「~」は日常の間延びか、尾いてくる何かか。
V6の森田剛が殺人鬼を演じることで話題になっている本作。
元々彼に品行方正な印象はないので、まったくと言っていいほど違和感がない。言い換えれば、世間が言うほど彼の演技力を感じられるわけではない。
むしろ本作で際立つのは、彼の演技を含めて日常のすぐ傍に潜む狂気を自然に描いているところだろう。
その象徴が殺伐とした殺人と並行して繰り広げられる浜田岳とムロツヨシ中心のコミカルパートだ。
クレジットこそ森田がトップに来るが、本作の主役はまぎれもなく浜田演じる「岡田くん」である。彼の冴えなくも微笑ましい何気ない生活を時間を割いて映すことで森田演じる「森田くん」の近さと絶望の輪郭が明確になる仕組みだ。
恐怖が日常のすぐ傍にあると同時に、恐怖が生まれたきっかけもまた近くにある。高校の同級生であった「岡田くん」と「森田くん」の偶然の出遭いは、彼らの思い出を巻き戻すと同時に運命を早送りした。
壮絶なクライマックスを経て行き着いた「森田くん」の姿が限りなく痛々しい。
見た目だけではない。どうしてこんな悲劇が生まれてしまうのか。実話ではないにしろ、あり得ると感じさせるに十分な設定だから力がある。
前作「グラスホッパー」でも重要な役で存在感を示した佐津川愛美が今回も好演。三角関係の恋愛ドラマの中で、森田の狂気のスイッチを入れてしまうのは彼女だ。
100%被害者であることは間違いないが、その気がなくても周囲の男性を振り回してしまう女性。これもすぐそこにある恐怖かもしれない。
(75点)
V6の森田剛が殺人鬼を演じることで話題になっている本作。
元々彼に品行方正な印象はないので、まったくと言っていいほど違和感がない。言い換えれば、世間が言うほど彼の演技力を感じられるわけではない。
むしろ本作で際立つのは、彼の演技を含めて日常のすぐ傍に潜む狂気を自然に描いているところだろう。
その象徴が殺伐とした殺人と並行して繰り広げられる浜田岳とムロツヨシ中心のコミカルパートだ。
クレジットこそ森田がトップに来るが、本作の主役はまぎれもなく浜田演じる「岡田くん」である。彼の冴えなくも微笑ましい何気ない生活を時間を割いて映すことで森田演じる「森田くん」の近さと絶望の輪郭が明確になる仕組みだ。
恐怖が日常のすぐ傍にあると同時に、恐怖が生まれたきっかけもまた近くにある。高校の同級生であった「岡田くん」と「森田くん」の偶然の出遭いは、彼らの思い出を巻き戻すと同時に運命を早送りした。
壮絶なクライマックスを経て行き着いた「森田くん」の姿が限りなく痛々しい。
見た目だけではない。どうしてこんな悲劇が生まれてしまうのか。実話ではないにしろ、あり得ると感じさせるに十分な設定だから力がある。
前作「グラスホッパー」でも重要な役で存在感を示した佐津川愛美が今回も好演。三角関係の恋愛ドラマの中で、森田の狂気のスイッチを入れてしまうのは彼女だ。
100%被害者であることは間違いないが、その気がなくても周囲の男性を振り回してしまう女性。これもすぐそこにある恐怖かもしれない。
(75点)
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