Con Gas, Sin Hielo

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「ザマミー/呪われた砂漠の王女」

2017年08月05日 21時11分57秒 | 映画(2017)
呪われたのは王女ではなくトム。


世の中は夏休み真っ盛りなのだが、どうにも映画館まで足を運んで観たいと思うような映画がない。

いわゆる「大作」や子供向け作品が増える時期としてありがちではあるのだが、あまり映画館から離れると予告篇の情報も入らなくなってしまうので、ひとまず何か観ることにした。

この"The Mummy"。事前情報として持っていたのは、まずユニバーサル映画が新たに立ち上げた「ダークユニバース」プロジェクトの第1弾であるということ。

主演に天下のT.クルーズを起用しているのだから、それはもうマーベルに追い付け追い越せという気合が伝わってくるというもの。

しかし、北米興行ではマーベルに後れを取っているDCコミックスの「ワンダーウーマン」の後塵を拝してしまったらしい。ひょっとして期待外れなのか?という不安が募る。

更にもう一つ。本作はかつて大ヒットした「ハムナプトラ」シリーズのリブートでもあるということ。あれも原題は"The Mummy"で当時は「ハムナプトラって何?」と思ったものだ。

もう20年前になるのだろうか。「X-MEN」や「スパイダーマン」が世に出る少し前であり、どちらかと言えば「レイダース」あたりからの冒険活劇に連なる系譜の作品だった記憶がある。

果たしてそれを現代の潮流を意識した中でどう作り変えたのかが関心の中心であった。

リブートと言いながらも、本作は登場人物もストーリーもまったく異なる。古代エジプトのミイラが蘇るという点だけだったら、わざわざリブート扱いする必要ないのにと思ったほどだ。

T.クルーズ演じるニックは、軍隊に属しながら行く先々で盗みを働いては売りさばいて小銭を稼ぐという、ヒーロー像とは離れた小物感漂う男。

そんな彼が古の宝と思い手を出してしまったのが、かつて王位を巡って邪悪な悪魔に魂を売った王女アマネットのミイラであった。

アクションのテンポは悪くないし、T.クルーズのいつもと違った役柄もそれなりに新鮮味を持って見られる。途中で幽霊になってしまう相棒ヴェイルのキャラクターも良い。

ただ、やはりもう一つ何かが足りないという印象は拭えない。それはおそらく本作の看板となるシーンがないことではないだろうか。

「ハムナプトラ」と言えば、砂漠の砂が顔になって襲ってきたり、洞窟の奥からスカラベという虫がうじゃうじゃ湧いてきたり、今でも思い出せる象徴的なひとコマがある。

映像技術が進んできた中で見たこともない斬新な映像を作るというのは相当難題ではあるが、そこを超えてこそドル箱シリーズへの道が拓かれるというものである。

ヒロインにあまり惹かれなかったのも残念な要素である。アマネットはミイラだから素顔が美女であってもどうにもならないし。

賛否両論はあるかもしれないが、R.クロウのジキル博士の活躍に期待するのが手っ取り早いのかもしれない。今後「ダークユニバース」ではドラキュラやフランケンシュタインなど誰もが知っているモンスターが登場する作品を作っていくらしい。

もはやauの三太郎のノリだが、それならそれであっと驚くようなものを見せてほしいところである。

(70点)
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