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ヘイトスピーチではなく、インターナショナルスピーチを・・セブ島で英語教室

2014-12-29 | アジア
今年最後の記事になりました。

一年間、どうもありがとうございました。

どうぞ良いお年をお迎えください。

                      veera拝




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「キャンベルさんと聞くヘイトスピーチ・・憎悪の先 見えない「日本」」
                    朝日新聞2014・11・03


人種差別をあおるヘイトスピーチを、どう食い止めるか?

街頭では、今も声高に差別を叫ぶデモが繰りかえされている。

日本文学研究者のキャンベルさんと、問題の根を探った。

デモ隊は日章旗を挙げて歩き始めた。

10月下旬、東京新宿の昼下がり、ざっと100人が「日韓断交」のシュプレヒコールを上げた。

「韓国を壊せ。日本を救うために。日韓国交断絶国民大行進in帝都」。

主催は「在日特権を許さない市民の会」の関係団体だ。

「韓国製品を買うな」といった主張を書いたプラカードも手にしている。

歩道にはデモに反対する「カウンター」と呼ばれる人達。

「レイシスト帰れ」、「ヘイトやめろ」と批判を浴びせる。

デモ隊側は叫ぶ。

「くそまみれの朝鮮人」「ゴキブリを叩きだせ」

もし外国人に〝ゴキブリ″と言われたら?。。

キャンベルさんは表情を硬くした。


「「断交」は、安全保障で一番危険なこと。

誰が幸せになるんでしょうか?

主張の核は、朝鮮半島の人たちや在日の人たちへの単なる憎悪でしかない。

その先に何が達成されるのか見えません。

〝排除の論理″は、世界に誇れる日本からも、かい離していると感じる。

在日の人たちの表現活動を抜きに文学や映画、舞台などの芸術は語れない。

日本に寄り添いつつ同化しないその在り方が、文化の多様性を生み、訴求力を高めた。

それが〝クールジャパン″にもつながっています。

在日の人を排除すれば、日本の文化はやせ細るでしょう。


デモ隊は、JR新宿駅南口に向かう。

街行く人びとは、困惑したような表情を浮かべている。

ではデモ隊が「救う」と思い描いている「日本」とは何なのか?

キャンベルさんは、「彼らの「日本」はどの時代にもない」と話す。

「歴史的に見て、日本の主流は〝取り込む日本″を志向してきた。

役に立つものは受け入れ、調整し、社会基盤の強に当ててきた。

排除のみの論理で活動する集団は、これまでの日本の在り方からは想像もつきません。

右でも左でもなく、歴史的に見ても「新しい集団」。

それはデモ隊の主張からも見えてくる。

いわゆる〝在日特権″の撤廃だ。

朝鮮半島が日本の植民地だったため、戦前から国内にいた在日韓国・朝鮮人らは特別永住者になれる。

たとえば特別永住者は、就労ビザで入国した外国人などと比べて、就労に制限はない。

これは一般永住者も同じだが、差別的な特権の一つだというのだ。一般永住者のキャンベルさんは「特別永住者が優遇されていたとは思えない」と言う。

30年ほど前、来日して出会った在日韓国人の学生を思い出す。

就職活動を始めた仲間たちを横目に、彼は就職をあきらめていた。〝在日″というだけで、仕事を見つけるのが難しかった。

その後マイノリティーへの差別は徐々に改善され、「韓流ブーム」もあって、在日の壁は少しずつ下がってきたとも言われる。

だがそれも、10年ほど前からの日本だ。

そういう時こそ危ない。

歴史の流れを無視して、在日の人たちが長年経験してきた苦労を無かったことにしようにしてしまう」


出発から1時間後、デモ隊は新宿区内の広場で解散したが、収まらない一部の参加者が、カウンターの人とののしりあいに。

「「お前はおれと違う。だから黙れ」と言って、自らの立場を高めようとする精神性が日本にはあります。

一見強い子が、校庭でやっていますよね。

仲間はずれにして、孤立に追い込む。

傍観者は、関わりたくないと目を背ける。

いじめの構図にそっくりだ。

憎しみの連鎖が肥大化するのは、阻止しないといけない。

見ないふりをするのは、もうよそうと思いました」

              ・・・・・


次に、せまい日本を飛び出して、アジア流英会話学校をフィリピンに作った方の紹介記事です。

憎しみからは何も生まれません。

どうせなら、仲良く暮らしたいものです。

              
              ・・・・・



「縁、絆、人情、継続 日本的経営を追求したい・・英会話学校をフィリピンで経営・藤原頼光さん」朝日新聞2014・11・01

○なぜフィリピンですか?

○高校卒業後、運送屋で働いて金をため、20才で米国に渡り、1年間学校に通いましたが挫折しました。

スクーターの買い付けなので、海外に出た際、話せないもどかしさを感じ、40才で英語に再挑戦した。

フィリピンのセブを選んだのは、近いし留学費用が安かったからです。

実際に来て、丁寧な教え方が気に入りました。

発音も分かりやすい。

なによりフィリピン人のホスピタリティが心地よかった。

ネイティブの人、特に英米人から習うと、同じことを3度言われて分からなかったら、日本人ならあいまいに笑って「分かった」と言うでしょう。

フィリピン人なら、何度でも遠慮なく聞ける。


○ビジネスに入ったきっかけは何ですか?

○セブで知り合った韓国人から、小さな語学学校を買ってくれと頼まれたのです。

一人しかいなかったその学校の講師もいて、断れなかった。

やるぞ、と声を上げたら、私が通っていた学校の講師達が続々と駆け付けて、引くに引けなくなった。

フィリピン人の母語は英語ではありません。

彼らは世界でいちばん英語の習い方が上手い。

だから、教えるのも世界一上手くなれるはずです。

一方日本人は、世界で一番英語を習うのが下手。

これを組み合わせたら商売になると思いました。


○実際にフィリピンで事業を起こすのは大変でしたか?

○学校経営の場合、外国人は資本の40%しか持てない。

大手じゃ怖くてできないでしょう。

わたしもスタッフから裏切られたり、大量に注文した備品が入金後に納入されなかったりといろいろ経験しました。


○オンライン英会話には日本企業が多数参入しています。

○マニラ周辺の大学生らと契約して、自宅で待機させ、受講生とスカイプでつなぐ形が多いのですが、弊社にはオフィスをもち、講師を正社員にして国際的な英語教授資格(TESOL)を取らせます。

予備校のカリスマ教師を招いて教材を作り、講師の質問に英語で即答するという英語の指導法(カランメソッド)の認定を受けました。会話だけを楽しむのではなく、実際の英語力向上を目指しています。


「英米のコピーでなく」

○オンラインと教室での英語学校(オフライン)を組み合わせているところが味噌ですね?

○自宅のパソコンでもスマートフォンでも、講師と一対一で学べます。

さらに休暇を利用して、気軽に短期留学してもらう。

英米のコピーでなく、フィリピンの利点を生かした英語教育を確立したい。


○個室ありカフェ風の空間ありと、校内もユニークです。

○オンとオフでは、教材も教室の仕様も違います。

オンでは通信の確保や、受講生のIT指導をする人材がいる。

オフでは多くの寮が必要。

食堂の設営や受講生の安全管理も重要な仕事です。

以前から使っているビルの2フロアは学校の受付、カフェ、個人指導用個室などを設け、他の2フロアにはオンライン用ブースを設けました。

前例がないので、大工にあれこれ指示しながらの試行錯誤でした。


○日本人の英語力を上げるとともに、フィリピンの経済発展に寄与すると誓っていますね?

○わたしを変えてくれたフィリピンはまだまだ貧しい発展途上国ですが、セブを英語学習の中心地にすることで、全体のイメージを底上げした。

受講者は英語の上達を目指すだけではない。

寮を出て、これから発展するフィリピンを経験してほしい。

食堂はフィリピン料理しか出しません。

講師と一緒に食べてもらいたいのです。


「努力で何倍にもなる」


○1対1の授業が多く、授業料も安い。フィリピン人の給与が安いから成り立つことでは?

○講師の月収は約3万~5万円。セブでは相対的に高く、600人の講師がいて辞めるのは月に5人ほどです。

採用試験の倍率は100倍ほどです。

給与を抑え、辞めても次を採用すればいいという学校も多い。

でもわたしは日本的経営を追求したい。

終身雇用にして、給与を少しずつ上げる。

優秀な講師には、世界一の高給取りを目指せと言ってます。

「縁、絆、人情、継続」がモットーです。


○ワーカホリックですね?

○めちゃくちゃやりがいがあり、単純に面白いのです。

フィリピンという舞台で、韓国人や中国人と競う。

同じ努力をしても日本では現状維持でいっぱい。

ここでは何倍にもなると思っています。

当面の競争相手は、韓国系の学校です。

彼らは家族で移り住み、取り組む。

日本のサラリーマンでは太刀打ちできない。

私も日本の私財をすべて処分して来ました。

桁違いの資金を持ち込む中国勢は今後、驚異になるでしょう。

こちらが駄目だったらもう一度日本に戻って、、とは考えていません。


☆「英語を話せるようになって人生を変えたい人」のための100万円の奨学金を設け、「あなたが世界を目指すわけ」の題で作文を募集中。


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