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●「ミスター通産省」と「ミスター文科省」: 「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪められた」

2017年06月03日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017052602000142.html)。

 《高度経済成長を支えた官僚らの姿を活写した城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』の主人公・風越信吾は、巧みに天下り先まで見つけて人心を握り、「ミスター通産省」と呼ばれた男だ。…「ミスター文科省」…「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪(ゆが)められた」と衝撃の告白…ぜひ、国会で真相を語っていただきたいが、自民党は国会への参考人招致を拒んでいるという。それがまっとうな政治なのか》。

   『●『官僚たちの夏』読了
    「「ミスター通産省」こと、風越信吾佐橋滋さんがモデル)。
     …《…風越は自分からは決して主計局に出向かなかったし、
     もちろん頭を下げることもしない。「予算は国の金だ。
     主計局の連中の金じゃない。…」》」

 小説の中の「ミスター通産省風越信吾は「予算は国の金だ。主計局の連中の金じゃない」と言っています。そう、アベ様やそのオトモダチ、オトモダチのオトモダチの《連中の金じゃない》。
 《「ミスター文科省」…「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪(ゆが)められた」と衝撃の告白》しました。もう十分でしょう。大見得・啖呵を有言実行すべき秋…アベ様曰く、《私や妻が関係…総理大臣も国会議員も辞める》。

   『●戦争で唯一得た平和憲法を壊憲…
     「日本は自由と民主主義を失うだけで、代わりに得るものは何もない」
    「高橋乗宣さんのコラム【日本経済一歩先の真相/失われる戦後遺産…
     9条改変でこの国は世界から孤立する】…。
     …城山三郎さん曰く、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを
     失ってしまった。唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》」

 余談ですが、「ミスター通産省」佐橋滋さんは「最後まで非武装中立を主張しつづけた」「武装をしていれば安全かという反問」「非武装平和」を語っていたそうです。99条を無視し、市民への、アベ様らの壊憲の押し付けを、佐橋滋さんや城山三郎さんが生きておられれば呆れ果てられたことでしょう。狂った世。

   『●『城山三郎の昭和』読了(2/3)
    「「城山は佐橋の徹底した平和主義にも惹かれていた…」。
     『官僚たちの夏』の”風越信吾”こと佐橋滋武装をしていれば安全か
     という反問。軍隊経験のある佐橋さんや城山さんの徹底した平和主義
     それに対して”青年将校”中曽根のタカ派志向」

   『●『創(2009年8月号)』読了(1/2)
    「佐橋滋は「パブリックマインドに溢れ」、最後まで非武装中立
     主張しつづけた。城山三郎の『官僚たちの夏』(新潮文庫)の
     主人公のモデルである佐橋は、そのため、多くの財界人から
     敬遠されたのである。それでもその旗を降ろさなかった」

   『●『ニセ札はなぜ通用しないのか?』読了
    《〝ミスター通産省〟と呼ばれた人物です。…一方で、
     通産省職員の労働組合の委員長をつとめ、官僚制の民主化を
     試みました。…官僚のトップであるにもかかわらず、佐橋は
     「非武装平和」を主張したが、対談の席で、佐橋はその思想を
     久野の平和論に学んだと言っていた》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017052602000142.html

【コラム】
筆洗
2017年5月26日

 高度経済成長を支えた官僚らの姿を活写した城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』の主人公・風越(かざごし)信吾は、巧みに天下り先まで見つけて人心を握り、「ミスター通産省」と呼ばれた男だ▼「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」と公言し、官邸の意向に歯向かい左遷されたこともある▼国会運営に行き詰まり解散総選挙に打って出ようとした首相に、紙の供給を担当する課長として「総選挙をやられるとしても、そのため必要な紙の割当は、一切いたしません」と直言した。総選挙には膨大な紙が必要だが、一内閣の延命のために学用品などに回す紙を犠牲にしてはスジが通らぬと信念を貫いたからだ▼文部科学省前次官の前川喜平氏も、今は禁じ手の天下り問題で処分されたくらい部下の面倒見がよく、「ミスター文科省」と評されたという。ただ、小説の主人公とは違い、役人としてのスジを通せなかったと悔いておられる▼安倍首相の友人が理事長を務める学校法人の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪(ゆが)められた」と衝撃の告白をしたのだ▼自身の力不足のために「まっとうな行政に戻すことができなかった」とも言っている。ぜひ、国会で真相を語っていただきたいが、自民党は国会への参考人招致を拒んでいるという。それがまっとうな政治なのか
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●『創(2009年8月号)』読了(1/2)

2009年08月31日 07時54分37秒 | Weblog

『創』(2009年8月号)、8月に読了。

 佐藤秀峰氏インタビュー。

 浅野健一教授による「「足利事件」冤罪の責任はマスコミも問われるべきだ」(pp.44-53)。「マスコミは、被疑者が警察に逮捕されると「ペンを持ったおまわりさん」、判決が出ると「ペンを持った裁判官」、無罪が確定すると「ペンを持った弁護団長」になる」。富山・氷見の冤罪被害者、柳原浩さん。

 佐高信さん「筆刀両断!/憲法を変えて重武装なる妄言 宮台真司」(pp.74-75)。「・・・佐橋滋は「パブリックマインドに溢れ」、最後まで非武装中立を主張しつづけた。城山三郎の『官僚たちの夏』(新潮文庫)の主人公のモデルである佐橋は、そのため、多くの財界人から敬遠されたのである。それでもその旗を降ろさなかった。佐橋こそ、宮台が見当違いに持ちあげているゲバラのように「不合理への跳躍」を試みた人間ではなかったか。宮台が肯定的に取り上げている石原莞爾は、戦後、平和憲法を絶賛したのだが、宮台はそんなことも知らずに石原に言及したのだろう。無知は恐い。いや、オメデタイ。/「左かかった党派の人々」に嫌悪感を隠さない点では同じでも、辺見庸は憲法改変に待ったをかける。ひ弱な宮台とはそこが決定的に違うのである」。

 森達也さん「極私的メディア論/第45回 審査員と被写体 その1」(pp.84-87)。「・・・でも確実に劣化は進行する。・・・/1970年前後、・・・テレビ・ドキュメンタリーはとても刺激的だった。ドグマとしての公正中立不偏不党など誰も信じない。悪辣で主観的で自由奔放で、だからこそ豊かで真摯だった。・・・劣化はゆっくりと進行した。今ではもう、夕食のシーンなら食卓の上がモザイクだらけとなることは当たり前。外国人のコメントなら、翻訳テロップではなくてボイス・オーバーも当たり前。映像や音声に対するこだわりはほとんど消えた。」

 「対談 北尾トロ[フリーター]×阿曽山大噴火[大川興業] 裁判員制度本格スタートで裁判はどうなる!?」(pp.92-99)。「阿曽山 ・・・模擬裁判では・・・結果がバラバラだったんですよ。/北尾 ・・・最初に同じ事件でも結果が分かれたということで、裁判所が結果をオープンすることを躊躇したのかもね。でも模擬裁判最大の問題は死刑か無期か、という事例を一度も取り扱わなかったことですね」。
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