昔が良かった。

古き良き時代というけれど。クルマ好きにとって、60年代、70年代は希望があった。

アライメント測定、調整、練習

2016-07-04 00:19:23 | 11636

       
116系のアライメント調整は私にとって、一番好きな仕事のひとつ。

  
アライメントメンテナンスリフトの、良いところは、この中間位置での、水平面が出せるところ。
リフトから、垂れるように出ているロッドで、正しい水平面が確保できる。

 
最初の測定画面

 
調整しながらの画面。いつの間にか、トーインが、角度から、ミリ寸法に表示が変わっていた。

 
左のキャスターが標準よりかなり少ないので、標準値に合わせたつもりが。


再測定すると、なんと、大幅にオーバー調整。

 
さらに再調整し。左キャスターは、目標値に。


さらにオールリセットして、再測定。
調整前、調整後は、測定誤差の範囲に収まる。

リヤーのキャンバー、トー角は、基準を外れているが、トータルトー、スラストラインからすると、規定範囲になるので、新たな加工まで加えての、修正はしていない。
あくまでも、元の取り付け穴の位置の範囲でできる調整しかしていない。

こういう、調整結果の画像を出すと、ウルサ方から、まだ、赤い表示のものがあるじゃないかとの指摘を受けそうだが、この画像の基本のデーターは、75のものを使っているので、アルフェッタGTのものではない。今回のアライメント測定も、テスト測定なので、基本データーをES30としての、測定もしたが、大幅に数値が異なる結果となったので、本来は、正しいその車種の基本データーをデフォルトとして入れておくほうが良いのだろう。

当方の場合は、この手のクルマは得意車種だし、ロメオがメインのアライメント測定&調整なので、当方ならでわの鼻の脂のデーターがあるので、この画面の数値が、全てではない。

 


ロードテストコース(11636のカップリング交換後の試運転)

2016-07-02 22:05:36 | 11636

工場の裏山は、生駒山

生駒山の稜線には、信貴生駒スカイラインという、有料のドライブウェイがあるが、奈良側中腹上部には、フラワーロードという、広域農道がある。

適度にアップダウンのある、快適なテストコース。

上記の写真の直線は、9パーセントの下り坂。
この位の直線のぼり坂があると、3速で、フルパワーのジェットセッティングができる。
4、5速を使わないで済むので、ずいぶんと助かる。

 

今回の116の仕事は、フロントカップリング交換

それにしても、前回に、たぶん私の前に触ったメカニックが、全てのカップリングを同時に交換した様子だったのに。(だから前回のペラシャフトの仕事のときに、カップリングは替えなかった)

なぜか、フロントカップリングのみが、ご覧のように、割れ割れ状態。

原因は?

たぶん、私がペラシャフトの修理をするときに発見した、フロントカップリングの前後逆組みつけのせいだと思う。
前後逆に組み付けると、回転方向が逆となる。
カップリングのゴムの部分が、パワーONでの圧縮と、引っ張られる方向が、逆となる。

カップリングを逆組みされて、トルクのかかる方向が逆で、しかも、まともに組めてなかったエンジンの振動を受け、その状態である程度使用されて慣らされたカップリングが、正しい方向に組みなおされても、以前の癖が抜け切れなかったということのようだ。(逆組みされたカップリングは、ある程度癖をつけられたら、もはや、元には戻らないということなんだと思う)


カップリングの疲労は、振動と、熱の影響が一番あるのだが、一番楽しているのが、センターカップリングで、センターのピローボール部さえ、キッチリとメンテナンスされていたら、フレキシブルマウントのセンターベアリング部は、自動的に調芯されるので、ペラシャフトのセンター部のダイナミックバランスさえ取れていれば、けっこう長持ちする。

フロントカップリングは、一番熱の影響と、4気筒ゆえの振動影響を受ける。しかしながら、この車の、エンジンと、ペラシャフトのアライメントを見れば判るが、回転の芯は、かなり出ているので、カップリングのゴム部分でクネクネとユニバーサルジョイント状態には、なっていない。

その点、リヤカップリングは、ペラシャフトのセンターラインと、トランスアクスルのシャフトのセンターラインが、くの字型に折れ曲がっており、リヤカップリングが、クネクネとユニバーサルジョイント状態になって、ゴム部分に、曲げの交番荷重が常にかかる状態になっている。

したがって、一般的に、116系のプロペラシャフトのカップリングは、リヤー、フロント、センターの順でヘタルのが一般的だ。

国産のカップリングメーカーが、ずいぶん前に、専門書の内燃機関という本で公開していたが、カップリングのゴムは、トルクで、傷むのではなく、振動と、熱で、ゴムが劣化するからだと、発表していた。だから、6気筒エンジンと、4気筒エンジンでは、回転トルク変動の振動が多い、4気筒エンジンのクルマのカップリングが早く劣化するし、回転軸の芯がまっすぐではなく、カップリング部で、ユニバーサルジョイントの役目を持たした構造では、その折れ曲がり角に応じて、1回転に、1回の交番振動が入り、そのためにゴム内部に熱が発生するので、特に劣化が早まる。カップリング部で、伝達角度を変えることによる交番荷重の変化は、4気筒エンジンの回転トルクの変動と同じく、カップリングのゴム劣化に多大な影響を与えるので、軸はできるだけ1直線になるように設計するのがよいとのことだ。

そのことを考えると、ロメオの、カップリングの使用方法というのは、ずいぶんと楽観的な設計だといわざるを得ない。

しかしながら、他のメーカーで、リヤの独立懸河のクルマのドライブシャフト駆動の内側部分に、同じようなゴムカップリングを、ユニバーサルジョイント的に使っているメーカーもあるので、それは、そのメーカーが、この方式で十分であり、後は使用者がメンテナンスして必要に応じて交換するのは、当たり前というのが、設計者の考え方なのだろう。

そういう設計の車に乗っているのだから、それを踏まえたメンテナンスが必要ということだ。


ワークステージ、初一般メンテナンス仕事

2016-06-28 01:30:39 | 11636

ワークステージリフトを設置してから、アライメントの測定練習と、単なる仕事スペースとしての活用以外に、リフトとしての機能はまったく使っていなかったのだけど。

かなり前から、頼まれていた、プロペラシャフトのカップリングのメンテナンス仕事のクルマが入庫してきた。

早速、ワークステージ上に鎮座していた、赤い車と、場所の交代だ。

ドライブオンリフトへの乗り入れは、非常に楽だ。
  
メインリフトを、上昇させ、下回り点検後、フリーホイールリフトにて、さらにアップ。
親亀の上に小亀載せてと、~~~~~

段差乗り上げの際に、マフラーを打って、そのときにペラシャフトと当たったのか、カンカンと音がしたとのことだったけど、特に気になる問題は無し。触媒部を擦った跡があるので、あの部分を突き上げると、マフラーのアライメントが変化するが、少し修正するかしなくても大丈夫かというくらい。まあ、最後に少しだけ修正するか。

このリフトは、中古だが、それゆえにオプション満載で、小亀リフト以外に、トラックなどを上げるときの為のオプションのピットリフトがついてきている。
このピットリフトが、116carのリヤサスを弄るときには重宝する。

  
フリーホイール状態のクルマの、リヤサスを、下から持ち上げることができるのだ。
オプションの第3リフトを安全に使用できるのが、ワークセテージシリーズの良いところだ。(今までは、下から棒で、突き上げての危険な作業をしていた)

 
親リフトのサイドと、前後には、合計4箇所のエアーチャックが付いているので、非常に便利。 ピットリフトはこのエアーで作動する。

  
オーナーからは、OIL交換でリフトアップしたときに、フロントカップリングが割れているのを見つけたとのことだったが、見事、フロントカップリングは切れていた。(ゴムが剥がれて、飛び散っていないから、まだ軽症というか早期発見状態だ。

  
カップリングは、フロントのみ交換要す状態。
こうして、ある程度使ったカップリングは、明らかのトルクのかかる側が縮んでいる。

   
前回に、ダイナミックバランスをとった錘も問題なし。
センターカップリングは、ある程度使うと、回転が止まったときの重さで芯が垂れてくるのだが、まったく問題がない状態。


状態がわかったので、とりあえず、このクルマの仕事は、またあとで。

先客さんに叱られる。


やっぱり、デスビは、純正が一番

2014-09-22 18:56:55 | 11636

11636に純正装着されている、ボッシュのフルトラデスビ。
断然調子がいいです。

やはり、純正は、メーカーがそれなりに考えてセッティングしているので、アフターマーケットのパーツとは、違います。
いろいろ調整できる、アフターマーケットパーツは、それなりに、うまく機能すれば、便利なこともあるかもしれませんが、いろんなセッティングが出来ると言うことは、裏を返せば、これがこのエンジンにはドンピシャというセッティングを、そのメーカーが知らないから自信が無い証拠とも言えます。(事実、あのデスビをつけると調子が悪いのですから。どうしようもありません。)

使えるなら、純正がやはり良いです。
(純正供給品と、純正品を納めているメーカーの直うりの外品とは、精度が違います。ましてアフターマーケットの品はメーカー指定になれない、その程度のクォリティで、純正とは雲泥の差なんですよ)
トラブルがあれば、それをキッチリと修理すればよいのであって、修理の出来ないクラスのメカニックは、出来の悪いこともわからずに、程度の低いアフターマーケットパーツの新品を使います。

デスビだけでなく、キャブのマウントインシュレーターや、ミッションのシンクロ等、使えば具合が悪くなる新品パーツは、かなりの種類があります。
シンクロのように、わたしがそのリプロパーツを見ただけで、使えないと断言したものが、世に出回っていますし、それが使える使えないが見ただけで判断できないメカニックのところに、仕事をさせるショップもあります。あるショップマスターは、今ある粗悪品の在庫がなくなるまでは、使えないとかほざいていますが、被害者のことを考えない性格なんでしょうね。

 

今回の11636の場合、最初から私のところに来ていただいていれば、少なくとも、ブロック交換や、クランク交換はしなくてもよかったのだし(これらは、以前にO/Hした、メカニックによっていじり壊されていた)、最初にいただいた仕事のプロペラシャフトの振動だって、エンジンOH後に、悪くなったとのオーナーの指摘どうり、この手の車のプロペラシャフトの構造を理解できていないメカニックにより、組み付けを失敗していたのが原因だったし、アルファロメオの看板をかけていても、そのショップのメカニックが、アルファロメオの専門のメカニックでなければ、まともな仕事が出来てない場合が多々ある。
新しく、古いロメオのオーナーになった方や、あらたに近場のショップを捜しているオーナーがが、メカニック腕の良し悪しよりも、口先のうまいショップオーナーに騙されてしまうのには残念なことである。

 

何はともあれ復活しました。

 

慣らしは気にしなくても結構です。 当方で、必要な初期慣らし、当たりつけ、フルスロットル確認までしてあります。
(最高速チャレンジする場合だけは、ジェットセッティングを再確認してからお願いします。3速までのフルスロットルテストはしていますが、最高速は免許がなくなっては困るので、最近はしていません)

 

 

 


デスビ デスビ デスビ

2014-09-21 00:52:26 | 11636

今回O/H前には、123デスビが付いていたのだが。
123パフォーマンスでは、私の作ったエンジンの力を出し切れないので、交換です。

私のお勧めは、その昔から、ボッシュのノーマルデスビに、ポイントレスパーツを組み込んだもので、ロメオのエンジンの回転数程度では、CDIは無用の長物。
メンテナンスフリーと、アイドリングの安定のためにフルトラ化するだけで、高々7000RPMくらいまでのエンジンに、放電時間の短いCDIは、必要ない。
MDIなど、40年前のソレンセンMKーTENのコピー商品だし、40年前にマルチスパークは、チューニングマニアのI社長の車で体験済みだし、アウトデルタのグループ2エンジンだって、マレリーのフルトラが使われていて、モントリ等に使われたボッシュのあのハイエナジーCDIは、使われてなかった。
たかだか、7200回転で最高出力出す、グループ2ラリーエンジンでは、中低速の着火の確実性から、フルトラが選ばれていた。

 

オーナーから持ち込まれたデスビいろいろ。

 


11636の純正ノーマルのフルトラデスビ。(トラブルあり)


ブラジルBOSCHと思われるデスビに、ペルトロニクスを仕込んでフルトラにしてある、アフターマーケットパーツ。
使っていたが、ローターが焼損したとのこと。ローターの軸のサイズが違い、ローターが手に入らないので、惰眠中。

 

せっかくの純正装着のフルトラを使わない手は無い。
治せるトラブルなら、修理すれば良いだけで、修理する技術の無い店では、すぐにデスビASSYを交換したがる。それも、パフォーマンス検証もしたこと無いものを。


今までの経験から、11636や、ヌオーヴォジュリエッタの2000に使われていたこのボッシュフルトラデスビ、大体同じトラブルで、他のものに交換されている。

実に簡単なトラブルで、その原因が、昔のボッシュデスビに使われていた、一部の実にしょうも無い部品を省いたために、この手のトラブルが出るようだ。

   

判りますか?
 

そう、お分かりの方もいると思います。

 
バラバラにして


マレリーのジャンクパーツはドナーです。 

 
このデスビは、ちゃんと2段階の遠心進角に、バキュームを追加しただけのものです。


マレリーのドナーから失敬したパーツと、同じボッシュのジャンクのドナーからの部品を鼻の脂を塗って組み込んで、各部の隙間寸法を、正しく調整して、ネジを締めればハイ出来上がり。

 

 
結局は、ノーマルのエンジンルームの光景
これが一番調子がよい。

ボッシュのポイント式デスビの、パフォーマンスに、フルトラならでわのアイドリングのスムースさがプラスされて、あの忌まわしい外品フルトラの加速リタードからも開放され、実に普通になりました。

これから帰ります。

帰りの近畿高速が楽しみです。