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日本復活の道を探る・1~もはや一流ではなくなった?

2008年01月21日 21時59分12秒 | 経済関連
日本における最大の阻害要因は、政治システムが変化のスピードについていけないことである。
なぜそうなってしまうのか?
それは取り巻きがそもそも悪いからである。
取り巻きとは誰か?
大切な「舵取り」に、いちいち間違った口を出す連中である。
意思決定のフォーカスが定まらなくなっているからである。

よく判りもしない評論家や論説委員とかがでしゃばると、大概ろくなことにはならないのである。間違ったことを多く言うからであり、彼らにしてみると「メシの種」であるから他のみんなの思いつかないことを言おうとしたり、余計な演出に加担したりするのである。善からぬ関係者からの又聞き程度の知識・情報なんかを「さも判った顔」で平然と言ったりするのである。それが迷走させる一因であり、存在しない民意の幻想を生み出して、政治家に誤った動機付けをさせる原動力となっているのである。

小泉政権時代に、ようやくスピードアップが図られたであろうと思われた政治システムは、その基盤が壊れてしまった。経済財政諮問会議である。戦後政治の中では、最も分り易く、かつ議論が焦点化されていたかもしれない、と思う。かつては意思決定過程に「あまりに多くの利害関係者たち」が存在し、その交渉・調整過程は国民には何が何だか判らなかったし、多くの場合に物事が前進するのを阻んでいた。けれども、諮問会議の登場によって、多くのことが変わった。いわゆる”郵政後”に諮問会議が獲得した推進力は、数多くの変革のチャンスを生み出したであろう。しかし、それも次第に失われていった。今は形骸化するに至り、議論の墓場となってしまった。システムが存在しても、機能しなくなればタダの「壊れた機械」同然となってしまう。

安倍政権が頓挫した背景には、諮問会議の実力低下があったかもしれない。党へと軸足が移れば、「多くの利害関係者たち」の跋扈する余地が増大するからである。意思決定機構の統制が緩むことになれば、混乱がもたらされることになるだろう。その結果、思いもよらぬ方向へと突き進むことになってしまうのである。

特に現代にあっては、スピードは命である。将棋の「寄せ」と同じだ。周囲の変化のスピードは速い。災害も、経済も、外交も、ありとあらゆる面で即応性が求められている。困難が目の前にある時、必要なことは「理論の正しさ」を実証することではない。まずは対処することである。救急と同じで、速度が全てである。屁理屈言ってる間に、動け、行動せよ、ということである。そういう意識で問題に対処するようにしなければならない。時間をかけた方がよい結果が期待できることについては、腰を据えてじっくりやればいい。しかし、なんでも時間をかければいいというものではない、ということが、政治の世界ではまるで意識されていない。「拙速は避けるべき云々」「議論を尽くせ」って、そんな悠長なことを言ってる場合ですか、ということが余りに多すぎるのだ。議論を尽くすのではなく、実質的にはゴネてるだけなのである。メリハリが無さ過ぎる。

危急存亡の秋、という時にでさえ、「もうちょっと様子をみます」「よく議論を重ねてから」みたい対応をする、ということ。
これでは、船が沈没していくのは当たり前。そのせいで、何人も溺れて犠牲者が出ているというのに、「まだ沈没していない」って、のんびり作戦会議をこれからやりましょう、みたいに集まっているようなものだ。議員の多くは、「作戦会議に呼ばれる特権」だけが目的なので、「どう対処すべきか」という迅速な行動や対処の結果には責任を負っていないのである。だから船が沈んでいくのである。


○「もはや日本は経済は一流と呼ばれる状況ではなくなった」~by 大田経財相

市場の動揺や米減速懸念などが経済のリスク要因=大田担当相 ビジネス Reuters

大田さんは竹中路線を踏襲してきた人であり、その継承者であった。それ故、竹中大臣時代の演説と対比させたものと思われる。05年1月、例の郵政戦争に突入する年の演説であった。

もはや・・・

もはやバブル後ではない、という、飛躍を感じさせる竹中演説とは対照的に、大田さんの演説には無力感と悲壮感が漂うばかりだ。たった3年で日本は逆戻りしたのだ。再び、長く暗い迷路に放りこまれたのだ。
「もはや一流(経済)ではない」という科白は、かつては栄華を誇ったのに没落していったオランダ商人の口から出たかのようでもある。こうした警鐘も、喧騒を極める大勢の議員たちには遠く届かないだろう。彼らに関心があるのは、ひたすら選挙であり、自分の議席であり、自分の名前が書かれるかもしれない投票用紙を握っている手、である。彼らを投票用紙集めの走狗に成り下がらせたのは、選挙が、民意が、政局が、と下らない煽動を繰り返し、自分たちの仕事を増やすに都合のよい取り巻き連中なのだ。


確かに、かつての輝きは今の日本にはないかもしれない。それは多くの人たちが、下を向いているからだ。先を見る元気をどこからも感じ取れないからだ。でも、よく考えて欲しい。日本は、依然として日本である。日本人は、今も昔も日本人である。私たちには、先祖から受け継いだ血とDNAが備わっている。そんなに簡単に人間なんて変わらないよ。輝いていたのは、自分自身だった、ということに気付いて欲しい。日本がダメになったんじゃない。日本人が無能になったんじゃない。違うよ。
少し走り疲れただけ。
迷っているだけ。
ちょっとつまずいて、うまくいかなくなっているだけさ。


中国が成長してきて大変だ、とか言うけど、全然そんなことは気にしなくていい。元が酷かっただけだ(通貨の元じゃないよ)。日本の10倍も人口がいて、日本以下である方がどうかしてるんですって(笑)。それに、中国が豊かになっていくのは、10人の奴隷のお陰で1人の金持ちが誕生しているようなものだから、社会全体の豊かさとは違う。1億人の金持ちは魅力的マーケットかもしれないが、残り12億人とか13億人は、日本の平均には遠く及ばないだろう。何度も書くけれど、中国は今後「一人っ子政策」の恩恵(笑)を受けて、人類史上空前の超ハイスピード高齢化社会が到来するだろう。現在すでに男性が大幅に余っていて、結婚できないんだし。「数億人」もの貧困層を抱えたまま、金持ちだけは豊かな老後を過せるだろうか?まともな社会保障制度もないし、高齢化の対応に苦慮することになるだろう。1組のカップルは2組の親世代を支えなければならないのだからね。それと、エネルギー需給の問題に直面するだろう。食糧もエネルギーも「巨大であること」が災いして、恒常的な需給逼迫に悩まされることになるだろう。日本人みたいに、みんなで均等に使うことなどできない、ということ。エネルギー供給が間に合わなければ、よく停電するとか電力供給制限などが行われることになるだろう。必ず成長が大幅に鈍化するのだ、中国は。その宿命からは逃れられない。

日本こそが奇跡の国といっていい。
幕末にやってきていた頃の英国は、世界に冠たる大帝国だった。百年近くは世界に君臨し続けた。その後、百年近くもの右肩下がりのトレンドから抜け出せず、ようやくここ四半世紀くらいで回復してきただけだ。中国ははるかに長期間苦しみ続けてきたのだ。少しくらい回復してもいいじゃないか。

図録▽1人当たりGDPの歴史的推移(日本と主要国)

日本は僅か半世紀でここまで到達したのだから、本当に凄いのだ。敗戦でボロボロになったのに、ここまでこれた。そのこと自体が奇跡的なのだ。
明治維新頃から、外国人教師たちから、色々と面倒をみてもらい、様々なことを教わってきた。だから、今度は日本が教える番なのだ。それだけの大国である、ということだ。
日本は色褪せてなどいない。
未だに世界では一流国である。借金大国のアメリカとは違う(笑)。

国の国内総生産順リスト - Wikipedia

このデータをよく見て欲しい。日本みたいなちっぽけな島国で資源も持ってないのに、日本はイギリスやドイツよりも経済大国なのだ。
依然としてイギリスの1.5倍以上、東西統一後のドイツにも1.3倍以上のGDPなのだ。PPPベースでなら、日本はイギリスの2.2倍、ドイツの1.6倍だ。イギリス人がやってきて色々教えてもらってた頃は、日本なんて足元にも及ばない途上国だったんだよ?日本が竹槍で戦おうとしていた時、イギリスは戦闘機にロールスロイスエンジンを積んでたんだよ?(笑)

日本が驚異的に追いついたのだ。今の中国の急成長が気になるのと同じく、イギリスやドイツやフランスが、日本に対して同じように感じたことだろう。教えてやらなければ鉄道や自動車さえも満足に作れなかった国が、列強の国々を差し置いて経済大国にのし上がってきたのだから。しかも、メチャクチャに破壊された敗戦を経て、だ。まさに、「ライジング・サン」だ。65~68年くらいのたった数年で、イギリスもフランスもドイツも、一気にごぼう抜きでGNP世界第2位に躍り出たのだから。日本には、そのDNAが受け継がれているはずだ。昔から何も変わっていないのだ、「日いずる国」であるということは(笑)。

だからもっと自信をもっていい。
英国の成長路線をもってしても、未だ日本には遠く及ばないのだ、ということを自覚すべきだ。もし本当に落ちぶれてしまったと感じるなら、それは日本が貧しくなったのではなく、日本人の心が貧しくなったのだ。超一流ではないかもしれないが、一流であることには変わりない。エースピッチャーではなくなったのかもしれないが、勝ち星の稼ぎ頭ではあり続けている。
先祖のストックの恩恵を感謝し、これからは自力でちょっと頑張ってみるよ、と思って、やってみればいいじゃないか。
悲嘆はそれからでいい。





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
熱いですね (ろっし)
2008-01-22 10:19:12
 情熱を持っているなと思い見させていただきました。ほぼ共感していますが、若干気になった点があるのでコメントします。
 経済財政諮問会議の形骸化については、そうでないと思います。小泉・竹中時代に比べ、ペースや首相の取り入れ具合が減ったということに思います。安倍内閣時代に対応が出来てなかったと思いますが、現内閣では、歪みの解消に気を配っている部分はあろうかと思います。
 日本の経済は、一流では無くなった。超一流ではなくなったが正解と思うのですが。大田経済大臣の発言なのですが。
 スピードは、無いですね。後、年配が多いのも特徴です。ただ、失敗を世論やマスコミが必要以上に追及する体質も問題かなと思います。失敗もあるが、スピードを上げ、世界で最先端もしくは欧米と肩を並べる法体制、基準づくりがトータルではプラスなのですが...。日本人は、批判するのが好きな国民性に思います。後、嫉妬やねたみも多いのではないでしょうか。大衆主義民族性が政治にも影響していると思います。
 あくまでコメントであり、記載していることを間違っていると思っているのではなく、私の考えを記載したまでのことです。
 
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Unknown (まさくに)
2008-01-24 20:30:28
>ろっしさん

>失敗を世論やマスコミが必要以上に追及する体質も問題かなと思います。

これがまず、かなりの間違いを含むものと思います。追及の姿勢というのは、一種の「ショービジネス」化したもので、大相撲もボクシングもそういうのが出た結果なのではなかろうかと思います。マスメディアは「追及ショー」を重要なコンテンツに位置づけているのだろうな、ということです。

国民性はどうなのか判りませんが、傾向としては「オレがこんなに苦労しているのに…」(=それなのにヤツラは…)という心性があるのかもしれず、赤木某の如く「オレが堕ちていくならお前も堕ちろ」というタイプが広まっているのかもしれません。他人の不幸を願ったとしても、自分が幸せになれるわけではないのですけどね。そっか、これが嫉妬やねたみ、の発現なのかも…
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