古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その二

2012年05月15日 07時19分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

濱着口上書第一ページ、上の写真の二行目三行目

解読 摂州御影嘉納屋弥兵衛舩、沖舟頭増十郎

    宗旨一向宗三拾弐反帆水主拾六人乗此度

読み 摂州御影、嘉納屋弥兵衛舩、沖船頭増十郎、

    宗旨一向宗、三拾二反帆、水主拾六人乗り、此の度

解説  「摂州」・・・「摂津の国」の事。現在の府県境とは異なり、摂津の国は大阪府北中部の大半と、兵庫県の南東部が範囲でした。ここで言う摂州御影とは、今の神戸市東灘区御影になります。 「摂」も「影」も難解文字です。 「嘉納屋」・・・屋号。 「弥兵衛」・・・人名で「やへえ」。形で覚える字です。この三文字ともよく出る字です。形で覚える崩し字が多いですが、現在の漢字も形で覚えているわけですから、無理して覚えて下さい。 「沖舟頭」・・・沖船頭。「舟」の音は『しゅう』ですから、「おきしゅうどう」ですが、ここでは「船頭『せんどう』」のつもりで書いています。船主(嘉納屋弥兵衛)に雇われた船頭。「頭」の字が難解。形で覚える字。 「宗旨一向宗」・・・キリシタンではない、従来からの仏教徒であるとの表示。「一向宗」は浄土真宗のこと。「旨」が分かりにくいです。 「三拾弐反帆」・・・帆の面積を表しています。 「水主」・・・『かこ』と読みます。水夫、乗組員。 「拾六人乗」・・・「拾」と「乗」が難しい。 以上は入港した(濱に着いた)船の素性説明です。


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