昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

タペットクリアランス&カムタイミング調整

2013-03-28 21:11:06 | 11636

今回の仕事で、カムカバーをめくることになるとは思ってもいなかった。

エンジンO/H済みだと聞かされていたし、一応、国産屋さんでも名のあるレースショップの仕事だということだし。
仮にも、アルファロメオのショップが仲介していてのOH仕事だし、ノーマル仕様でのO/Hなら、ちゃんとメーカー値で、組まれているはずだと思っていた。そのくらいの腕はあると思っていた。

しかし、どう考えても、この車のパフォーマンスは、アルファロメオとしておかしかった。

ロペラシャフトの組み付けで、あんなにいくつもの失敗するメカニックも珍しい。
何度かの走行テストのフィーリングから、エンジンの組み上げも、信じられなくなってきたので、カムカバーを開けたらびっくり箱の玉手箱だったのは、先のブログに書いたとうり。
O/Hしたメカニックが、数値を知らなかったのか、その後に行ったショップのメカニックが、そんな値にセットしたのか、何が本当のことかが判らないが、言えることはただ一つ。オーナーが満足するできばえではなかったということだ。

 


いつものSSTと、新品タペットシム。
新品バルブに、中古タペットシムは絶対に使ってはならない。

  

      1        2       3       4
IN    0.41           0.37           0.39         0.42

EX      0.40           0.465          0.45         0.425


上記の数値、かりにも、伊藤忠オートとの関係があった、長年アルファロメオ専門でやってきている工場が、このような数値に調整するだろうか?? 10548カムで。

 

 
O/H時に新品に換えたはずのバルブが、左のものは中古のシム使ったのだろう。
もはや段がついて削れている。
コッターの位置を見ると、作業者の性格がよく出ている。嵌ってりゃいいというものではない。

 
細かく調整したつもりだろうが、削り方がいい加減で、全体にあたっていない。
こんな手抜きは伊藤忠時代には、絶対に許されなかった。
今どきのメカの腕というか人間性が判るところですね。

   
タペットが表も裏も斜めに当たっているのが判りますか?
こんな内側に段の付いたタペットは使っちゃだめなんですよ。

タペットシムも、新品と中古の削って調整したものが入り混じっていて、その削り方もななめ削りだったり。 せっかくOHしたエンジンに、そんな中古のシムを組む工場があるのだろうか??
中古のシムと、新品の違いは、裏を見れば一目瞭然。中古になると、ヘタッテ裏が平らでなくなるのだ。

  
カムキャップのワッシャと、ネジが一つずつ違うものが入っていた。
ワッシャは旧タイプのサイズの大きなもので、間に合わせしてあり、ネジはナマネジ使って、ヒゲが出てきていた。違うものが混じっていたら、元のものと同じものを用意するのがOHの基本だ。こういう仕事ぶりが人間性を表している。

 

  
今回のでたらめなタペット調整したメカニックは、カッパーグリスがお好みのようだ。
あちこち塗りまくってあった。

 
123デスビが、気に入らないので、お客様の持ち込みの他のデスビに換えようとキャップ外したら、なんと恥ずかしい位置にローターが。
デスビ抜いたら、もっと恥ずかしいことに、OILポンプシャフトが、こんな角度で。
今どきの、エンジンかかりゃいいという仕事だ。ああはずかし。

誰がどこで何したのかは、私にはどうでもいいことだ。
まともな仕事のできないメカニックが、さわった証拠があったということ。

そして、それが不具合の原因だったということだ。

 


私が車を受け取ってすぐの試走で感じた、荒いなという感触は、きっちりプロペラシャフトの組み付け不良だったし、エンジンも、アルファロメオ独特のなめらかで楽しいフィーリングがないと感じたから、何かおかしいと、カムカバーを開けたら、メチャクチャセッティングだった。

おかしいなと感じたら、本当にどこかがおかしいんです。
新車のころから、知っているというのは、そういうことなんです。

たった1台を、メンテしてるのじゃないんです。
ディーラー時代から、不特定多数のお客さんの車のいろんなトラブルを、見て、修理してきたんです。
だから、音を聞いただけ、少し走っただけで、感じるんです。イレギュラーは。
機械は正直なんですよ。判るメカニックには、機械のほうから話してくれます。

 


私のラリー時代の後輩、一回り干支の離れたメカニックは、国産ディーラー育ちだが、かなり以前に、当方の工場で下取りしたアルフェッタ1.8から、アルファロメオに乗り始め、ミラノに乗り換え、自分でマニュアル改造し、自分でV6エンジンもO/Hし、さらに、75T/Sに乗り換えて、すべて自分でメンテしているが、もう何年不具合もなしに116系に乗っている。

もちろん、自分で判断するのに迷った時は、私に聞いてくるのだが、言葉で教えるだけなのだが、仕事のツボは外さない。 コツのいるところは、壊す前に、聞きに来る。そう、コツのいるところとか、特別なノウハウがいるところが、彼には事前に判るから、彼は壊さないのだ。それだけの腕がある証拠だ。

自分の仲間うちの、一回りも年の若い国産メカニックが、ごく普通にトランスアクスル車をメンテしているのを知っていると、ほかのメカニックも、出来て当然という感覚が私にはあった。

でも今回の車のメンテを担当した、何人かのメカニックはそうではなかったようだ。
今までのメンテナンスで、コツがいるところ、ノウハウがいるところは、ことごとく作業失敗し壊されている。
そしてO/Hされていたはずだったエンジンも、他のメカニックが、タペットクリアランス、バルタイを調整し直したと言うし、、、それでも、私が走行フィーリングから何かがおかしいと、カムカバーを外すと、バルタイが狂っていた。遅れるのならわかる。(チェーンが伸びたのだろうと)。しかし、バルタイは、早い方向にずれているのだ。そのことをブログに書いたら、なぜか、調整しなおしたと、私に言ったメカニックが、メールで、自分の後に他のショップで、O/Hしているんだと連絡が来た。
なぜ自分より後の作業のことを知っているのか、私にはわけがわからないが、となると、その後からO/Hしたと指摘されたショップが、(どこをO/Hしたのか知らないが、)せっかく合わせ直ししてあった、バルタイや、タペットクリアランスを、わざわざ間違った値に組み付け直したというのだろうか?バルタイのマークも無視して。。。

つじつまの合わない話が多すぎる。@

 


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