福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

魅惑の湖 春採湖

2016-02-25 22:50:08 | フィールド
春採湖(北海道釧路市)は、私たち微生物生態学者にとっては魅惑の湖です。第6回育志賞を受賞する大学院生渡邊美穂さんは、春採湖から新規性の高い(新しい綱の)微生物リムノコーダ•ピローサを発見しています。また、新属の硫黄酸化細菌サルフリカウリス•リミコーラも。さらに、湖沼内の物質循環も興味深いものがあります。研究を重ねれば重ねるほど、新たな謎が湧いてきます。

まだまだ未知なことをたくさん秘めている春採湖。今年も厳寒の春採湖調査です。例年になく、湖水表面氷が滑らかなため、注意深く湖面を移動する必要があります。チゼルで湖氷を突きながら、氷のひび割れが無いか確かめることが必須です。



湖心に到着。スウェーデンのアイスドリルで湖氷に穴をあけ、電気伝導度、温度、水深を測定。鋸で湖氷を切って行きます。初挑戦の寺島先生!





厚さ40cmの湖氷を引き上げます。



さあ、試料採取。更なる未知の微生物が見つかるでしょうか?





低温科学研究所技術部の皆さんのご協力で、安全かつ迅速に調査を終えることができました。多謝。さあ、撤収です。



厳寒の湖沼調査は体力を消耗いたします。エネルギー補給として、夕食は釧路名物スパカツ(トンカツスパゲティーのこと)です。これで、札幌の研究室に戻ってからの実験もバッチリです。研究結果が楽しみです。



<注> 春採湖への立ち入りは禁止されています。当研究室は、文化庁の許可を得て調査を行っています。

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