'08/11/18の朝刊記事から
海賊、タンカー乗っ取り
ケニア沖 原油200万バレル運搬中
【カイロ17日共同】米海軍第五艦隊(司令部・バーレーン)の報道官は17日、ケニア沖でサウジアラビア国営石油会社サウジ・アラムコ所有の大型石油タンカー「シリウス・スター」が、15日に海賊に襲われ乗っ取られたと明らかにした。
海賊はタンカーをソマリア沿岸に移動させた。
同船は全長330メートル、31万8千トンと空母級で、ロイター通信によると、サウジの1日の輸出量の4分の1を超す原油200万バレルを運搬していた。
米海軍当局者は英BBC放送に対し、付近海域で海賊被害に遭った最大の船だと語った。
周辺海域では海賊事件が多発しているが、ロイター通信によると石油タンカーが乗っ取られたのは初めて。
同船はリベリア船籍で、モンバサの南東沖約830キロの海域で乗っ取られた。
ケニア沖沖では日本時間14日、日本人船長が乗った漁船が海賊とみられるグループに乗っ取られる事件が起きたばかり。
'08/11/17の朝刊記事から
ソマリア沖乗っ取り
日本管理船も
東京の海運会社イイノマリンサービスは16日、同社が管理するパナマ船籍の貨物船「ケムスター ビーナス」がソマリア沖で乗っ取られたことを明らかにした。
乗組員は23人で、日本人はいないという。
韓国外交通商省によると、乗組員は船長を含む韓国人5人とフィリピン人18人。
海賊とみられる武装グループが日本時間15日夕、ソマリアの対岸にあるイエメン・アデンの東百数十キロ沖で乗っ取った。
同社によると、けが人がいるという情報はない。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある英国系機関から「(貨物船が)乗っ取られた」と同社に連絡があった。
犯人から直接の接触は無い。
船は二万トン級で、インドネシアから欧州に向け、植物油を運んでいた。
ソマリア近海では海賊事件が多発しており、隣国ケニア沖では日本時間14日、沖縄県の久貝豊和さん(53)が船長を務める中国のマグロ漁船が海賊とみられるグループに乗っ取られている。(共同)
'08/11/15の朝刊記事から
「妊婦は自粛を」全酒類に表示へ
ドイツ 子に悪影響 調査が裏付け
【ウィーン14日石井群也】ドイツ保健省は、妊娠中の飲酒は胎児に知的障害などの悪影響を与える危険性が高いとして、妊婦に禁酒を勧告する「警告表示」をビールやワインなど全酒類のラベルに記すよう、来秋までに法律で義務付ける方針を固めた。
ベルリン大学シャリテ病院の調査で、妊婦の飲酒によってドイツ国内で毎年四千人の新生児が知的・発育障害を患っている可能性が高いことが分かった。
「知能指数(IQ)が70以下」「注意力が欠ける多動性障害がある」「身長が平均より25%以上低い」「歯や眼球などの発育障害がある」などの特徴すべてを満たすベルリン市内の子供たちを二十年間にわたって追跡調査。母親の飲酒歴を調べたところ、ほぼ100%が妊娠中に毎日ワインをグラス一杯以上、またはビールを五百ミリリットル以上飲んでいた。
同病院は「妊娠後十二週間以内の飲酒は特に危険で、週一回の飲酒でも胎児への影響がある」と指摘。保健省は「妊婦の八割が何らかの飲酒をしていたとの調査もあり、早急な対応が必要」と説明しているが、ビール業界から早くも反対の声が上がっている。
妊娠中や授乳期の飲酒が子供の発育に悪影響を与えるとの報告は各国で相次ぎ、日本は2004年から、大手ビールメーカーなどが自主的に妊婦の飲酒自粛を求めるラベル表示を行っている。フランスではワイン協会との論争の末、〇六年十月から警告表示を義務付けている。
'08/11/15の朝刊記事から
邦人船長漁船 乗っ取り
中国企業所属 ケニア沖、海賊襲撃
【北京、ナイロビ14日共同】中国の交通運輸省によると、アフリカ東部ケニア沖で、日本時間14日午前三時ごろ、日本人一人を含む二十四人が乗船した中国天津市「遠洋漁業」所属のマグロ漁船天祐8号が海賊とみられるグループに乗っ取られた。新華社電が伝えた。
'08/11/07の朝刊記事から
ダライ・ラマ側
中国が物別れ チベット自治問題
【北京6日共同】中国共産党は6日までに終了したチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ十四世の特使との対話で、現行のチベット自治区の統治制度は断固変えないと表明、変更を求めるダライ・ラマ側の要求を拒絶した。
国営通信、新華社が同日、伝えた。
チベット自治の在り方をめぐる双方の対立の溝は埋まらず、対話は完全に物別れに終わった。
チベット問題は3月のラサ暴動で国際的な関心が高まったが、進展が得られなかったことで、亡命チベット人社会ではダライ・ラマの対話路線に批判が強まる可能性がある。
対話継続の是非などについて亡命チベット人の代表らで協議する緊急会議が17日から、開かれる予定。
新華社によると、対話にはチベット問題を主管する統一戦線工作部の杜青林部長が出席。
杜部長は「中国は(少数)民族による地域自治制度を堅持する」と強調し「いかなる状況でもチベットの独立や半独立、形を変えた独立は認められない」と断言。
ダライ・ラマに対し、政治要求を根本的に改め、暴力活動の扇動やチベット独立画策の動きを支持しないよう警告した。
特使側の主張については明確に伝えられていないが、連邦制や香港式の「チベット民族による高度自治」を求めたもようだ。