昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

これは良い!! おかげで仕事が進みます。

2013-07-04 20:35:28 | LANCIA その他車種

 

前回手に入れた、キャブ用という、ホーリーのプレッシャーレギュレターが、まったく役立たずだったのに比べ、今回、特急便で手に入れた(前日の夕方注文で、あくる日の昼前には到着した)kingのフィルターレギュレターは、優れものだった。


左は、役立たずだった、ホーリー製
右が今回手に入れた、キング製

  
アルファ純正の左のものと、事実上同一だが、このkingフィルターは、プレッシャレギュレター機能が、さらに良くなっている。
アルファ純正は脈動を抑えるためのものだが、こちらは、積極的に、プレッシャレギュレター機能が働く。

  
そのままつけると、0.2だったものが、調整して0.3プラスに。

あの異常に高い燃圧のUSHINのベンディックスポンプが、このフィルターレギュレーターで、キャブの規定燃圧にセットすると、見事、脈動も、フルスロットル時と、アクセルオフ時の、燃圧変化もまったく無い。
これは良い

もちろん、キャブのオーバフローもないし、油面変化も無い。
ウェーバー規定の、8.5mmにフロート位置を調整すれば、規定どうりの、ボディ上面から29mmの位置に、油面が。

 
フェンダー内側に、純正のフィルターブラケットが有った。
元々は、例のフィスパか何かが付いていたのだろう。
当然この場所に、kingフィルターを装着した。
燃料ホースは、値段は高いが、INJ用高圧ホースとして、メーカー純正のインジェクター等にバンドなしで使用されているD-FLEXを使用した。
これならば、見た目は単なるゴムホースだが、正真正銘の耐圧燃料ホースである。
何ちゃってエアロクイップのホースバンド止めなら、こちらのほうが見た目も機能も上だと思うが。(嬉しがりウケはしないけど)

 

   
①ペダルを踏み込んで固定する工具を装着して。
②アクセルペダル全開で、キャブのスロットルレバーはこの位置
③さらに手で開くと、こんなに開くのです。結果、アクセル全開でも、キャブは半分から、7分目弱くらいしか開いてませんでした。
そのワリには、このランチアは良く走る。ご立派 V4

レギュレターを装着し、本来の燃圧で、走行してみると、さらに車が軽くなったように感じるが、まだ、パーシャルスロットルの時の畑中葉子はいた。
スロージェットも、何度か換えてみたが、一番調子が良いのは、いつものあの番手だった。

雨が降らないうちに工場に戻り、じっとエンジンルームを見ていると、アクセルワイヤーの角度が気に入らない。
スムースに引っ張れる位置に、ワイヤーが入っていない。2箇所のワイヤ取り付け位置のうち、わざわざアホなほうにつけてある。


アクセル全開でも、キャブ側のレバーをフルスロットル位置になるまで、ベルクランクをまわすと、アクセルワイヤがこんなにたわむほどあまっている。
また、ワイヤーの固定ナットの下側がリターンスプリングと干渉しているので、自由に回らないので、ワイヤがコゼテいる。
おまけに、アウターの受けが、遠いほうを使っているから、ワイヤーに角度が付いて、スムースに引っ張れない。
どれほどアホメカニックが、何も考え無いで組んだのだろう。

  
①ワイヤーを外すと、ご覧のとうり、アウターのスパイラル丸出しになっていた。
②自転車のブレーキ用ワイヤは、ご覧のとうりキャップが。これはイタリアカンパニョーロ純正ブレーキワイヤー
私の趣味のロードレーサー部品だが、このキャップを失敬。
③アウターに、キャップをかぶせた本来の姿にし、取り付け位置も、まっすぐ正しくワイヤーが引っ張ることの出来る近いほうに、位置を変えて取り付ける。


ワイヤーが、まっすぐに、引っ張られる位置に変えるだけでも、見た目もすっきりだし、もちろん動きもスムースになる。
前任者のメカニック君、こんな子供じみたこともわからないのだろうか?
まだこの時点で、リターンスプリングは、ワイヤー固定ネジの下にあり、動きがスムースではない。


水平方向から見ると、ご覧のとうり、すべてのアライメントが狂っている。
こんな状態で組んだ前任者メカニック君の頭の程度が良くわかる。
この、リンゲージの曲がりを修正し、リターンスプリングの引っ掛け位置を、アクセルワイヤ側から、ロッドのレバー側に変更する。


フルスロットルにならない原因は、スロットルレバーのレバー比の問題で、このレバーどう見ても改造もので、左側の丸い穴のあるレバー部分が、元の状態で、シャフト中心から、その穴の中心までの距離と、現在リンクレバーの付いている位置との距離の違いが、フルスロットルにならない原因だ。
現在3箇所あるリンクボールの取り付け穴を、内側にもう2箇所ほど増やして本来のレバー比に修正する。
当然キャブは外して、スロットルレバーも外しての加工だ。

 
①リンクをレバーから外すと、あらびっくり!! 加速ポンプスプリングの力で、スロットルが開いてしまった。
②さらに手で開くと、フルスロットル位置まで自由に。 キャブのリターンスプリングが付いてないのだ。
まるで、一部のSOLEXのように。

そうか、それで、キャブだけではアクセルが戻らないから、強制的に戻すために、リンゲージのベルクランクのリターンスプリングが、きつくなる位置までねじ込んで取り付けて、挙句の果てに、自由に動かねばならないワイヤーストッパーの下側に引っ掛けて知らんふりになっていたのか。今回も前任者のケツの糞拭き仕事のようだ。

   
①後ろのキャブのカバーを外すと、リターンスプリングがいない。
②スプリングの引っ掛けのカバーを外すと。
③中にスプリングがいた。
④引っ掛け工具で、引っ張ると、下側は、まだ、引っかかっているらしい。バタフライがリターン状態になっているのが、加速ポンプロッドからもわかる。

  
①前側のキャブは、スプリングが付いているようだ
②確かにスプリングはまだ付いている
③引っ張りあげると、下側で千切れていた。

 
キャブを外して、インテーク内部を見ると、ポート研磨をしているが、ヘッドとの接合部には、たんまりとシリコン接着剤が出てポートをふさいでいるし、関係の無いところにまで、シリコン接着材を塗ってしまっている。見えるところだけ、高額な、本物エアロクイップを使って、床下燃料ポンプや、エンジンルームのホースへの取り付け部分は、ホースバンドを使っていて、エアロクイップの意味が無いような仕事をする、見た目だけ重視のメカニック仕事だ。なるほど、歪んだ、ベルクランクに、取り付け位置の悪いアクセルケーブル。前回にならないスロットルレバーで組んでも平気なはずだ。F7エマルジョンを平気で使えるのも納得。

 
前側キャブは、なんと、後ろ蓋の皿ビスが、2本とも付いていない。インシュレーターに挟まれて脱落しなかったらしい。
まあ解体物の手持ちがあるからいいけど。 
後ろ蓋の内側には、きっちりと千切れたスプリングの端っこが。

 
後ろ側のキャブにも、しっかりと千切れた端っこが落ちていた。

  
①幸い、リターンスプリングは、キャブ再生用に、予備を持っていた。
②まずグリスをたっぷり塗って、下側のバタフライシャフトのレバーに引っ掛けて。
③引っかけ工具で上に引っ張りあげておいて、固定タブを滑り込ませて、出来上がり。

ちなみに、このリターンスプリングが折れていると、今回のように、畑中葉子がやってくる。ひとつの原因になるのだ。
彼女は、濃いーのがピュッピュが好きなんです。はいご一緒に。 「後ろから~~~~~~」

 
リンクレバーの取り付け穴は、2箇所追加して、一番内側は、本来の位置に、できるだけ近い位置とした。
赤まるの左下あたりに、いかにも溶接して伸ばしたような、改造痕がある。
改造するなら、まともになるように作ってくれ。

  
①リンクロッドの穴は、一番内側で、フルスロットルになるようになった。
②グニャグニャだったベルクランクもまっすぐに。
ワイヤとの位置関係も正しい位置にした。
③まっすぐに引っ張る位置のワイヤーと、リターンスプリングの引っ掛け位置が、ベルクランクの長いレバー側に。
アクセルワイヤストッパーとの干渉が無くなり、スムースな動きとなった。

 

早く天気になってくれ。早く試運転がしたい!! 役得ですね。
シェフの味見と一緒。
お客様より先に、美味しいのを味わうの。


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