Con Gas, Sin Hielo

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「キャビン」

2013年03月14日 00時00分24秒 | 映画(2013)
愚者のパーティー。


単なるスプラッタムービーではありきたり。その裏にリアリティショーの要素を含めるのも賞味済み。

この作品はそれを超えたものを見せるよと、大胆不敵に言ってくるものだから見ないわけにはいかない。

ただ興味はあるものの期待はしていなかったというのが本音で、特に最近は、煽り文句とまったく違う内容のものを見せられる場合も多く、まあ話のタネにでもなればと軽い気持ちで観に行った。

結果からすれば、それが良かったのかもしれない。

案の定、物語の核となる存在は、言ってみれば飛び道具のようで意外性も面白味もなかったのだが、展開と画はかなり楽しめた。

まず舞台装置の裏側から入る冒頭。もったいぶったりしません。というより、こちらがメインですよと分かりやすく示している。

生け贄となる若者5人。多過ぎも少な過ぎもしない人数、極力余計な描写を省いてさくさくと山小屋へご案内。

法や道徳に反しない範囲で、生け贄たちの運命の選択をサポートする裏側のスタッフたち。とはいえそんなの詭弁でしかないことが分かっているから、自らの罪を忘れるためにギャンブルやアルコールに走る。

理不尽な仕事に耐える姿はあまりに普通で愚かな人間だ。ボスがお喜びになるからと続ける健気な努力。しかし、女性が胸をはだけるようなB級ドラマ仕立てを好むって、古い力というより古いおっさんに近い。

定番の流れに沿ってヒロイン以外の生け贄が一人ずつ消されていくところで、おそらくこの映画で最大の意外性が炸裂する。まさかの設定キャラの活躍だ。

後になって予告映像を見るとしっかりネタバレされてしまっているのだが、真剣に見ていなかっただけにこれは驚いた。とともにやるじゃんと思った。

愚かな人間を生け贄にして巨大な力を鎮めようとした愚かなスタッフは、重ねてきた愚かさの分だけ壮大に砕け散る。

モンスターやクリーチャーの展覧会とでも言おうか。エレベータで順番にご案内というコミカルな画の後はやりたい放題。

残酷な場面なのに、悲惨と言うよりは愚かさ故に滑稽さが際立つ不思議な展開。最後もあっさり。B級ならではの力技に清々しさを覚えた。

(80点)
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2 コメント

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Unknown (mig)
2013-03-15 01:55:23
こんばんは☆
よくぞみてくれましたね! 笑
なんかクラムさんがホラーってイメージなかったので
楽しんだようで、製作側ではないけど嬉しいです 笑
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守備範囲は広く (クラム)
2013-03-16 22:53:37
migさん、こんばんは。

結構ホラー好きですよ。
子供のころ、「ゾンビ」の予告CM見てトラウマになりかけましたが、
最近は麻痺しました。慣れました。
最近チラシでもらった「死霊のはらわた」はどうでしょうね。
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