Con Gas, Sin Hielo

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「ウォームボディーズ」

2013年09月28日 09時55分18秒 | 映画(2013)
ゾンビとお花畑。


最近はゾンビ映画を観る度に、ゾンビものの受けの広さ、可能性の大きさを言っている気がするが、今回もまた今までと違った切り口の作品となっている。

「ゾンビミーツガール」と恋愛モノであることが話題となっている本作。確かにそれもあるのだが、もう一つ意外だったのが、ゾンビ映画定番の終末観からの脱却である。

リビングデッドであろうが、ウィルス感染であろうが、一度ゾンビになったらどうしようもなく、とにかく広がりを押さえるだけの悲壮な闘いを強いられてきた人間が今回は一転する。

コメディであってもなかなか描けなかった、とことん楽天的なゾンビ映画だというのが素直な感想である。

でも、いいじゃない。たまにはこんな作品があっても。

かわいくさわやかに、きれいごとを確信的に並べるのって、ちょっとダサくて恥づかしい部分があるけど、そういうことが必要な気分や時間は必ずあるから。

最近の潮流であるウィルス感染ゾンビであれば、感染の度合いの重みによって回復の可能性があるという設定も、まったくの的外れというわけではない。

手をつなぐことで感じる体温が、心と体に染み入って少しずつ変化していくなんていい話だ。

うめき声から少しずつ語彙を取り戻す過程も微笑ましい。のろのろとした動きも病気によるものだとすれば、リハビリの手を差し伸べてあげるのは自然な話。

随所に流れる80年代音楽がまたほのぼのとさせてくれる。こうなるとゾンビ映画というよりは、ゾンビ設定を添え物にした恋愛映画と言う方がしっくりくるだろう。

(70点)
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