エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

増毛山魂・・・恵岱岳 (1060.6m)

2013年04月16日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
ラッキーな登山日和に・・・恵 岱 岳 (1060.6m)
■ 山 行 日     2013年4月16日(火)   日帰り
■ ル ー ト      御料峠~恵岱岳北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №7
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図     1/25000地形図   「国領」
■ 三角点・点名    二等三角点 点名「恵岱岳 エタイダケ」
■ コースタイム     登り 4時間15分  下り 2時間25分
<登り>
08:00     御料峠登山口
09:15     恵岱別川渡渉
10:10     C550付近
10:55     C819北
12:05     1000m頂上台地
12:15     恵岱岳頂上

<下り>
12:30     下山開始
13:05     C819ポコ
13:25     恵岱別川出合(渡渉13:25)
13:52     林道出合
14:55     御料峠登山口(駐車地)



恵岱岳GPSトラックログは、「YOSHIOの北海道山情報」HPからお借りしました。
エバ夫婦のルートは緑色の実線です。


★ 日帰り出来た遠い山・・・
恵岱岳は、増毛山魂主峰・暑寒別岳と南暑寒岳から派生する東尾根の一角に位置し、雨竜沼湿原の
すぐ北東側にある平らな台地上のピークである。この山域の1000m超峰では、東端に位置し日帰り
登頂は厳しいとイメージしていたのでしばらく計画から遠退いていた。ただ、登頂ルートとしては今回の
様に道道94号線御料峠から林道を辿り恵岱別川を渡渉して取付く事は検討済だった。

最近同山域の大滝山に偵察を兼ねて2度連続して足を運んでいるせいか未踏の1000m超峰が気に
なって、いつもお世話になっているHYMLメンバーのHPを訪問すると2人の記録が確認出来た。
「地図がガイドの山歩き」saijoさんと 「YOSHIOの北海道山情報」 がそれである。
いつもながらこうした情報には、大変助けられ感謝している。

情報を元に日帰り山行を決行して見た・・。


★ 予報、晴れは午前中のみ・・・
自宅を5:10に出発する。
すでに霧雨が降っていてフロントガラスを濡らしワイパーが稼働する。
国道12号線滝川から国道275号線と入り新十津川町を経由して雨竜町、北竜町と進むが
ずっと雨だった。ただ留萌地方の予報は午前中「晴れ」だったので諦めずに登山口までは走る事にした。
するとどうだろう北竜町から峠のある道道94号線に入ると嘘のように雨が上がり青空が広がって来た。
登山口に近い北竜トンネル付近で目指す「恵岱岳」を見た時「行けるかも・・」と登行意欲が湧いて来た。



道道94号線 北竜トンネル手前から望む「恵岱岳」

★ 下界とは別世界の残雪・・・
御料峠に7:30到着。
自宅から意外と近いと知る。林道出合のヘアピンカーブには駐車出来ないが、200mほど先に
除雪された峠駐車帯があるので停める。
写真でも分かるように標高325mでもこの残雪量には驚く。
さすが道内屈指の豪雪地帯を改めて認識した。春めいた下界とは本当に別世界だった。



御料峠の駐車帯・・・ヘアピンカーブから200m増毛側

★ 心配事・・・
8:00 出発
久しぶりに天候にも恵まれた夫婦登山だったが、喜んでばかりも居られない。
今日は4月16日この山域で春山を楽しむには絶好の季節・・ではあるが、心配事が一つだけあった。

「恵岱別川の渡渉」である。
暑寒別岳を源頭とするこの川の水量は多く果たしてこの時期でもスノーブリッジが存在しているのか。
取りあえず・・・行くしかなかった。



正面には常に目指す恵岱岳を見ながら林道を歩き始める・・・。

★ スノーブリッジは皆無・・・
川の残雪が気になって途中から林道を離れ川の様子を伺う。
地図がガイドの・・saijoさんルートは、曲がりくねった恵岱別川が雪解けも手伝ってか勢い良く流れ
渡渉点はどこにも無かった。その後も川を見下ろせるルートを取りながらスノーブリッジを探すが
まったくの皆無だった。

心配事は的中・・今回はダメかもと半ば諦め、天気も良いのでダメ元でYOSHIOさんルートまで
偵察して見ることにした。
林道上の標高点394から川を見下ろすと右岸壁上部から大きく雪崩れた場所 (下の写真) があり
その右側が取り付けそうな尾根だった。これだけ巨大な雪崩ならもしや川を埋めているかも・・と
降りて見る事にする。
左岸の支流沢は完全に雪で埋まっていたので林道から直接沢上を降りた。



断崖絶壁の壁から雪崩れた現場、川の左岸から撮る

★ 巨大デブリ・・・
9:15 デブリ通過
デブリは完全に恵岱別川を埋め尽くしていた。
川の水位も少なく水深も膝くらいと浅かった。
追加の雪崩は無いものと判断しつつ慎重にこのデブリを通過する事にした。



巨大デブリの上をスキーを履いたまま慎重に越えて対岸へ取付く


無事対岸へ渡渉し尾根の末端に取付く

★ 団子・・・
ルートは、頂上直下の標高点819ピークから派生する北尾根。
尾根の末端が少し急斜度だったが、ジグを繰り返し難無く緩斜面となる450m付近に登る事が
出来た。広い尾根だが右側の沢形を意識しながら高度を上げると次第に恵岱岳が正面に見えて来
て圧倒される。
550付近から斜度が増して来るが、尾根上には登らず沢形のある西斜面をトラバースするように
前方の819ピークを目指した。ピークには登らずトラバースしながら819の南西コルに出た。

この間、シールには雪が団子となってへばり付き2~3度スキーを脱いで雪を落としワックスを塗った。
積雪は有に2~3m以上あるだろう。春らしい湿った雪の上にほんのり乾いた新雪が覆っている状態。
いくらワックスを塗ってもすぐに団子化して重くなり苦労したが、めげずに雪を落としながら高度を
上げた。

どんどん近づく絶壁の頂上斜面だが、唯一雪庇の切れたところに望みを託し少しずつ高度を上げた。



標高600m付近の尾根上から正面の恵岱岳を見ながら高度を上げる・・


発達した巨大な雪庇に圧倒されつつ突破ルートを見極める・・


標高700m付近?


819ピークを過ぎてすぐの斜面から見上げる恵岱岳・・

雪庇突破ルートはここしかない・・・


直下950m付近から壁のような頂上部を見上げる・・


登って来た斜面を見下ろす・・


約1000mの頂上台地にようやく到着。直下では余りに急なのでスキーをデポした。


頂上付近に発達した雪庇が凄い大きい・・・


頂上台地から北の「信砂岳927m」の山並みを望む・・


チーヤンも最後の踏ん張りである・・ガンバレ!


「もうヘロヘロ・・・」と珍しく愚痴をこぼすチーヤン


頂上から西に望む主峰・暑寒別岳と南暑寒岳

★ ラッキーな初登頂・・・
12:15 恵岱岳頂上
まさか登れるとは思ってもいなかった。
天気予報が当たり快晴に恵まれた事。
デブリ様様で渡渉が出来た事や読図も上手くいってルート取りがベストだった事。
適度に雪が緩み急斜面の登りも足元が安定し恐怖感が少なかった事・・・などなど、
幾つものラッキーが幸いして登頂に至ったとホッとする二人だった。
そしてまたこのルートを知らせてくれた山情報も忘れてはいけない宝である。

やはりこの時期としては遅かった山行。
しっかりとしたスノーブリッジがあるだろう3月中の登行がベストかも知れない。

頂上は、風も弱くいつもの山頂コーラで祝杯、喉を潤す・・。
展望もこれ以上望んでは罰が当たる。西には主峰暑寒別岳をはじめ南暑寒岳を望み、
北には未踏の信砂岳(のぶしゃだけ)927mの山並みが広がる。
北東には、登って来たルートも確認出来て言う事の無い大展望に満足の登頂だった。

昼から天候が崩れるという予報だったので僅か15分の滞在だったが下山する事にした。

12:30 下山開始



恵岱岳1060m 初登頂です・・  背景は暑寒別岳1491m


気温は0度だったが、白樺の若木には樹氷が付いていた。吹きさらしの厳しい世界が想像出来る。

★ 快適な下山・・・
直下のスキーデポ地点からはまだシールを付けたまま慎重に滑り降りる。
850m付近の少し緩斜面になった所でシールを外し、トレースを見ながら一気に滑走する。
細かいザラメ上の上に新雪が乗っかりスキー下手な二人も何とか快適にスキーを楽しめた。
川まで上り返しの無いルートを取ったので30分で降りてしまった。



頂上台地からの下山・・背の太陽が眩しい!


830m付近から自分たちのシュプールを振り返る・・・


登りは辛くもこれがあるから耐えられる?・・・か!


連写モードで楽しそうなチーヤンの滑りを激写?


デブリの上から見下ろす恵岱別川・・ここの水深は浅かった


デブリを越えた川の左岸に小さな亀裂(クレパス)にちょっと緊張する


こんなに大きなデブリでした・・・

川の出合いで再びシールを付けてデブリを越える(渡渉)
林道に戻り安堵しつつすっかり水分を含んだシールは重たかった。
途中付けて来たテープを回収するため往路のトレース通りに辿りながらの下山。

以上、ラッキーな初登頂山紀行でした。



※ 4/17 アップ終了








最新の画像もっと見る

コメントを投稿