来る。
平凡な沢からの変化は嬉しいが、よく見ると岩の表面が凍っていて普段なら何でも無い岩場も
フェルトシューズではツルツルして慎重な通過となる。しかし、初試みのスパイク地下足袋はその
威力を発揮して楽しい核心部へと進めそうだった。



1200m付近から初冠雪の目指す「雪盛山」を望む・・・


当初平凡な沢も1200mを過ぎると小滝群が連続し渓相が一変して来る・・・


高度と共に傾斜も増して来る八ノ沢を登る・・・


簡単そうな小滝の直登も岩が凍っていて難儀する場面も・・・


1400m付近から昨夜の降雪が目立ち始める・・・

★ 沢からの脱出・・・
1470付近 10:25~35頃
この時期水流が無くなるのがこの付近らしいが、積雪のせいか上部から一本の糸の様に一筋の流
れは続いていた。更に沢はV字形の急斜度で両面が凍っている悪条件だった。
kiさんはすぐに、これ以上沢は無理なので右岸の斜面を登ろうと指示。泥付の斜面を20mほど登り
笹薮とダケカンバの小尾根に登った。そこから補助ロープを灌木にフィックスし私が下側の支点とな
ってロープを張り後続のメンバーをゴボウで登らせた。



1470m付近で沢はV字形の急傾斜となり水流と共に両面が凍っていたので右岸の小尾根に上がる
★ 凍傷?・・・
ここからは笹や灌木を掴みながら急斜面の藪漕ぎとなるが、笹は細く低いし雪のせいもあって少し寝て
いたので登り易かった。ただ沢靴のフェルトシューズはツルツルだったようで苦労していたのが下から
見て伺えた。そして、最初は親指だけ冷たかった足が全体に広がり感覚の無くなる寸前と言った感じ
で、この状態が続くと「凍傷」になるのでは・・・と本気で思うほどだった。

でも太陽が出て来て気温は上がり体は温かったので諦めずに登る事が出来たと思う。
一度登った事のあるkiさんの好判断に間違えは無く1時間ほどで1700m付近の稜線に飛び出した。



右手に八ノ沢を見下ろしながら北西斜面を登って行く・・・


まったく想定外の初冠雪山に足が凍傷になりそう・・・1600m付近


雪盛山頂上から望む「チロロ岳」と「チロロ岳西峰」


十勝連峰を遠望する・・・


雪盛山頂上の図等三角点または図根点と呼ばれる標石




遥か羊蹄山や恵庭岳も望む快晴の眺望でした・・・


大雪山系もはっきりと眺望・・・


東大雪のニペソツ山やウぺぺサンケ山も見渡す



★ 大眺望の雪盛山山頂・・・
頂上 11:45
快晴の稜線に出た途端歓声が沸き立つ。
風も無く暖かい稜線はこれまでの雪の斜面とは別世界だった。360度の展望は元より遠望も利く
最高の展望だった。

北側の間近に稜線で繋がる「芽室岳」と「パンケヌーシ岳」を始め、「ペンケヌーシ岳」「夕張岳」
「1415峰」「芦別岳」「十勝連峰」「大雪連峰」更に「羊蹄山」や「恵庭岳」も遠望し飽きる事は無い。

南側も同じように山座同定を楽しみ限られた時間は短くも話は尽きる事無く頂上は賑やかだった。



同行のメンバー全員で芽室岳を背に記念の一枚・・・



尾根上の南隣に「ルベシベ山」と「チロロ岳」が近かった・・


南側は「1967峰」位まで山座同定が可能も更に南側は隠れてしまい同定出来ず


★ 満足の下山・・・
下山開始 12:30
日の短い10月なので長居は禁物だった。
それでも45分の滞在を充分に満喫し、満足の下山タイムを迎えた。

登りと同じ北西斜面を慎重に降りる。
違うのは雪が解け始め灌木の樹氷はすべて落ちていた。
付けて来たテープを頼りに順調に高度を下げて1470付近まで降りる。
ここからは登りとは別の涸れた小沢を降りると1380二股下付近で八ノ沢本流と出合う。

本流出合 13:40~50 休憩

登りで凍っていた岩の氷もすべて解けていて小滝も順調に降りて行く。
冷たく感じた沢の水も心もち暖かく感じてつい沢の中に入りたくなる程だった。



簡単な小滝でも沢ビギナーのSUさん婦人には確保しながらの下降となる



★ おまけ山の幸・・・
林道出合 15:00前
予定より少し遅くなったのは想定内、林道にさえ出合えば一安心である。
となれば、テープで印した「キノコ」の場所に来るときのこ先生Kobaさんの出番。しっかりカッターの
用意もあってきれいに取って行く。



キノコの先生によると「えのき茸」らしい・・・





これは「ブナハリタケ」らしい・・・


★ お疲れ様でした・・・
登山口 15:40
全員無事下山。
足の凍傷もどきも逆に暑さを感じるほど火照りを感じる・・・
最後の本流渡渉も名残惜しくゆっくり渡り、超満足の下山はきっと全員一緒だと思う。

思い掛けないグループ山行となり賑やかに楽しく登れ、快晴無風と大眺望には正に感無量だ。
8年振りに同行が実現したkiさん無くして登頂は出来なかった悪条件だっただけに喜びと同時に
感謝している。皆さん本当にお疲れ様でした。

今回の登行のキッカケを作ってくれたHYML仲間の山ちゃんにもお礼を言います。
いつも狙っている山を先越されていますが、いつか同行出来ることも楽しみにしています。






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2 コメント

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Unknown (su-ken)
2013-10-16 18:47:10
お疲れ様でした。沢登りをして初冠雪も見れて最高の山行でした!!これからの冬山が楽しみです。またよろしくお願いします!!
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楽しみ一杯ですね・・ (エバ)
2013-10-16 22:27:39
suさん コメントありがとう。

まだまだ若いお二人なので四季・北海道の山を
満喫して下さいね。その中で何度かでもお供でき
れば幸いです。
izumidaさんからもMLを頂きました・・。

冬に富良野行きましょう・・・。
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