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去年の新聞記事ですが、
「国際地質科学連合で、地球史の現代にあたる「第四期」が、今までより80万年古く、260万年前に再定義された。」
という記事がありました。
気候変動をとらえることが、人類の営みをつかむ上でかかせないということと、現在の世界の課題である「温暖化」とは何かを考える手がかりにしよう、ということのようです。
朝日新聞2009年10月21日の記事です。
*****
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200910210306.html
「気候変動繰り返した「第四紀」、再定義で80万年古く・・温暖化後の手がかりに」
地質学上の地球の歴史区分である「第四紀」が新しく定義された。
「地球史の現代」とも呼ばれ現在も含む第四紀。
始まりは180万年前とされてきたが、80万年古い260万年前に変更することが国際地質科学連合(IUGS)の執行委員会で先ごろ正式に決定した。
また、意味も「人類の時代」から「人類が世界に広がった時代」に見直された。
背景には気候変動への関心の高まりが見える。
地質学は、地層の重なりを地球史の物差しとする。
「第四紀」の始まりは、人類最古の化石が発見された年代などから180万年前とされてきた。
寒流に生息する生物が増えるのも特徴とされていた。
ところが、人類の誕生は600万年前とも500万年前ともされるようになり、寒冷化が始まった時期が「第四紀」の基底とされる地層と一致しないことなどが判明。
時代区分を見直し、名前も変えるべきだなど、10年以上前から議論になっていた。
IUGSは開始をさかのぼらせたうえで、第四紀の名前は残すことを選択した。
260万年前は、南極圏に加え北極圏で大陸氷床、グリーンランドでも氷床が発達。
南北アメリカ大陸がつながって海流のルートが変わり、雨が増え、日射量が減って雪が増えたらしい。
寒冷化とともに中央アジアで乾燥が進んで砂漠が広がり、土砂が吹き飛ばされ、中国では黄土高原の堆積(たいせき)が始まる。
ヒマラヤ山脈が形成され、北から南へ冷たい空気が抜けなくなったと考えられる。
また、アフリカで誕生した人類が世界各地へと拡散する「出アフリカ」の第一波も、この時期とされる。
気候・環境の変動に対応して、食料の豊かな新たな生活の場を求めて歩き出したのだろうという。
「第四紀」の意味は、単なる「人類の時代」から、「人類が繁栄した時代」「人類が世界へと広がった時代」に変わった。
260万年前を画期とすることは、今日にまで続く地球環境の変化で「第四紀」を区切り直すことだ。
その背景について、日本第四紀学会長の遠藤邦彦日本大教授は
「氷期と間氷期を行き来し、気候変動を繰り返した「第四紀」の研究は、将来を見通すために重要だとの考えが根底にある」と解説する。
温暖化が進んだ先にあるのはどのような環境なのかを知る手がかりは、「第四紀」の歴史のなかにあるはずだという発想だ。
遠藤教授は
「はるか古い時代の歴史が、さらに古くなった。
それがどんな意味を持つのか、専門家以外には分かりにくいでしょう。
しかし、私たちは今、地球のどんな時代を生きているのだろうか。
その定義が新しくなったと考えて下さい」
と今回の決定の意味を説明する。
縄文時代も弥生時代も、古墳時代も、近年の研究で、始まりが更新された。
そして今回の「第四紀」。
単に数字だけではなく、どのような時代なのかという定義が問われたことも共通している。
環境の変化に敏感にならざるをえない時代状況のなか、歴史を見る新たな視点が求められていることの表れなのだろう。
*****
写真は同記事のもの。
「中国の黄土高原。
土砂の堆積が始まったのは、約260万年前で、寒冷化による第4期の始まりと一致する」という説明あり。
260万年前の風景を見ているのかと思うと、一人で感動しています。。
wikipedia「第四期」より
第四紀は地質時代の一つで、258万8000年前から現在までの期間。
他の地質時代が生物相の大幅な変化(特に大量絶滅)を境界として定められたのに対し、第四紀は人類の時代という意味で決められた。
したがって、古人類学の進展に伴い次々に古い原人が発見されるとともに第四紀の始まる年代も変化していった。
現在ではヒト属の出現を基準とし、地質層序や気候変動を併用して決定している。
特徴
生物
• 人類の進化と繁栄の時代。
• 更新世末に、大規模な絶滅が起こった。
マンモスなど。
その他北米ではウマ、ラクダ、チーターなども絶滅している。
気候
• 高緯度の地域に、大陸並の規模の氷河が分布している。
• 氷期と間氷期を繰り返している。
wikipedia「古人類学」より
古人類学は形質人類学(自然人類学)から派生した学問領域で、特に霊長目内からヒト(ホモ・サピエンス)への進化の系譜の過程の解明を中心に、その過程にあったと思われるヒト科の生態を研究する学問。
広い意味では古生物学に属するが、古生物学と考古学の隙間を埋める学問ともいえる。
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「温暖化」で9件、あります。
「国際地質科学連合で、地球史の現代にあたる「第四期」が、今までより80万年古く、260万年前に再定義された。」
という記事がありました。
気候変動をとらえることが、人類の営みをつかむ上でかかせないということと、現在の世界の課題である「温暖化」とは何かを考える手がかりにしよう、ということのようです。
朝日新聞2009年10月21日の記事です。
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http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200910210306.html
「気候変動繰り返した「第四紀」、再定義で80万年古く・・温暖化後の手がかりに」
地質学上の地球の歴史区分である「第四紀」が新しく定義された。
「地球史の現代」とも呼ばれ現在も含む第四紀。
始まりは180万年前とされてきたが、80万年古い260万年前に変更することが国際地質科学連合(IUGS)の執行委員会で先ごろ正式に決定した。
また、意味も「人類の時代」から「人類が世界に広がった時代」に見直された。
背景には気候変動への関心の高まりが見える。
地質学は、地層の重なりを地球史の物差しとする。
「第四紀」の始まりは、人類最古の化石が発見された年代などから180万年前とされてきた。
寒流に生息する生物が増えるのも特徴とされていた。
ところが、人類の誕生は600万年前とも500万年前ともされるようになり、寒冷化が始まった時期が「第四紀」の基底とされる地層と一致しないことなどが判明。
時代区分を見直し、名前も変えるべきだなど、10年以上前から議論になっていた。
IUGSは開始をさかのぼらせたうえで、第四紀の名前は残すことを選択した。
260万年前は、南極圏に加え北極圏で大陸氷床、グリーンランドでも氷床が発達。
南北アメリカ大陸がつながって海流のルートが変わり、雨が増え、日射量が減って雪が増えたらしい。
寒冷化とともに中央アジアで乾燥が進んで砂漠が広がり、土砂が吹き飛ばされ、中国では黄土高原の堆積(たいせき)が始まる。
ヒマラヤ山脈が形成され、北から南へ冷たい空気が抜けなくなったと考えられる。
また、アフリカで誕生した人類が世界各地へと拡散する「出アフリカ」の第一波も、この時期とされる。
気候・環境の変動に対応して、食料の豊かな新たな生活の場を求めて歩き出したのだろうという。
「第四紀」の意味は、単なる「人類の時代」から、「人類が繁栄した時代」「人類が世界へと広がった時代」に変わった。
260万年前を画期とすることは、今日にまで続く地球環境の変化で「第四紀」を区切り直すことだ。
その背景について、日本第四紀学会長の遠藤邦彦日本大教授は
「氷期と間氷期を行き来し、気候変動を繰り返した「第四紀」の研究は、将来を見通すために重要だとの考えが根底にある」と解説する。
温暖化が進んだ先にあるのはどのような環境なのかを知る手がかりは、「第四紀」の歴史のなかにあるはずだという発想だ。
遠藤教授は
「はるか古い時代の歴史が、さらに古くなった。
それがどんな意味を持つのか、専門家以外には分かりにくいでしょう。
しかし、私たちは今、地球のどんな時代を生きているのだろうか。
その定義が新しくなったと考えて下さい」
と今回の決定の意味を説明する。
縄文時代も弥生時代も、古墳時代も、近年の研究で、始まりが更新された。
そして今回の「第四紀」。
単に数字だけではなく、どのような時代なのかという定義が問われたことも共通している。
環境の変化に敏感にならざるをえない時代状況のなか、歴史を見る新たな視点が求められていることの表れなのだろう。
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写真は同記事のもの。
「中国の黄土高原。
土砂の堆積が始まったのは、約260万年前で、寒冷化による第4期の始まりと一致する」という説明あり。
260万年前の風景を見ているのかと思うと、一人で感動しています。。
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第四紀は地質時代の一つで、258万8000年前から現在までの期間。
他の地質時代が生物相の大幅な変化(特に大量絶滅)を境界として定められたのに対し、第四紀は人類の時代という意味で決められた。
したがって、古人類学の進展に伴い次々に古い原人が発見されるとともに第四紀の始まる年代も変化していった。
現在ではヒト属の出現を基準とし、地質層序や気候変動を併用して決定している。
特徴
生物
• 人類の進化と繁栄の時代。
• 更新世末に、大規模な絶滅が起こった。
マンモスなど。
その他北米ではウマ、ラクダ、チーターなども絶滅している。
気候
• 高緯度の地域に、大陸並の規模の氷河が分布している。
• 氷期と間氷期を繰り返している。
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古人類学は形質人類学(自然人類学)から派生した学問領域で、特に霊長目内からヒト(ホモ・サピエンス)への進化の系譜の過程の解明を中心に、その過程にあったと思われるヒト科の生態を研究する学問。
広い意味では古生物学に属するが、古生物学と考古学の隙間を埋める学問ともいえる。
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