エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

失敗、春別岳 (1492m)

2014年09月09日 | 山紀行 (日高山系)
沢を間違えて撤退・・・春 別 岳 (1492m)
■ 山 行 日    2014年9月9日(火)   日帰り
■ ル ー ト     パンケヌーシ川二ノ沢林道~東面直登沢 往復
■ メ ン バ ー    夫婦登山 №21
■ 登 山 形 態    沢登り (エバはスパイク地下足袋)
■ 地 形 図    1/25000地形図   「ペンケヌーシ岳」
■ 三角点・点名  三等三角点 点名「春別岳・シュンベツダケ」



★ 失敗に終わった春別岳・・・
時間が経つのは早いもので、1時間30分の格闘をした藪漕ぎから早1週間が過ぎようとしている。
そして、向かっている山が、同じ北日高のマイナーな「春別岳1492m」だ。

当初予定ルートは、北東面直登沢から登り、下りは東面沢を降りるスペシャルなルートの選択だった。
しかし、今日の天候が変わり易い低気圧の狭間にあり午前中なら持つと決めて、遡行時間が短縮出
来る東面直登沢の往復に決めた。
頂上での展望も期待せず渓相の楽しさも二の次にしてピークハントに徹した変更で出発した。

それはこの山の再来を意味し、三等三角点ながら展望が良く北日高の山座同定の出来るピークである
ことを知ったからでもある。

自宅を5時10分に出発。
日高町市街は6時15分に通過、パンケヌーシ林道出合には6時28分だった。
国道から約9.3キロ走ると二ノ沢林道出合に着き(6時48分)入口には北電の管理ゲートがある。
ゲート前には車2~3台が駐車出来るスペースがありここに停めて早々に出発準備をした。

出発 7時00分。
車も走れる立派な二ノ沢林道は二ノ沢沿いにあり約1キロほど歩く。
そして、二ノ沢に架かる二つ目の橋を渡ってすぐ正面に東面直登沢の出合がある・・・ハズだった。



国道から約9.3キロで出合う二ノ沢林道


林道入口には、ゲートがあり施錠されている

★ 思い込みは間違いの元・・・
7:30 二つ目の橋  (C695)
橋のすぐ近くにあるはずの東面直登沢が見つからなかった。
ゴロゴロした石の堆積と散乱した倒木は、橋のすぐ正面にあったが、その先に沢地形が
ある事を確認せずに、「出合はもう少し先かも知れないなぁ~」と林道を少し歩き出した。
橋から約250mの所に二ノ沢へ流れ込む支流を見つけた。
これを「東面直登沢」と思い込んで入ってしまったのだ。
この時にもう一度地形図を出して確認していれば間違いは明らかだったのに・・・
以前と同じような失敗を再びした事にこの時はまだ気が付いていなかったのだ。



東面沢と思い込んで入渓した沢


入渓して10分で傾斜のある滑滝が出始める・・・変です

★ 更に・・・
7:40 C780付近、ゴルジュ状の滑滝が連続・・・
入渓してわずか10分で渓相が変わってゴルジュ状の急な滑滝が出て来た。
さすがに異変に気が付き地形図も出しているのに、今度は高度計を疑ってしまった。
橋で標高を読み高度計をセットしたにも関わらず、早すぎるゴルジュの出合を高度計のせい
にしたのだ。(完全に思い込んでいた)



間違いと分かっていても登りたくなる滝の連続で上を目指す・・


ゴルジュは狭くなり傾斜も増して来る・・・


息つく暇なく小滝群が続く・・・

★ 興奮度100パーセント・・・
「取り敢えず925二股まで登って見るか・・」
こんな会話も本来ならおかしいのに、完全にゴルジュ化した急登と滝の連続に興奮度は
100パーセントに達していた。
わずか3mの垂直の滝が登れなかった。
左右の高巻きも急登過ぎて危険だったし再チャレンジする。
身の軽いチーヤンを先に行かせ私が踏み台となってクリア。
その後お助けロープで確保してもらい登り切る。
その後も次から次と3m~5m滝の連続だった。
全身ずぶ濡れ、いっそう狭まったゴルジュに高揚し高度計を見る事も忘れている。
気が付けばとっくに925mは超えていて途中に二股など確認出来なかった。
950まで登って・・・自分を取り戻す。(夫婦して・・)

上を見ても更にゴルジュ状の滝が連続している。
事前に調べて来た渓相がひとつも一致していない。
高度計も間違ってはいない。
早すぎるゴルジュの出合も変、その後に連続する小滝群も資料には無かった。

「間違えたね・・・」「まずは降りようか・・」
8:30 遡行中止、下山を開始する



ゴルジュの沢の中で見つけたキノコ


「ブナハリタケ」沢山あったが、一回分だけ頂いて収穫する・・


エキサイトした小滝の下りもまた楽しい・・・

★ ふりだし・・・
9:30 林道出合
確かに間違いを認めつつも、楽しかった小滝群に満足して林道に降りる。
まずは「ふりだし」にと橋まで戻る事にし、地形図も再びながめる。
どう見ても「東面沢」が橋から250mも離れた場所には無く地形図にはちゃんとその沢が記されていた。

参考にさせて頂いた記録のプリントをもう一度読み返すと、完全に文章の読み違いだった。
間違っていたのは私です。

最初に見ていた橋のすぐ正面、堆積していた石や倒木に登り少し進むとすぐに流水が確認出来
沢であることを認識出来た。



これが本当の東面直登沢の出合です・・


まったく平凡な沢で面白味が感じなかったが・・・偵察です。

★ 再チャレンジ・・・
9:50 東面直登沢出合
2時間以上のロスタイムでも、今から再チャレンジして登頂、下山も可能な時間ではあった。
しかし、上空の雲行きが怪しく厚いどんよりした雲がどんどん増えて来た。

最初から展望は期待しないピークハントに徹しての計画だったが、エキサイトした沢を降りてしまうと
テンションも上がらず、上空にガスが立ち込める様子も見て登る気を失せてしまった・・・。

10:00 登行中止 下山を決める

また、やってしまった失敗もエバ夫婦にとっては満足の遡行だった。
「また来ればいいしょ!」それでいいのだ。

車に乗って帰路の途中林道で雨が降り出した・・・。
国道では猛烈な雨も一時的だがフロントガラスを打ち付けた。

もし正しい沢を登っていたとしても・・・と考えると、今日の間違いが幸を奏したのかもと考えても良い。

やっぱ天気の良い山行がベストだよね・・。
そんな会話をしながら帰路は沙流川温泉「ひだか高原荘」で汗を流し、雨の国道を走って帰宅した。





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