エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

ぺテガリ岳(1736.2m)

2009年08月19日 | 山紀行 (日高山系)
8年ぶりのぺテガリ岳 (1736.2m)
雨予報が当たり途中撤退に終わる・・・
当初計画「カムエク~コイカク」もパァー・・「ぺテガリ」もパァー

■地形図 1/25000 「ピリガイ山」  ■スタイル 沢登り&登山道
2009夫婦登山 No.23 <7/23(木)~7/25(土) >

ず~と暖めていた日高縦走計画も、外れない悪天予報に振り回されてまたもや変更を余儀無くされた。
ただ候補は幾つもあって、①大雪山の縦走 ②イドンナップ ③ぺテガリ・・・と浮かんでくるがそもそも天候が悪いと言う中で選ぶのだから力は半減する。

③ぺテガリ岳を選んだ理由のひとつに、先月(6月)HYMLのMLから閉鎖されていた林道の通行が地元の森林管理署に入林申請する事でゲートの鍵を借りられる情報を知り、しばらく訪れていない神威山荘までの長い林道と8年ぶりとなる峠越えのルートに再来の意欲が湧いて来たからである。

★入林申請書は↓下記からもダウンロード出来ます。
http://www.hokkaido.kokuyurin.go.jp/kanrisho/hidakananbu/mountaintrail.html


8年ぶり訪れた神威山荘 (林道はここで終点となる)

【 7/23 】

★錠はダルマ式
新ひだか町(旧静内町)の日高南部森林管理署に立ち寄り、入林申請書を提出して元浦川林道のゲートの鍵を借りる。鍵は一般的なダルマ式の鍵でした。

国道235号線荻伏から左折して道なりにひたすら真っ直ぐに走ります。
国道から約21キロで元浦川林道の神威橋を渡りここから約3キロのところでゲートがありました。横には入林ポストも設置され、見ると3~4パーティーが本日すでに入林しているようでした。皆目指すところは「神威岳」と「ぺテガリ岳」です。ゲートから約13キロで神威山荘に到着です。途中の林道は整備されていて普通乗用車でも問題なく通行出来るほどでした。

★変わらぬ神威山荘・・
林道終点に建つ「神威山荘」は記憶ある8年前と変わらずに静座して訪れる山屋たちを待っているようでした。周りには10台以上駐車出来る広場がありすぐ下には小沢が流れていました。ただ様子が違っていたのは周辺の山肌です。

★風台風の爪跡・・
2006年9月、北海道各地に被害をもたらした台風の爪跡はここも例外ではなかったようです。周辺の山肌は、倒木を整理するために入った重機の道で縦横無尽に付いていて無残なはげ山状態でした。植林もされていましたが、元の森林に戻るのはかなり先のことでしょう。


最初の渡渉は、ニシュオマナイ川の渡渉・・・

★遡行開始
神威山荘から数百メートル戻ったところにニシュオマナイ川に降りる作業道があり左岸から右岸へ渡渉する。10mほどの川幅だが足首ほどの水位で問題なく対岸へ渡れる。(この沢の渡渉を含め登山靴では100%濡れるので沢靴が必要です)

★間違うぞ
対岸に渡るとそこにも作業道が延びていて支沢が左手に流れています。ルートはそのまま作業道を進むのですが、すぐ先には支沢を渡渉して延びる作業道と紛らわしいピンクのテープが目に入るので間違ってこっちに入る登山者も多いようです。
地形図を持ち沢の分岐に注意していると間違う事も無く右岸、左岸と渡渉しながらも次第にハッキリした踏み跡とテープに助けられて遡行開始になるはずです。

    
遡行開始から約1時間ほどで10mほどの滝に出合う  滝の右岸を高巻く・・・

★読図と渡渉多し
580三股は一番右股へ進み、すぐ上の二股は左が本流に見えるが右股へ進む。
それぞれ沢の分岐にはピンクや赤のテープが付けられその踏み跡もしっかりしているので間違うことは無いと思う。涸れ沢となって泥土を伴なった急な登りを笹を掴みながら登ると650尾根上のコルに出る。神威山荘を出てから約1時間50分だった。遡行中はさほど読図も難しくはないが沢の分岐ではテープだけに頼らず地図を見て行き先を判断したいものだ。そして、渡渉も多いのでやはり沢靴は必須と思う。

★ルートは明瞭
尾根上は笹に覆われた視界の悪い場所だが、踏み跡がしっかりしているし20~30m北東へ踏み跡を辿るとすぐに明瞭な沢形の下りに入り急傾斜だが30分ほどでベッピリガイ沢側の林道に繋がる作業道に出られた。
ここからは、15分ほど作業道を進むとベッピリガイ沢に出合、渡渉してぺテガリ林道に出る。あとは約6キロの林道をひたすら歩き1時間30分でぺテガリ山荘に着いた。

   
尾根からの下り始め・・・       <ぺテガリ林道上で滝に出合って・・・


林道上で見つけたクルマユリとチョウチョ


8年ぶりのぺテガリ山荘・・・

★山荘まで沢靴で正解
ぺテガリ林道に出てから登山靴に履き替える予定だったが、面倒になりそのまま歩く事にしたら途中二度三度と林道上を流れる沢の渡渉となり登山靴だったら濡れていた場面だった。面倒が転じて吉となった判断である。

★先客者たち
山荘には2組の夫婦と単独の登山者そして釣り人1名の6人がそれぞれに陣取って休んでいた。挨拶をして1階にスペースを空けてもらった。私たち以外全員が本州から来たらしい。釣り人とは途中の林道で出合挨拶を済ませていたが、後に山荘に戻ると大物の魚を手にみんなで食べよう・・と全員に披露する。30cmを越えるニジマスに岩魚を混じえて料理が始まったようだ。エバ夫婦は、単独外で夕食していると釣り人が二度も誘いに来て、「是非食べて下さい」と言うので中に戻った。
上手に焼かれた岩魚の塩焼きを一尾ずつ頂き、思い掛けないご馳走でもう一本ビールが飲みたくなったが、明日のためにと堪えることにした。

先客者たち同士の会話は意外と無く、食事が終わるとまだ明るいというのにシュラフに入り寝る態勢だ。いくら朝が早いと言っても18時に寝ないでしょう・・というのがエバの感想だ。

【 7/24 】

★ 撤退・・
早く寝たせいで早く目を覚ます。隣人の中にはすでにごそごそと出発の準備をする人も・・。3:00仕方なく起床。しかし、外は小雨のようだ。昨夜のラジオでは日高地方の今日はところにより大雨という予報も出て、本州の隣人たちは川の増水を恐れているようだった。一組の夫婦は早々中止して下山を決める。もう一組の夫婦は迷った末ぺテガリに向けて出発した。単独の年配者はすでに出掛けていた。
エバ夫婦も迷った末、ぺテガリに向けて出発。9時頃を判断目途にして上下カッパ姿で山荘を出る。山荘には釣り人一人が留守番である。

 先に出発していた老夫婦と30分もしない内に沢沿いの登山道で出合う。下山して来たのだ。理由を伺うと「渡渉するのに上さんの靴が濡れるので止めました」
沢を飛び越えられないというのだが、別れた後そのような渡渉点はなかったように思う。二人とも70歳を越えた方で今日は12時間掛けてもぺテガリに行きたいと言っていただけに残念な下山だ。その後沢から離れ笹が覆いかぶさる登山道を登って行くとC840程で顕著な尾根に出る。風と雨が強くなり視界も悪い。一端は平らな尾根となるも900m付近で登行を中止することにした。登り始めて1時間30分経った6:50の撤退である。


下りの沢では、こういう場所もありました・・・

<コースタイム>

7/23
11:10  神威山荘出発
11:25  ニシュオマナイ川渡渉
12:12  小滝(右岸を高巻く)
13:00  650尾根上
13:30  作業道へ
13:45  ベッピリガイ沢渡渉 ぺテガリ林道出合
15:20  ぺテガリ山荘着

7/24
 5:20  山荘出発
 6:25  840尾根上
 6:50  900尾根上 中止 下山
 7:30  山荘着
 8:25  山荘 下山
 9:40  ベッピリガイ沢渡渉
10:30  650尾根上
11:00  小滝の上
11:53  ニシュオマナイ川渡渉
12:00  林道出合
12:10  神威山荘駐車地

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