エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

最高の勲章

2015-12-23 07:52:31 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
嵐を呼ぶ女:ウソやゴマカシより暴力の方がまし
  一見引っ込み思案な女の子。それは「分かってもらったり」、「優しくしてもらったり」した経験があまりも乏しいから。本当に理解してもらったり、真に優しくしてもらった...
 

 

 モラトリアムの時期は、上へ下への大騒ぎになることが普通です。傍目からは、何にもしていない場合でも、心の中では、上へ下への大騒ぎであることも少なくありません。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p100の、下から4行目途中から。

 

 

 

 

 

計画的に遅れが出ることに、進歩的な論理があるのは、青年期は、人々の間で自分を確かにさせることが出来る時期だという事実において、明らかになります。それは、その大枠が「堅信礼」ばかりではなくて、初めての友情や、初めての恋愛、初めての協力関係、初めて共通の価値を基にする仲間関係など、あらゆる秩序に、次第にのめりこむことに、人々の間で自分を確かにさせることが、出てきます。ピーター・ブロスが強調してやまないのは、発達の視点から退行する点ばかりではなくて、「2度目の誕生」です。第2の誕生に見合う感情転移について、青年期のクライアントが、いかに「『能動的に』、親を選び直そうとし続けるか、そうして、青年期のクライアントは、分析家を、実感のある親みたいな人と見立てることを通して、古い脚本を、全く新しい脚本に作り直すのか」を、ブロスは説いています。

 

 

 

 

 

 臨床家が、心で、ブロスが、そして、エリクソンが言っているように、親替えに立ち会うことほど、感動的なことはありませんね。そうすると、さえない表情であった子どもも、物憂げであった子どもも、不満タラタラだった子どもも、実にイキイキ、ピチピチとした笑顔を見せますからね。このイキイキ、ピチピチの笑顔こそ、サイコセラピストの最高の勲章と言えるでしょう。


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