'07/03/23の朝刊記事から
東電福島原発 78年に「臨界事故」
報告制度制定前、日本初か
東京電力福島第一原子力発電所(福島県)3号機で1978年11月、定期検査中に制御棒が5本脱落していたことが22日、分かった。
同社は「現状の判断では、臨界というレベルに達していた」と認めた。
臨界は最大7時間半続いたとみられ、99年の北陸電力志賀原発1号機の事故よりはるかに早い、「日本初」の臨界事故だった可能性が高い。
原子炉等規制法に基づく報告制度は翌12月の制定で、当時、国への報告はなかった。
当時の日誌に記録はなく、時期が古いため記録も残っていなかったが、同社はOBやプラントメーカーなどに調査範囲を広げたところ、東芝から「制御棒が抜け落ち、(臨界を示す)中性子の増加が見られた」と記された技術者のメモが見つかった。
メモには、中性子モニターを書き写したグラフがあったため、詳細が判明。
退職した当時の当直員からも、状況を裏付ける証言が得られた。