木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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造形の構成原理

2007年10月02日 | 造形の構成原理(コツツボ)
<造形の構成原理>
 「形の美とは何か」(NHKブックス・三井秀樹著)より


◆造形の構成原理
254:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第54発 モダンデザイン


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

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 急に涼しくなってまいりました。私は最近、どうもお腹の具合がよろしくないです。もしかしたら、朝晩の急な冷え込みで寝冷えでもしたのかもしれません(子供じゃないんだから。苦)。

 皆様、体調など崩されませんよう、お体ご自愛くださいませ。

 もう秋ですね。秋の夜長は読書が一番です(笑)。

 題名「デザインにひそむ<美しさ>の法則」
 ソフトバンク新書
 価格 735円(税込)


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還元主義

 「人は美しいものに関心があり、美に快感を覚える。」
 「人は美しいものに愛着を覚え、使いやすいと感じる。」
 「だれもが共通に美しいと感じるデザイン」
 「シンプルデザインは美しいか」
 「シンプルデザインはわかりやすい」


 モダンデザインに関して、こんなお話をしています。モダンデザインはシンプルデザインが基本になっており、それがなぜ美しいのかというようなお話をしています。

 前回、シンプルデザインはわかりやすいから、安心で、すぐに覚えて、長く人の記憶に残り、美術やアートのように見る人に驚きを与える美しさではなく、人に安心して身近で使ってもらうための美しさなのだという話をしました。

 突然ですが、ちょっとだけ、科学的なお話をします。

 モダンデザインも20世紀の科学技術とは無縁ではありません。科学技術が進歩して、大量生産大量消費する企業のためのデザインとして生まれた、ということを考えれば当然のことかもしれません。

 アート(芸術)と違うデザインのわかりやすさは、その科学的な姿勢にあるといっても良いかもしれません。

 さて、二〇世紀の科学を進歩させた基本概念に還元主義があります。還元主義とは、複雑なものごとでも、それを構成する要素に分解し、分解した要素を一つずつ理解していけば、全体を理解できるようになるという考え方です。物理学では、物質を小さく還元していくことが、原子や分子の発見につながり、やがては素粒子の研究に発展していきました。


造形の構成原理

 モダンデザインの研究においても、二〇世紀の科学的な手法を取り入れ、形と色などの要素を、「造形の要素」として以下の六つに還元し、それらの組み合わせ「造形の秩序」もあわせて整理しました。

 造形の要素
  一.形(Form)
  二.色(Color)
  三.材料(Material)
  四.表面の質感/テクスチャー(Texture)
  五.光(Light)
  六.運動(Motion)


 上の「造形の構成原理」の表を見ていただければわかるように、造形はその部品である「造形の要素」と、部品の組合せである「造形の秩序」からできています。造形の要素には「形・色・素材・質感・光・運動」の六つがあり、それらの六つの要素を「プロポーション・シンメトリー・リズム」などの造形の秩序で組み合わせることで、製品はできあがっています。

 そして、いわゆる「デザインセンス」は、色や素材など「造形の要素」の選び方にも表れますが、それら要素の組合せ「造形の秩序」の巧さで表れる場合が多いです。というのも、人が一般的に認識できる色や素材には限りがありますが、その組合せは無限だからです。

 これから、しばらくの間、「造形の要素」や「造形の秩序」についてお話していこうと思います。


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