Con Gas, Sin Hielo

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「X-MEN:フューチャー&パスト」

2014年06月28日 08時40分16秒 | 映画(2014)
ミュータント×タイムトラベル。


昨年、「ウルヴァリン:SAMURAI」がおもしろかったと書いてから他の人の記事を見たら、「ミュータントが少な過ぎてX-MENじゃない」という感想が多く、思わずはたと手を打った。

その点、今回はがっちり出てくる。それどころか、過去のシリーズに出てきたあの人この人まで登場してきて、シリーズをずっと観続けてきたごほうびをもらった感じだ。

出演者が豪華なだけではない。とにかく、限りなく拡がり続ける世界観に身を委ねる2時間余りがとてつもなく楽しかった。

ミュータントと人類の抗争だけでも見応えのある物語ができているところに、「ファーストジェネレーション」で本当の米国史を巧みに絡ませ、それを経ての今回の時代を超えたタイムトラベルである。普通の娯楽大作が3本分ぎっしり詰まったくらいの内容なのだ。

インタビューでH.ジャックマンが、「まさか7作もウルヴァリンを演じるとは思わなかった」と言っていたようだが、このシリーズ、その時々の演者の勢いを展開に反映させつつ話を繋げているところがまたおもしろい。

1作めでウルヴァリンと同様に主役級の扱いを受けていたのは、当時幼くしてアカデミー助演女優賞候補となったA.パキンだった。

その後、H.ベリーがオスカーを獲得すると1作めで脇役だったストームが活躍するようになり、今回は今まさに脂がのっているJ.ローレンスのミスティークが最重要ポイントになる。

一方で、A.パキンやH.ベリーも消えたわけではなく、ちゃんと今回も名前を連ねているところがうれしい。

そしてシリーズ永遠のライバル、チャールズとエリックの互いの歩んだ道のりに今回また新たな物語が追加された。

理想に大きな差異はなく互いを認め合う関係ながら、交差しては離れる運命の2人。

P.スチュワートI.マッケランはさすがに達観の域に達しつつあるようだが、代わりに70年代のJ.マカヴォイM.ファスベンダーが熱い。2人ともタイプは違えど、熱い心を持った強い眼力が素晴らしい。

そしてウルヴァリン。人生を救ってくれた恩師へのお返しに体当たりで臨む。

このミュータントの物語が秀逸なのは、それぞれの特殊能力が決して万能ではなく、それ故に悩み苦しみ、助け合って補って成長していく点にある。

過去に行って危機を摘み取る役目を務められるのがウルヴァリンしかいないなんて下りは涙ものである。

1点だけ下らないツッコミをすれば、チャールズが挫折する前に送り込んでいたら、もう少し円滑に事が運んだような気がするが、辻褄の合う説明はあったかな。

いずれにしても、今回の加筆と上書きでまた更に可能性が拡がった本シリーズ。最後の映像が意味するものは何なのか。すぐにでも続きが観たくて仕方がない。

(90点)
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