<桑沢デザイン研究所での授業プレゼン風景>
◆母校での非常勤講師1周年
【セミナーや雑誌執筆】
こんにちは!
「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
木全の自己紹介
★「工業デザイナー応援ブログ」★
新書「デザインにひそむ<美しさ>の法則」(第2版)好評発売中
「売れる商品デザインの法則」(第2版)好評発売中
記事の目次
デザイン相談室の目次 デザインの考え方と運用について
デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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■母校で教え始めて1年経ちました。
時間が経つのは、本当に早いものです。
1年前から母校である桑沢デザイン研究所の非常勤講師をさせていただいているのですが、先日、3年生後期の授業のため、桑沢に向かって代々木体育館沿いの銀杏並木を歩いているときに、不思議な感覚にとらわれました。
そのときのすべての風景が、1年前桑沢に向かって歩いた風景と全く同じだったのです。デジャヴは、実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じることなので、それとはちょっと違うようですが、歩いている瞬間、1年前と今の時間が交錯したようなとても不思議な感じがしました。同時に1年前の初めて母校の教壇に立つ前の高揚した気分も思い出しました。
出来事を昨日のように思い出す、というのはこういうことなのでしょうか?あれから、もう1年経ったのか!という感じです。
話は変わりますが、先週くらいから、このブログのレイアウトを変えてみました。カテゴリーを増やして内容を細分化し、トップページやカテゴリー表示ページで記事の見出しを10項目並べるようにして、検索しやすくしてみたのですが、如何でしょうか?
新着の記事がわかりにくくはなったのですが、拙ブログの場合、新着よりその他の記事のほうの圧倒的にアクセスが多いので、過去記事の検索性を高くしてみました。カテゴリー内も記事の数を10~20程度にしてあります。かなり検索しやすくなったと思います。もう、目次のページは不要かもしれませんね(今年の1月から目次を更新していないし。。。苦)。
レイアウトを変えたのは、理由があります。実は来週で拙ブログが4年目に突入するからです。どうやら無事、3年続けることができました。皆様に感謝です!
■桑沢デザイン研究所での授業内容
ブログのレイアウト変更のため、ブログを整理しているうちに、桑沢で教え始めて1年たつのに、授業のことを一回もちゃんと報告していないことに気がつきました。今回は、桑沢で受け持っている授業内容について簡単に紹介します。
現在、年間3コマの講義を受け持っています。4月の年度初めから順に授業内容を簡単にご紹介しましょう。
●夜間部プロダクトデザイン2年前期 インターフェイスデザイン論
インターフェイスと言うと、製品を使いやすくするために、人間が誤操作や誤認をしないようなデザインをするという意味で、狭義の人間工学ととらえられる場合が多いのですが、最近の製品は人間工学やインターフェイスが十二分に考えられており、学生が一から自分で考えるよりも、製品を詳しく観察するほうが効果的です。
実技中心でモックアップ(デザイン試作)を作らなければならないこの授業でいまさら一から狭義の人間工学を考えさせるのは、あまりに効率が悪いと思い、全く違う授業にしてしまいました。
お仕事でお付合いのあるベネッセコーポレーション教具玩具開発部のご協力をいただき、産学協同授業とし、幼稚園児から小学校低学年を対象にした教育玩具のデザイン開発を行いました。
テーマは、子供と玩具のインターフェイスではなく、「子供と親のインターフェイスとしての玩具」を考えるという形にしました。
かなり難しいテーマだったのですが、ベネッセコーポレーションご担当者の方々の絶大なるご協力と優秀な学生達の力で、かなりいい作品が出来上がりました。もしかすると、数年後に、この授業の成果が、こどもチャレンジや進研ゼミ小学講座の教育玩具として、世の中にデビューするかもしれません。
●昼間部プロダクトデザイン2年後期 自由選択科目 産学公協創
桑沢デザイン研究所とは別に、現在、東京都中小企業振興公社城南支社「売れる製品開発道場」の講師もしているのですが、それと桑沢の授業が結び付いて産学公協創の授業になりました。
実は、昨年の「道場」でも、参加企業にデザイン発注業務の疑似体験をしていただくために、桑沢の学生達に、デザイン作業を受注しデザインスケッチを描いて納品するというアルバイトをお願いしたのですが、彼らがなかなか優秀であったため、今年は、「道場」と「桑沢の授業」を合体させてみたら、もっと面白いことが起こるのではないかということで、今回の授業がはじまりました。
数年後に製品化と言う前提で企業は「道場」に参加しています。ということは、この授業の成果も数年後には世の中に出てくる可能性が高い。
中小企業と行政と学校と学生が、手を組んで新製品を開発するという、日本ではかなり先進的な取り組みになっていると思います。
●昼間部プロダクトデザイン3年後期 コミュニケーションデザイン論
桑沢デザイン研究所は3年制ですので、3年後期の学生達は卒業制作や就職活動でとても大変な時期です。多分人生の中でも大変な時期だと思います。
そういう時期にこそ、自分の人生の来し方行く末を考えなければならないのでしょうが、なかなかそんな時間がとれません。
というわけで、この授業は茂木健一郎さんの著作の中の一節から生まれました。
「今、社会から求められているのは『コミュニケーション』と『創造性』。伝える内容がしっかりしていなければ本当のコミュニケーションは生まれない。未来への明るい希望がなければ本当の創造性も生まれない。」
そして、この授業の目的は、以下のとおりです。
「最終学年にあたり、今までの自分の作品(や人生)を見つめなおして、作品集を作り上げることを通して、改めてセルフイメージ(自分とは何か)と未来への夢(自分はどうなりたいのか)を確認すること。完成した作品集は未来の自分へのメッセージになる。」
実は、これは製品開発も同じです。企業や製品はコア・コンピタンスがないと生き延びることができません。この授業は、学生個人のコア・コンピタンスを探ってもらうというものです。コア・コンピタンスさえしっかりしていれば、『コミュニケーション』も『創造性』も磐石です。
もちろん、マインドマップ教育フェローとしては、この授業でマインドマップを最大限活用してみようと考えています。
桑沢での様子は、これからもときどき報告しようと思っています。
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■母校で教え始めて1年経ちました。
時間が経つのは、本当に早いものです。
1年前から母校である桑沢デザイン研究所の非常勤講師をさせていただいているのですが、先日、3年生後期の授業のため、桑沢に向かって代々木体育館沿いの銀杏並木を歩いているときに、不思議な感覚にとらわれました。
そのときのすべての風景が、1年前桑沢に向かって歩いた風景と全く同じだったのです。デジャヴは、実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じることなので、それとはちょっと違うようですが、歩いている瞬間、1年前と今の時間が交錯したようなとても不思議な感じがしました。同時に1年前の初めて母校の教壇に立つ前の高揚した気分も思い出しました。
出来事を昨日のように思い出す、というのはこういうことなのでしょうか?あれから、もう1年経ったのか!という感じです。
話は変わりますが、先週くらいから、このブログのレイアウトを変えてみました。カテゴリーを増やして内容を細分化し、トップページやカテゴリー表示ページで記事の見出しを10項目並べるようにして、検索しやすくしてみたのですが、如何でしょうか?
新着の記事がわかりにくくはなったのですが、拙ブログの場合、新着よりその他の記事のほうの圧倒的にアクセスが多いので、過去記事の検索性を高くしてみました。カテゴリー内も記事の数を10~20程度にしてあります。かなり検索しやすくなったと思います。もう、目次のページは不要かもしれませんね(今年の1月から目次を更新していないし。。。苦)。
レイアウトを変えたのは、理由があります。実は来週で拙ブログが4年目に突入するからです。どうやら無事、3年続けることができました。皆様に感謝です!
■桑沢デザイン研究所での授業内容
ブログのレイアウト変更のため、ブログを整理しているうちに、桑沢で教え始めて1年たつのに、授業のことを一回もちゃんと報告していないことに気がつきました。今回は、桑沢で受け持っている授業内容について簡単に紹介します。
現在、年間3コマの講義を受け持っています。4月の年度初めから順に授業内容を簡単にご紹介しましょう。
●夜間部プロダクトデザイン2年前期 インターフェイスデザイン論
インターフェイスと言うと、製品を使いやすくするために、人間が誤操作や誤認をしないようなデザインをするという意味で、狭義の人間工学ととらえられる場合が多いのですが、最近の製品は人間工学やインターフェイスが十二分に考えられており、学生が一から自分で考えるよりも、製品を詳しく観察するほうが効果的です。
実技中心でモックアップ(デザイン試作)を作らなければならないこの授業でいまさら一から狭義の人間工学を考えさせるのは、あまりに効率が悪いと思い、全く違う授業にしてしまいました。
お仕事でお付合いのあるベネッセコーポレーション教具玩具開発部のご協力をいただき、産学協同授業とし、幼稚園児から小学校低学年を対象にした教育玩具のデザイン開発を行いました。
テーマは、子供と玩具のインターフェイスではなく、「子供と親のインターフェイスとしての玩具」を考えるという形にしました。
かなり難しいテーマだったのですが、ベネッセコーポレーションご担当者の方々の絶大なるご協力と優秀な学生達の力で、かなりいい作品が出来上がりました。もしかすると、数年後に、この授業の成果が、こどもチャレンジや進研ゼミ小学講座の教育玩具として、世の中にデビューするかもしれません。
●昼間部プロダクトデザイン2年後期 自由選択科目 産学公協創
桑沢デザイン研究所とは別に、現在、東京都中小企業振興公社城南支社「売れる製品開発道場」の講師もしているのですが、それと桑沢の授業が結び付いて産学公協創の授業になりました。
実は、昨年の「道場」でも、参加企業にデザイン発注業務の疑似体験をしていただくために、桑沢の学生達に、デザイン作業を受注しデザインスケッチを描いて納品するというアルバイトをお願いしたのですが、彼らがなかなか優秀であったため、今年は、「道場」と「桑沢の授業」を合体させてみたら、もっと面白いことが起こるのではないかということで、今回の授業がはじまりました。
数年後に製品化と言う前提で企業は「道場」に参加しています。ということは、この授業の成果も数年後には世の中に出てくる可能性が高い。
中小企業と行政と学校と学生が、手を組んで新製品を開発するという、日本ではかなり先進的な取り組みになっていると思います。
●昼間部プロダクトデザイン3年後期 コミュニケーションデザイン論
桑沢デザイン研究所は3年制ですので、3年後期の学生達は卒業制作や就職活動でとても大変な時期です。多分人生の中でも大変な時期だと思います。
そういう時期にこそ、自分の人生の来し方行く末を考えなければならないのでしょうが、なかなかそんな時間がとれません。
というわけで、この授業は茂木健一郎さんの著作の中の一節から生まれました。
「今、社会から求められているのは『コミュニケーション』と『創造性』。伝える内容がしっかりしていなければ本当のコミュニケーションは生まれない。未来への明るい希望がなければ本当の創造性も生まれない。」
そして、この授業の目的は、以下のとおりです。
「最終学年にあたり、今までの自分の作品(や人生)を見つめなおして、作品集を作り上げることを通して、改めてセルフイメージ(自分とは何か)と未来への夢(自分はどうなりたいのか)を確認すること。完成した作品集は未来の自分へのメッセージになる。」
実は、これは製品開発も同じです。企業や製品はコア・コンピタンスがないと生き延びることができません。この授業は、学生個人のコア・コンピタンスを探ってもらうというものです。コア・コンピタンスさえしっかりしていれば、『コミュニケーション』も『創造性』も磐石です。
もちろん、マインドマップ教育フェローとしては、この授業でマインドマップを最大限活用してみようと考えています。
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