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081027 アフガンへ 陸自派遣を 米が医療任務打診  日本は回答留保

2021-09-20 11:16:13 | 国際
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’08/10/27付朝刊記事から

アフガンへ 陸自派遣を 米が医療任務打診
 日本は回答留保


 【ワシントン26日共同】米政府が7月、アフガニスタン本土での「テロとの戦い」への貢献策として、陸上自衛隊を現地に派遣し、各国軍兵士らの治療など医療任務をできないか検討するよう日本側に要請していたことが26日までに分かった。
複数の日米関係筋が明らかにした。

 日本側は憲法上の制約などから慎重姿勢を示し、議論は事実上の棚上げ状態。
治安悪化が続くアフガンの情勢次第で米側が再考を求めてくる可能性もあり、日本政府が難しい対応を迫られる局面も予想される

 国防総省当局者は取材に対し「米国はアフガンでの取り組みを拡充させる。同盟国にも同様の行動を求めており、日本の(インド洋での給油活動以外の)追加的役割も歓迎する」と、実現に期待感を示した。




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 関係筋によると米側は、陸自医官らを中心とする医療部隊の編成を要望した。
陸自の大型輸送ヘリコプターCH47や航空自衛隊のC130輸送機で医療部隊を運び、米軍や国際治安支援部隊(ISAF)兵士らの治療に当たる任務を想定している。

 7月に訪日したウィルクス国防副次官補(中央アジア担当)が外務、防衛両省幹部らに持ち掛け、関係者の間で「空飛ぶ救急車」案と呼ばれた。
欧米は以前、日本に兵士や物資の輸送任務を求めたが、福田康夫前首相が断念。
医療任務はその代替案と位置づけられる。
自衛隊の活動地域を直接の戦闘地域から遠ざける配慮もうかがえる。

 ただ実現には新たな法整備が必要となる上、治療した兵士が再び戦場に戻って戦闘に参加すれば、憲法が禁じる「他国の武力行使との一体化」に抵触する恐れもあり、日本側は回答を留保した。




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各国のアフガニスタン派遣
 北大西洋条約機構(NATO)が指揮権を持ち、アフガニスタン本土で治安維持に当たる国際治安支援部隊(ISAF)の規模は約40カ国の計約5万人。うち英国は8300人、ドイツは3300人が参加。
米国はISAF要員と、米中枢同時テロへの反撃として始まった米軍主導の「不朽の自由作戦」(OEF)に合わせて3万3000人を派遣し、さらに最大5700人の増派を表明している。
ドイツも近く1000人を増派する。
海上自衛隊はOEFの一環として、テロ組織などの海上取り締まりに従事する各国艦船に燃料や水を無償で提供している。  (ワシントン共同)




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081026 海賊被害激増 ソマリア沖

2021-09-17 07:00:00 | 国防
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’08/10/26付朝刊記事から

海賊被害激増 ソマリア沖

 日本政府が海上自衛隊の艦艇派遣の検討に入ったアフリカ東部ソマリア沖で、海賊被害が激増の一途をたどっている。
現場海域の航行船の1割を占める日本関係船にも被害が続発。
内戦で無政府状態のソマリアには有効な対策を期待できず、関係国は出動軍艦を増やして警戒強化に乗り出している。

(カイロ・鄭真、シンガポール・斎藤正明)





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日本船 今年は7隻
 内戦で無政府状態に


  9日 貨物船が襲われ乗組員11人が船ごと連れ去られた。
 15日 乗組員21人の貨物船が乗っ取られた。
 16日 タンカーが襲撃されたが蛇行を繰り返して逃げ切った。


 国際海事局(IMB)海賊情報センター(クアラルンプール)には今月もソマリア周辺の海賊被害が続々と入っている。

 同センターが23日発表した統計によると、今年1ー9月にソマリア沖と同国北部アデン湾の海域で発生した海賊事件(未遂含む)は計63件で、前年同期比で27件増加。
世界全体の3分の1を占める。
日本船主協会(東京)の集計では今年、日本関係船7隻が襲われ、うち2隻が乗っ取られた。




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 アデン湾は欧州とアジアを結ぶスエズ運河につながり、年間2万隻以上が通過する。
約2千隻は日本企業が運行・所有する。

 海賊はトロール漁船などを母船に使い、数隻の高速ボートで船団を組む。
標的を定めるとボートで接近、自動小銃やロケット砲で攻撃しながら船に乗り込む。

 乗っ取られた船の大半はソマリア沿岸に係留されるが、「泊めてある場所が分かっても、ソマリアの取り締まりに期待できず手を出せない状態」(海賊対策の専門家)。
現在も10隻以上が捕えられ、約250人が人質になっている。
船主が支払った今年の身代金総額は、千8百万ー3千万ドル(約17億ー約28億円)と推計されている。




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 海賊激増の背景には、無政府状態に陥ったソマリアの国内情勢がある。
同国では1991年に内戦が発生。
2006年6月にイスラム原理主義勢力「イスラム法廷会議」が首都モガディシオを制圧したが半年後、エチオピア軍の支援を得た暫定政府が奪回した。
その後も双方の戦闘が続いている。

 国が崩壊し職を失った若者たちが「もうかる仕事」と飛びついたのが海賊行為。
事情に詳しいケニアの船員支援団体幹部は「海賊たちは手に入れた身代金で、別荘を建てるなど好き放題の暮らしをしている」と話す。
イスラム過激派との接触も指摘されている。

 国連安全保障理事会は今月7日、軍艦派遣などを加盟各国に求める決議を全会一致で採択した。
これまでも米英軍などの艦船が周辺海域で監視に当たってきたが、北大西洋条約機構(NATO)は10月中にも艦船7隻を新たに配備。
欧州連合(EU)も軍事合同作戦に着手する。




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 海自艦派遣問題は今国会でも論議されている。
海自艦を派遣して貨物船などを警備する場合、新法の制定などが必要となる上、憲法の制約を受ける武器使用基準の見直しも大きな課題となる。




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081026 県警差し押さえ 米軍が同意せず  沖縄の不時着機

2021-09-13 10:30:46 | 国防
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’08/10/26付朝刊記事から

県警差し押さえ 米軍が同意せず
 沖縄の不時着機


 米軍人4人が乗り、24日に沖縄県名護市のサトウキビ畑に不時着し炎上した軽飛行機について、沖縄県警は25日、米軍と合同で現場検証した。
軽飛行機は軍用機でないが、米軍所有だったことが判明。
県警は機体を差し押さえようとしたが米軍側は同意せず、米軍が解体して米軍嘉手納基地に運び、管理するという。




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 沖縄県は同日、米軍に再発防止や捜査への協力、事故原因の究明と公表を要請した。

 日米地位協定に伴う刑事特別法の規定で、米軍財産の捜索や差し押さえには米軍側の同意が必要。
県警は航空危険行為処罰法違反容疑でパイロット(45)の立件を目指し、フライトレコーダー(飛行記録装置)などの提出を求める方針だが、対応次第では捜査が難航する可能性もある。

 県警の調べでは、事故直後、乗員の1人が駆け付けた警察官に「燃料が切れたかもしれない」と告げている。
嘉手納基地報道部は25日、「奄美空港で補給した」と発表したが、同空港の給油所の担当者は「給油はしてない。記録もない」と話しており、食い違いもみられる。





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081024 マグロ漁獲規制強化へ  フィリピンなど6カ国計画策定で合意

2021-09-08 11:37:11 | 国際
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’08/10/24 付朝刊記事から

マグロ漁獲規制強化へ
 フィリピンなど6カ国計画策定で合意


 【マニラ23日共同】東南アジアとオセアニアにまたがる海域の沿岸6カ国は23日、マニラで高級事務レベル会合を開催、マグロなどの海洋資源を保護するため、漁獲規制強化に向け行動計画を策定することで基本合意した。
来年5月の首脳会議で採択を目指す。

 同海域は「コーラルトライアングル」と呼ばれ、豊かな生態系で知られる。
日本が大量消費するメバチマグロの主要漁場で、漁獲規制の強化は日本の消費にも影響しそうだ

 6カ国はフィリピン、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、東ティモール、ソロモン諸島。




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 共同通信が入手した行動計画案によると、乱獲や気候変動などによって漁業資源が激減する恐れがあるとし、特にマグロについては、資源管理のための委員会を新設、国別の漁獲規制などを検討する。

 世界自然保護基金(WWF)によると、2005年のメバチマグロの漁獲量は日本が最多。
輸入量も多く、最大の消費国となっている。
大西洋と地中海では高級品のクロマグロが激減、漁獲規制も強まっており、各国のマグロ漁船がコーラルトライアングルに操業の場を移す懸念がある

 会合当局者によると、コーラルトライアングルには、世界のサンゴ礁の約3分の1が集中する。




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コーラルトライアングル
 南西太平洋からセレベス海、ソロモン海などにかけての約570万平方キロの海域を指し、直訳すると「サンゴの三角形」。
総面積は日本の15倍以上に相当する。
メバチマグロをはじめとする、さまざまな魚の好漁場になっており、世界自然保護基金(WWF)によると、サンゴ礁を形成する600種以上のサンゴや、約3000種の魚類が生息する。 (共同)




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