かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

研究者たるもの、空気を読まず自分のしたいことに邁進せずにどうするんでしょう?

2017-06-03 22:58:31 | Weblog
 今朝の最低気温は12。2℃、最高気温は24.6℃でした。思いの外、昨夜から今日にかけては気温が下がりました。昼の一部を除いて北向きの風が吹いているせいでしょうか。

 さて、医学系の学会で、煙草産業からの資金で行った研究の論文は受け付けない、とする規定を作る動きが増えているのだそうな。煙草が身体に悪い、という話を踏まえ、研究現場が、煙草業界に干渉を受けるのを防ぐのが狙いなんだとか。例えば日本疫学会は、「たばこ産業が学術活動を装い、健康被害に関する誤った認識を広めてきた」との理由で、論文拒否を決めたとのこと。他にも、日本公衆衛生学会や日本癌学会も昨年に同様の規定を設けていますが、これら我が国の医学系の学会を束ねる元締め、日本医学会は、2011年に研究資金の提供を受けて行った仕事を発表する時には、パトロンである企業名を明らかにするよう求める指針を作っています。ただ、研究自体が、産業界との連携を必要とする場合もあるので、資金提供そのものは一律に禁止はしていません。それからしたら、各学会でのJTを狙い撃ちにした規定の改定は、少々異例な感じがします。JT自身はそれらに干渉したり批判したりする立場にないと表明して事態を静観する模様ですが、何となく、過剰反応もしくは胡散臭い感じもしないでもない学会の動きではあります。防衛省の研究助成事業に対し、軍事研究を拒否するとした日本学術会議もなんだかな、という感じがしますが、どこからお金が出ていようと、その胴元が何を期待していようと、知ったこっちゃない、では駄目なんでしょうか? 最初から、煙草産業に利する研究成果を求められたり、兵器開発に繋がる開発が目的と明記されていたりするのならともかく、そうでないのなら、もらったからにはもう自分の研究のために好きに使えば良いと私などは思うのです。そうでなくても我が国は研究資金が不足していて寄付も少ないですし、公的な研究資金も、即物的な成果を求められることが多くて、自由な研究活動を阻害しかねない悪癖が最近富みに顕著になって来ているように感じます。官僚や政治家の方々が、研究と開発をごっちゃにしてちゃんと理解してないせいだと思われますが、ただでさえ資金が減っているのに、自ら財源を切り離す必要はどこにもないと思います。それでこちらの思惑通りにやれ、とパトロンが要求でもしてきたなら、正々堂々、そんなことはできない、とお金を叩き返してやればよろしいでしょう。勝手にパトロンの心情を忖度して自らの首を絞めるというのは、空気を読むことを何より大切にする我が国の悪しき風潮の一つだと思いますが、研究者たるものそれらからは自由であるべきだと何故胸を張って言えないのか、医学系学会や日本学術会議のお偉方のお考えが、私などには理解できないようです。いっそ、研究資金供与においては、採択したからにはその研究内容やお金の使途について無用の束縛しないこと、とでも明文化した法律を作るよう、ロビー活動でもされてはどうかと思います。


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