Con Gas, Sin Hielo

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「LUCY/ルーシー」

2014年09月01日 09時49分21秒 | 映画(2014)
今までのS.ヨハンソンは10%しか機能していなかった?


S.ヨハンソンは「セクシー女優」と呼ばれることをいやがっているという報道を見たことがあるが、独立事象として彼女が「セクシー」であり「女優」であることは、ほぼ万人が疑うことのない事実だから仕方がないといえば仕方のないことである。

L.ベッソン監督の作品と聞いても動かない食指が、S.ヨハンソンが主演となると話が変わるのは正にそういうことで、特に主演女優を大きく際立たせる作品が多いイメージがあるので、なおのこと期待することになる。

話は、人間は脳の10%しか使っていないと、どこかで使われたことがあるようなネタを目一杯広げる。広げまくる。

脳の機能を引き出して仲間同士のコンタクトをとっているイルカの例に倣ったのか、S.ヨハンソン=LUCYがひとたび能力開花すると、彼女の細胞が活性化し自由に動き回るようになる。

物を操り、人を操り、ついには時間までも思いのままにできるという、一言で言えば荒唐無稽なのだが、事が巨大化し過ぎるとむしろ楽しくなってくるところが不思議だ。

さも真面目っぽく動物や自然の営みの映像を合間に挟んでくるのも、もっともらしいM.フリーマンの科学者も、確信犯以外の何物でもない潔さがかえって好感が持てた。

そして何よりLUCYである。

はじめは、お遊び気分で台北に来ていた大学生として登場。無防備ゆえに危ない組織の活動に巻き込まれてしまう。

予告や宣伝では覚醒した後の無敵LUCYしか見せていないが、ビフォー版のLUCYは思慮が浅く限りなく無力である。得体の知れないコリアンマフィアに怯える様子をしっかり植え付けておくことによって、後半のカタルシスは増加するし、多面的なS.ヨハンソンの姿を楽しむことができる。さすが女優の撮り方を熟知している。

体内に埋め込まれた薬物が漏れ出し、LUCYが発作に陥る渾身のひとりパフォーマンスを楽しんだ後は、いよいよ覚醒LUCYの誕生である。

存在がもはや神の領域へ向かうので、マフィアへの復讐は早々に済ませ、あとは時間との闘い、自分との闘いになる。落としどころは「まどか☆マギカ」風とも思えるが、悪くない。

セクシー女優を否定どころか、王道の作品と言えるだろう。

(75点)
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