世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

こういうのが世論調査というもの 今回の朝日新聞の調査は多少役立った

2011年09月10日 | 日記
百年に一度の危機から日本経済を救う会議
高橋 洋一,長谷川 幸洋
PHP研究所

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こういうのが世論調査というもの 今回の朝日新聞の調査は多少役立った


 朝日新聞が全社を挙げて「脱原発」に論調を変えた結果だろうが、こう云う調査なら、電話調査などではなく、個別面接で充分なる調査を展開して欲しかった。少なくと「復興構想会議」のような増税ありき、被災者を一束にした議論等々、陳腐な復興構想を野田政権が生み出さないことを心より祈っている。 基本的に国家が出来ることは、最低限のインフラだ。個人が海辺に再び住むことも、高台に住むことも、常に選択の自由が残る復興のガイドラインを作るべきで、国家が居住地を指定するような事は、極力避けるのが民主主義、自由主義の基本であり、憲法でも保証されている。

  火山の煙を毎日眺めるのが好きな人が、火山の近くに土地を買い、家を立て棲んだとしても、なんびともそれを止めることは出来ない。勿論、火山噴火の危険性が増加した時に、危険を知らせる義務はあるが、強制退去させることが正しいのかどうかは、意見の別れるところである。個人により、己の生命への固執と日常の変化を嫌うことと、まったく持って個々人が持つ哲学の違いであり、行政が立ち入るべきかどうかは、議論の余地が多い。勿論自己責任は付き纏う。

  筆者が三陸の漁師であったなら、間違いなく海辺に再び棲むだろう。潮騒の音を聞き、生まれ育ったのだ。今さら波の音も潮の匂いも希薄な地に住もうとは思わない。海から逃げるような後ろめたさも大いに感じる。海と運命を共にする方が日常を変える度合いが少ないからだ。勿論、再び津波が押し寄せた時、飲み込まれるかもしれない。座して死を待つ積りはないが、だからといって生活の質を変えようとは思わない。山から通勤する漁師?気分的にはフザケルナ!である。

 勿論、最悪逃げ遅れた時の避難用に堅牢な7階建てのビルくらいは用意しておいて欲しいものだ。100年、1000年に一度の津波の為に生活の質を変える気にはなれない。これらすべては、各住民の個別のプライベートな意志であり、それが尊重される事が望ましい。

 今回の朝日の調査から漏れていて残念なのが、世代別と云うか、家族構成別の調査なのだろう。30代子供二人の核家族的家庭と70代夫婦の家庭と20代の単身者、或いはそのすべてが同居する大家族。これらの要因によっても、判断は影響を受けることになる。

 ただ、今回の調査で明確なことが言い切れないのが、福島県のデータである。80%の人々が長期戦でしか「元の暮らしに戻れない」と覚悟していることだ。政府や学者で朝日がん大賞とかを受賞した山下何とかと云うトンデモナイ学者の意見を悉く無視している実情が明確に出ている。

 最近では「除染除染」がブームになっているが拙コラム8月26日「放射能被曝を除染レベルで議論するナンセンス 希望と真実は別物だろう」でも触れたが、やらないよりはマシなレベルであり、放射能汚染問題を一気に解決するような魔法の掃除機ではないのだ。意外に福島の被災者の方々が聡明な眼を持っている事に、幾分安心を抱いている。

 NHK、読売、各テレビ局は未だに「除染」を原発問題の究極の解決法のような扱いで報道し、福島第一原発の2号機3号機の核燃料が何処にあるのかさえ判らないのに、如何にも100度以下で安定している。溶融した燃料が何処にあるかも判らずに、冷えてる冷えてる、あの汚染水循環冷却システムも、謂わば付焼刃の苦肉の策。根源的冷温停止とは関わりがないのに、如何にもその方向に向かっているような報道を続けている。

  しかし、事実を肌で感じている原発により避難を余儀なくされた人々は聡明にして賢明、せめても救いである。政府はこのようなパニックを起こさず、冷静に事実を見つめる人々に、誠実に対応する器量があるかどうか、国家の損失とか経済合理主義では説明のつかない犯罪を犯すべきではないと思うのだが、野田総理はどのような指導力を発揮するのだろう。アノ菅直人も最後には「脱原発」と叫んだ意味合いを深く調べた方が身の為ではないのか?

≪福島県民「移住したい」34% 被災3県世論調査
 東日本大震災の発生から半年を迎えるのに合わせ、朝日新聞社は岩手、宮城、福島の3県で各県のテレビ朝日系放送局と共同世論調査(電話)を行い、震災に 対する見方や放射性物質への不安などを探った。このうち福島の調査では、放射性物質への不安から、3人に1人が「できれば移り住みたい」と答えた。
 原発事故による放射性物質への不安では「あなたや家族に与える影響について、どの程度不安を感じているか」と4択で尋ねた。「大いに感じている」は岩手 32%、宮城34%に対して福島は54%に上る。
 福島県民だけに「放射性物質による被害を避けるため、県外や放射線量の少ない地域へ、できれば移り住みたいか」と聞くと、34%が「移り住みたい」と回 答。中学生以下の子供がいる家庭では51%に及ぶ。
*元の暮らしが出来るのは?
岩手(3年以内:3%、5年以内:14%、10年以内:39%、10年より先:39%)
宮城(3年以内:4%、5年以内:15%、10年以内:39%、10年より先:38%)
福島(3年以内:3%、5年以内:5%、10年以内:19%、10年より先:68%)
*グラフ参照≫(朝日新聞)


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