世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

真実を語ってはいけない、美談と笑顔でトモダチ 善人面の悪人が跋扈する

2011年09月11日 | 日記
善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学 (角川oneテーマ21)
中島 義道
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真実を語ってはいけない、美談と笑顔でトモダチ 善人面の悪人が跋扈する


 昨年秋の菅vs小沢の民主党代表選で菅側の実質的事務局長を務めた男に天罰が下った。単純に鉢呂の不用意発言が命とりなわけで、同情の余地はない。鉢呂がどれ程政治家として生き残りに必死だったとしても、節操を持たず、鈴木宗男や小沢一郎を見限り裏切ってきた汚点に、更なる汚点が加わった。農協勤務の経験があり、旧社会党系議員であるなど、単なる陣笠勝ち馬主義者の議員と云うことだろう。

 ただ、この鉢呂が今回辞任に追い込まれた、「死のまち」発言の何処が悪いのか、筆者には見当がつかない。住んでいる人が追い出され、野犬化したペットや牛馬すら居なくなった「まち」は正にゴーストタウンさながらだったに違いない。彼は事実を事実のまま言葉にしたに過ぎない。誰がそんな町や村を出現させたかが問題であり、視察の大臣が本当のことを発言して非難されるのは、お門違いと云うとだ。心ない発言と云うのは「もうすぐ帰れますから、頑張ってください」と、あり得ない嘘を笑顔で語る人々の事を指す。

 このような日本のマスメディアの報道姿勢、与野党の政治家を通して言える「美辞麗句」を多用する社会的風潮は、極めて危険なのだ。クリーンだ、透明だ。人に優しい、みんなで分かち合い、みんなで和やか、みんなで助けあい、みんなトモダチ…」。怪しいと思わないところがとても面白い。以前、保育園の花壇に咲くバラの棘を全部抜いて安全だと歓んだ母親らがいたと云う話を聞いたが、それが子供に優しい、と思うところが日本の欺瞞に満ちた隠ぺい体質を現している。

 最近のNHKなどは、半年を迎えた被災者の絆、助けあいの精神、立ち直る祭りの復興等などと、口触りの良い報道に努めているようだが、それで被災者個々人が本当に、明日、5年後、10年後を展望できるのか?なんでもかんでも、「みんな皆」勘弁してくれよ。被災者だって個性があり、個別の思いを抱えている、それこそが問題なのだろう。纏めて束にして答えを求める社会はファッショの前兆だとも思うのは筆者だけか?

 鉢呂はお調子者で、馬鹿でズルイ政治家だろうから、彼の行く末などどうでも良いが、原発推進派や経産省にとって迷惑な存在だったことを見逃すのは思慮が無さ過ぎる。北海道の農業をバックに当選している以上、反TPP議員であったろうし、明らかに反原発発言が際立っていた。筆者は「死のまち」発言は、その通りなのだから、何ら問題はない。このような「まち」の出現を二度と許す事は国家の恥だ。良いんじゃない?石原自民党幹事長“万死に値する”、完全な馬鹿だね。自民党も執行部替えた方が身の為ですよ。心があろうがなかろうが、事実は事実なんだよね。昨日の朝日の福島原発避難住民の調査でも、10年以上帰れそうもない現実は既に自明なのだ。騙せていると思い込んでいるのは、政府・経団連・読売・産経・福島県知事と山下100シーベルト男だけのなど。もう喜劇と言うしかない。

 このような日本的「美名の悪徳」は、此処10年くらいマスメディアを通じて顕著になっている。嫌煙ファッショもその流れを加速した。善良な口利きをすれば、クリーンだ、透明だ。人に優しい、みんなで分かち合い、みんなで和やか、みんなで助けあい、みんなトモダチ…、すべてOK。最も素晴らしい政治家の実例が厚労相の小宮山洋子だ。あの垂れ目の男殺しが「日本的美名の悪徳」と云うことだ。小宮山洋子と云う議員の事で多くを語る気にはなれないが、皆さまが夫々検索してみれば、どのような人物であるか自ずと答えを出すであろう。人は「悪」の露見を隠ぺいしようと笑顔を見せる癖あり。危険な目に遭わない為に柔和なフリもする。善人ぶった悪人に注意せよ!

 結局、鉢呂は「死のまち」発言を謝り撤回した時点で終わったのだ。ゴースト・タウンと云う言葉を持ち出し、強行に自説、ファースト・インスピレーションを主張すればそれで良いのだ。オフレコの言った言わないの方が問題だったろう。鉢呂は一人で、相手は経産省記者クラブの面々だ。口裏を合わせられたらアウトなのだから。まぁこうやって瑣末の発言が一たび出れば、次々の内閣の辞任劇が勃発しそうな按配だ。逆にいうと、各大臣は各省庁の「ご説明通り」の発言に終始することになるだろう。ビバ!霞が関、ビバ!記者クラブだ。

 腹に一物ある閣僚は、口を利かないことだ(笑)眼で記者を睨むだけで良い。小沢一郎の気持が少しは判っただろうか(笑)おそらく野田内閣の閣僚には、ぶらさがりにおける寡黙命令が出るに違いない。頼むから、来年の春までは野田君、増税論争で党内をグチャグチャにしたまで構わんから、持ちこたえてくれよ。民主党政権での真打・小沢一郎の出番がなくなってしまう。

善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか―救心録
曽野 綾子
祥伝社


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