かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

こりゃ現代の「火閻魔人」ですね。近赤外線を使って体内のガン細胞を体外から焼き殺してしまうなんて。

2011-11-07 21:39:51 | Weblog
 今日は妙に生暖かい1日でしたが、明日からは冬型の気圧配置になってグッと冷え込んでくるそうです。風邪引かないように服装も暖か目に気を付けないといけませんね。

 さて、ニュースを読んでましたら、面白いのが引っかかりました。近赤外線でガン細胞を制圧する研究が進んでいるとの話です。米国立衛生研究所で研究されているもので、ガン細胞に特異的に反応してくっつく抗体を利用します。この抗体に、近赤外線の特定波長、この場合は0.7マイクロメートルだそうですが、この波長に反応して発熱する化学物質を付けておいて体内に送り込みます。すると、抗体は体内のガン細胞に接触、ソコに波長を調整した近赤外線を照射すれば、体内まで到達した光が抗体と共にある化学物質を加熱し、抗体がくっついているガン細胞を焼き殺すのだそうです。これは実にうまい方法で、これまで熱をつかうガンの治療法がありましたが、ガン細胞だけピンポイントで加熱できないために政情な細胞もやられてしまう欠点がありました。でも、この方法ならガン細胞だけ効率よく焼き上げることができます。赤外線は水に非常に吸収されやすいですし、可視光ですと外から体内にまでエネルギーを届かせようとすると、皮膚を焼きかねません。対して近赤外光は、波長の長い赤外線よりも水に吸収されにくく、その性質を利用して生体の内部情報を得るための近赤外分光光度計という装置も広く使われています。私も20年ほど前に触ったことがありますが、当時の価格で一台2000万円もする高級機器で、動かすのに緊張したものでした。
 それはともかく、そうした生体への侵入能力と、特定波長で発熱する物質、それにガン細胞に特異的に働く抗体、という3つセットで、効率よく、正常細胞には影響をあたえること無くガンをやっつけることができるというのですから、その発想が実に素晴らしいと思います。昔、奥瀬早紀という漫画家さんが描いた「火閻魔人」という話で、吸血鬼に血を吸われ、体内の細胞がすこしずつ吸血鬼化していくのを、DNAレベルでその細胞変化を捉え、一つ残らず超常能力で焼き殺すことで吸血鬼化を阻止する、なんていう場面がありましたが、現代の科学技術は漫画の中の空想を実現可能にしてしまうのだと妙に感心してしまいました。
 今のところまだマウスで実験している段階ですが、マウスのガンを完治させ、副作用も認められないなど、成果としては素晴らしいものがでているようです。広範なガンに効果が期待できるそうですし、そのうちヒト試験も実施されることでしょうから、その結果が早く知りたいですね。


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