Con Gas, Sin Hielo

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「超高速!参勤交代」

2014年09月07日 16時54分59秒 | 映画(2014)
重要なのは地方の元気。


時代劇と勧善懲悪は切っても切れない関係。かつてテレビのゴールデンタイムで流れていた時代劇ドラマはいずれも「正義が必ず勝つ」であった。

高齢者が相対的に増加する中で地上波のテレビが時代劇を流さなくなったのは不思議な気がする。年齢に関係なく、見てほっとできる時代劇はあってもいいと思うのだけど。

そんな現状を寂しく思っている人にはぴったりの作品かもしれない。

現在のいわき市の外れに位置する湯長谷藩。

農民はまじめに作物を作り、藩主は厳しい財政の中でも年貢を上げず質素倹約に勤しむ。藩士たちは武芸の鍛錬を怠らない一方で、明るさも失わない。

彼らに因縁を付けるのが江戸の家老。田舎を徹底的に差別し、自分の得点稼ぎのために地元に戻った湯長谷藩に再度の江戸詣でという無茶な用務を命じる。

善良+地方+貧乏という強力なコンボは、全篇を通して時には笑わせ、時にはほろっとさせる。

どの登場人物も愛すべきキャラクターだが、際立つのは西村雅彦演じる家老である。知恵者なのに切れ者には見えないのはご愛嬌。

しかしながら、彼が出す突拍子もないアイデアで少しずつ不可能を可能に近付けていく様は痛快だ。

最短距離を走る。余計な荷物は持たず、アリバイのための行列はチェックポイントのみ、しかも外注で。金がないなら頭を使えというのは、現代の地方活性化にも通じており、心憎い設定に感心しきり。

とってつけたようなヒロインや、すべて分かっていたらしい将軍など、首を傾げたくなる展開もところどころ見られたが、基本的にはこの先どうなるのかを肩肘張らずに楽しめる優良娯楽作品であった。

(80点)
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