いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

苦杯をなめた米韓外交~韓国哨戒艦沈没事件

2010年07月10日 12時27分51秒 | 外交問題
ようやく安保理の結果が出された。5/20の調査結果公表から、随分と時間が経過しているのが不思議でしょうがない。遅い遅い結果発表である。しかも結果は、粘り勝ちではなく、残念無念の「形づくり」というものだった。
5月の勢いと強気姿勢は、今となってはどこへやら、だ。悲しいまでのトーンダウン。やたらと高圧的に非難していた韓国や米国の会見なんかは、まるで北朝鮮の国営放送を見ていたかのようである。北朝鮮の物言いと変わらない、ということだ。


6/27の記事をあげておこう。拙ブログの予言が利いたか?(笑)

完全に座礁した”チーム・オバマ”の外交

哨戒艦沈没に関するG8首脳宣言について



では、決議文を見てみよう。
<国連安全保障理事会議長声明の全文>(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース

(以下に引用)

【ソウル9日聯合ニュース】国連安全保障理事会は9日、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件をめぐり公式会合を開き、「天安」沈没を招いた攻撃を糾弾する議長声明を全会一致で採択した。議長声明の全文は次の通り。
1、国連安全保障理事会は2010年6月4日付の韓国国連大使名義の安保理議長あての書簡(S/2010/281)および2010年6月8日付の北朝鮮国連大使名義の安保理議長あての書簡( S/2010/294)に留意する。

2、安保理は2010年3月26日に韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没と、これに伴う悲劇的な46人の人命損失を招いた攻撃を非難する。

3、安保理はこのような事件が地域の平和と安全を脅かすと規定する。

4、安保理は人命損失と負傷を非難し、犠牲者と遺族、そして韓国の国民と政府に対し深い慰労と哀悼を表し、国連憲章およびその他すべての国際法関連規定に基づき、この問題の平和的解決に向け、今回の事件の責任者に対し適切で平和的な措置が取られるよう促す。

5、安保理は、韓国主導の下、5カ国が参加した「民間・軍合同調査団」が北朝鮮に「天安」沈没の責任があると結論付けた調査結果にかんがみ、深い懸念を表明する。

6、安保理は、今回の事件と関連がないと主張する北朝鮮の反応、そしてその他関連国の反応に留意する。

7、従って、安保理は「天安」沈没を招いた攻撃を非難する。

8、安保理は今後、韓国または域内への攻撃や敵対行為を防止する重要性を強調する。

9、安保理は韓国が示した抑制を歓迎し、朝鮮半島や北東アジア全体で平和と安定を維持する重要性を強調する。

10、安保理は朝鮮戦争休戦協定の完全な順守を促し、紛争の回避と状況悪化の防止を目的に、適切なルートを通じ直接対話と交渉を可能な限り速やかに再開するため、平和的手段として朝鮮半島の懸案解決を奨励する。

11、安保理はすべての国連加盟国が国連憲章の目的と原則を支持する重要性を再確認する。
======


大筋は先日のG8の首脳宣言とほぼ同等。
というか、むしろ中国が入ったので「後退」は否めない。
筆頭の韓国書簡と同等の取扱となっているのが「北朝鮮書簡」ということで、立場は五分五分ということである。
また6に述べられている「関連がないと主張する北朝鮮の反応」と「その他関連国の反応」に”留意する”、という文言が入れられているので、G8首脳宣言よりも大幅に北朝鮮側主張に配慮したものとなった、ということである。

北朝鮮について述べたのは、5の1項目だけであり、「非難」から「懸念」に大幅格下げ。「調査結果に鑑み、深い懸念を表明」というかなり弱い文言に終わった。


はっきり言えば、米韓大惨敗、である。7発を浴びて轟沈したW杯ポルトガル戦の北朝鮮チーム並みの負け具合、ということ。米韓の主張は、ほぼ空振りに終わった。ああ、腰ぎんちゃくみたいにくっついている、日本の外務省もいたんだったか。因みに、日本の言うことなんて誰も聞いてないとは思うけど(笑)。


一つの証拠として、外務省幹部の言とかいうのを紹介しておこう。
今日の読売朝刊の記事中で、次のように書かれていた。

『外務省幹部は「中国・ロシアは、非難に反対する北朝鮮からプレッシャーがあったのだろうが、議長声明として形になり、妥協してくれてよかった」と語った。』

北朝鮮がロシアや中国にプレッシャーをかけて、それがかなりの効力を持つとか外交上有力ということになれば、米国の圧力より「北朝鮮のプレッシャー」の方が上だとでも言うのか?
マヌケだな。こんな頓珍漢なことを言う外務省幹部なんているのか?この幹部によれば、北朝鮮の方が米国・韓国・日本の連合よりも強いってことを言っているに等しいではないか。何て愚かなんだ。ああ、愚かだからこそ、「犬」なんだったか。


安保理議長声明の協議については、トルコやブラジルが米国側に安易には同調しないということが十分考えられるので、必ずしも中国の反対が強かったというだけではないだろう。常任理事国がどんなに強い権限があるといっても、他の非常任理事国の意見を無視できない。


更に言えば、北朝鮮への「非難決議」は以前に出されたことは珍しくはなく、ミサイル発射実験の時の「安保理決議1695号」があった。今回の哨戒艦沈没事故の一件は、それ以下の扱いということである。すなわち、「被害をもたらさなかったミサイル発射」よりも、「46名の死者を出した韓国哨戒艦沈没」の方が重要度は低いと判断され、安保理決議に至らないくらいの問題ということが明らかとなったということである。

これ即ち、米韓の完敗と呼ぶに相応しい、と言っているのである。
ハッタリの威勢だけでは他の国々を納得させることは難しい、ということ。ブラフ外交は、所詮ブラフなのである。

見苦しい演技を続けるオバマ大統領

「米国が言ったから」なんてことだけで、他の国々が即座に賛同して頷いてくれる、なんて時代は終わったんだよ。
完敗であろうと「議長声明が出せて良かった」と強弁する外務省幹部の言葉が、空しさをより一層強調するのだ。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。