残された人は、引きずられて振り回されて。
評価が高い人もいるので、言ってしまえば個人的な好みの問題なのだろう。この話は合わなかった。
毎度のこととして、登場人物に感情移入ができるかという尺度がある。本作では、生徒だけではなく大人の側も多くの人が出てくるが、残念ながら誰にも惹かれることはなかった。
法廷ものには過去に名作が多く、言ってみれば外れがないジャンルだ。
本作では、前篇で様々な立場として描かれた人たちが、一転して同じ証言台に立ち自分の思いを述懐するのだが、異なるキャラクターがそれぞれに見せ場を作っており興味深い。
事を収められずに引責した前校長へ感謝の言葉が贈られる場面は感動的だったし、この期に及んで責任転嫁に終始する生徒に場内が騒然となる場面も見応えがあった。
しかし決定的に問題だったのは、真実とそこに至る過程の描き方である。
学校内裁判の最終日、弁護側の提案により2名の証人尋問が追加になる。
1人は電器屋の主人。犠牲者である柏木の自宅の通話記録から、事件の真相を知る人物が電話をかけた現場に居合わせたということらしい。
そしてもう1人が、その電器屋に姿を見られた人物なのだが…。
このキーパーソンを軸に話を遡っていくと、あーそういうことだったのか、よくできてるね…とは決してならない。
彼(男子である。ネタバレ?)が裁判を仕掛けた時点で、通話記録から電器屋へたどり着くことを予想し得たか?高齢の電器屋が半年以上前に一瞬見た子供の顔を憶えている保証はあったか?
ミステリーの核心がこの程度な上に、嫌悪感を上塗りしたのは、柏木の面倒臭い性格だった。
思春期が面倒臭いのは当然だとしても、他者を偽善者呼ばわりで攻撃しまくる姿しか映されないから、じゃあこの男子をどう扱えばよかったのか解答が皆無なのである。
裁判を乗り越えた生徒たちはこれから成長できるけど、浮かばれないのは巻き添えで犠牲になった松子ちゃんだ。
そう考えると、腹立たしさの方が先に来てしまう。中学生の気持ちを理解できないなんで、心が狭いですわね。
(50点)
評価が高い人もいるので、言ってしまえば個人的な好みの問題なのだろう。この話は合わなかった。
毎度のこととして、登場人物に感情移入ができるかという尺度がある。本作では、生徒だけではなく大人の側も多くの人が出てくるが、残念ながら誰にも惹かれることはなかった。
法廷ものには過去に名作が多く、言ってみれば外れがないジャンルだ。
本作では、前篇で様々な立場として描かれた人たちが、一転して同じ証言台に立ち自分の思いを述懐するのだが、異なるキャラクターがそれぞれに見せ場を作っており興味深い。
事を収められずに引責した前校長へ感謝の言葉が贈られる場面は感動的だったし、この期に及んで責任転嫁に終始する生徒に場内が騒然となる場面も見応えがあった。
しかし決定的に問題だったのは、真実とそこに至る過程の描き方である。
学校内裁判の最終日、弁護側の提案により2名の証人尋問が追加になる。
1人は電器屋の主人。犠牲者である柏木の自宅の通話記録から、事件の真相を知る人物が電話をかけた現場に居合わせたということらしい。
そしてもう1人が、その電器屋に姿を見られた人物なのだが…。
このキーパーソンを軸に話を遡っていくと、あーそういうことだったのか、よくできてるね…とは決してならない。
彼(男子である。ネタバレ?)が裁判を仕掛けた時点で、通話記録から電器屋へたどり着くことを予想し得たか?高齢の電器屋が半年以上前に一瞬見た子供の顔を憶えている保証はあったか?
ミステリーの核心がこの程度な上に、嫌悪感を上塗りしたのは、柏木の面倒臭い性格だった。
思春期が面倒臭いのは当然だとしても、他者を偽善者呼ばわりで攻撃しまくる姿しか映されないから、じゃあこの男子をどう扱えばよかったのか解答が皆無なのである。
裁判を乗り越えた生徒たちはこれから成長できるけど、浮かばれないのは巻き添えで犠牲になった松子ちゃんだ。
そう考えると、腹立たしさの方が先に来てしまう。中学生の気持ちを理解できないなんで、心が狭いですわね。
(50点)
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