Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??

2016年10月14日 00時00分51秒 | Weblog


 東京新聞の宮尾幹成記者の記事【核燃運搬船 予算支出されず 過去経費100億円、実績4回の開栄丸】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016101002000116.html)。

   『●高速増殖炉もんじゅ…ニッポンでは、
       巨額の「エサ代」を支払い続けるつもりらしい
   『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と
                   …ドブガネという巨額の「エサ代」は続く
   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
      「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶
   『●「核発電は安い」と言っておきながら、
       「原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針」

 《船を所有する運送会社「原燃輸送」(東京都港区)が使用中止に反発している》。

 色んな核発電「麻薬」中毒患者が群がり続ける核燃料サイクル。「「開栄丸」という白い象」を飼い続けたいようです。そして、核燃料サイクルという超巨大な「ホワイト・エレファント」にもエサを与え続けたいようです。
 東京新聞のコラム【筆洗】によると、《白象は、普賢菩薩(ふげんぼさつ)をその背に乗せる霊獣》だそうです。そして、《しかし英語でホワイト・エレファントといえば「始末に困るもの、金のかかる厄介物」という意味になる》。

 東京新聞の記事【もんじゅの代わり、高速炉推進で一致 政府開発会議】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201610/CK2016100802000122.html)によると、《もんじゅ代わる高速炉開発…燃料の有効利用などの意義を確認して、開発を進めていくことで一致》。「ふげん(普賢)」「もんじゅ(文殊)」の次は何ですか? 「こくうぞう(虚空蔵)」「みろく(弥勒)」? あ~アホらしい、核発電「麻薬」患者達のやることときたら…。《衆生(しゅじょう)を導き、仏道を成就させようとする》菩薩とは対極の人たちで、「狂」っています。とても光がかれる道とは思えない。

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
      私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?
    《【コラム】筆洗…白象は、普賢菩薩(ふげんぼさつ)をその背に乗せる
     霊獣だ。しかし英語でホワイト・エレファントといえば
     「始末に困るもの、金のかかる厄介物」という意味になる》

 「原燃輸送株式会社 Nuclear Fuel Transport Company., Ltd.」のWP(http://www.nft.co.jp/aboutus/aboutus1.html)によると、会社の沿革などは以下の通り。

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沿革
  昭和48年4月11日
  三井物産(株)、三菱商事(株)および運輸4社により
  「株式会社エヌ・ティー・エス」設立

  昭和49年11月15日
  電力会社が参画し、株主として電力10社、商社5社、運輸5社の体制に改組

  昭和61年6月19日
  「原燃輸送株式会社」に社名変更

資本金
  16億円

株主構成
  電力10社 70%(9電力および日本原子力発電㈱)
  商社5社 20%(三井物産㈱、三菱商事㈱、伊藤忠商事㈱、丸紅㈱、
                         住友商事㈱)
  運輸5社 10%(日本通運㈱、㈱上組、山九㈱、㈱宇徳、㈱日立物流)

従業員
  150名(平成27年9月現在)

事業目的
  (1)放射性物質等の陸上・海上運送ならびにこれらに関する
    貨物運送取扱事業、船舶貸渡業等の事業
  (2)放射性物質等の輸送用機器および輸送手段の所有、
    運用ならびに賃貸

  (3)前各項にかかわる研究開発およびコンサルティング業務
  (4)損害保険代理業
  (5)前各項に関するいっさいの事業
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016101002000116.html

核燃運搬船 予算支出されず 過去経費100億円、実績4回の開栄丸
2016年10月10日 朝刊

     (使用済み核燃料運搬船「開栄丸」(原燃輸送のホームページより))

 輸送実績がほとんどないまま、巨額の維持費を国費で負担したことが問題視され、二〇一八年度までに使用を終える使用済み核燃料運搬船「開栄丸」を巡り、文部科学省の本年度関連経費六億円が支出できない状態であることが、自民党行政改革推進本部(本部長・河野太郎前行革担当相)の調べで分かった。同本部は船を所有する運送会社「原燃輸送」(東京都港区)が使用中止に反発しているためとみており、関係者に事情を聴いている。 (宮尾幹成

 開栄丸は、日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が、新型転換炉ふげん(福井県敦賀市、運転終了)の使用済み核燃料を東海村の再処理工場に運ぶため、〇六年に建造。所管する文科省は建造・維持費約二百八十五億円を二十六年かけて原燃輸送に支払う計画を立て、一四年度までに約百億円を支出したが、輸送実績は過去四回にとどまる。

 昨年十一月、予算の無駄を洗い出す政府の行政事業レビューで事業見直しを求められ、機構は今年二月、原燃輸送に二年後の使用停止を通知した。文科省は本年度予算で前年度の半額となる六億円を維持費などとして計上し、原燃輸送には人件費の大幅削減などを求めた。

 党行革本部の調べでは、原燃輸送は予算の受け取りを拒否した上、船員数などは従来の態勢を維持して使用停止に抵抗する姿勢をみせているという。秋本真利本部長補佐は「使用中止は正当な契約に基づくもの。原燃輸送の姿勢は問題」と指摘し、近く行う公開ヒアリングで取り上げる考えだ。

 原燃輸送は、本紙の取材に「契約上の事柄に関わるので答えられない」原子力研究機構は「先方と協議中で、現時点では答えられない」とコメントしている。


<原燃輸送> 日本で唯一の原子力関係物質の輸送を専門とする株式会社核燃料サイクルの一環となる原発から出た使用済み核燃料の輸送のほか、海外からのウラン輸送などを行う。商社と運輸の計6社が1973年に設立した会社が前身で、その後に電力会社10社も参画。86年に現在の社名となる。本店は東京都港区。 
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●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

2015年11月10日 00時00分53秒 | Weblog


東京新聞の記事【もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015110502000144.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015110502000157.html)。

 《▼さらに大きな白い象は、文殊菩薩から名をいただいた高速増殖原型炉「もんじゅ」だ。こちらは二十年前に深刻な事故を起こして以来、ほとんど動いていないのに、年に百数十億円もの維持費がかかる▼しかも、それほどの費用を使いながら、原子力機構はまともに点検すらできない。さすがに原子力規制委員会は、もう機構には任せられないと断を下した▼そもそも十兆円を投じても先が見えぬ核燃料サイクルという事業自体、飛び切り大きなホワイト・エレファントだろう。私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか》?

   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、
       「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!

 さっさと「廃炉」に向かうべきだったのに……科学者=田中俊一原子力「寄生」委員会委員長は半年間延命してあげた訳です。一体何の知恵??……「もんじゅ」の知恵ではなく、「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」という、ドブガネ!? 半年後、ウヤムヤにするのが目に見える? 一日も早く、「廃炉」に向かえないグズグズぶり。アベ様のご機嫌ばかりをうかがう情けなき「寄生」委。

   『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず

 いらんことですが、民主党も次期選挙では脱原発を看板に掲げるべきですね……大飯原発再稼働を決して忘れない。東京新聞の記事【「軽減税率よりももんじゅ廃止を」 民主・枝野氏、公明を批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015110502000137.html)によると、《かつて廃炉を選挙公約にしていた公明党について「軽減税率より先に、もんじゅの廃止を実行したらどうか」と批判……枝野氏は、もんじゅについて「国民の税金や電気料金から巨額の負担を続けている」と述べ、規制委の勧告に賛意を示した》、そうです。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015110502000144.html

もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻
2015年11月5日 朝刊

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉が現実味を帯びてきた。原子力規制委員会は点検漏れ問題で文部科学省に対し、信頼できる運営主体を探すか、安全対策を抜本的に改善するかを勧告する。どちらかを実現しないと、廃炉は避けられない。もんじゅは国が推進してきた核燃料サイクル計画の中核的な存在。なくなれば、十兆円をつぎ込んできた計画は名実ともに破綻する。 (小倉貞俊榊原智康


 規制委は四日、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構では、停止しているもんじゅの保全管理もできておらず、運転は任せられないとの判断を下した。

 かつて「夢の原子炉」とうたわれたが、二十年以上も前に造られ、稼働期間はわずか二百五十日。冷却材に爆発的燃焼の危険性が高いナトリウムを使い、維持費もかさむ。機構は二十年前のナトリウム漏れ事故以降、甘い管理体制を改善する機会は何度もあったが一向に進まない。まだ待てというのか-。

 規制委の委員五人は全員一致で、文科省への勧告という重い決断をした。

 核燃サイクルは、一般的な原発系と高速炉系の二系統で、使用済み核燃料を再利用する計画。十兆円が投じられてきたが、どちらの循環も回るめどはない。原発で核燃料をMOX燃料として再利用するプルサーマルは、海外で製造した燃料を使って一部始まったが、使用済みMOXをどうするのかは白紙。もんじゅがなくなれば、高速炉系の「輪」は名実ともに消える

 もんじゅの新たな担い手を半年以内に見つける必要に迫られる文科省は「運営主体は幅広くいろいろなことを検討していきたい」(高谷浩樹研究開発戦略官)と話す。

 考えられる担い手には、(1)文科省所管の別の研究開発法人(2)機構から独立したもんじゅ部門(3)民間の原子力事業者-などがあるが、どれも難しい。

 原子炉の運転経験は絶対に必要な条件で、単なる機構内の看板の掛け替えでは規制委が納得しない。

 文科省幹部は「日本原子力発電(原電)は、もんじゅの次につくる実証炉を受け持つ予定だった」と原電の名を挙げつつも、「不備だらけの現状で、もんじゅを受け取る経営判断をするだろうか」と話す。

 来週にも勧告の具体的な内容が決まり、文科省に出される。これまでの経過からすると、文科省からは中途半端な回答しか出てこないこともあり得る。中途半端で認めれば、規制委の存在理由が問われる。

 一方、文科省の回答を不十分とし、もんじゅの廃炉まで踏み込めば、昨年四月のエネルギー基本計画で核燃サイクルの維持ともんじゅ存続を打ち出した政府の方針と対立する。

 四日の記者会見で、田中俊一委員長にあらためて覚悟を問うと、「(核燃サイクルを)どうするかは国の政策マター(問題)で、私たちがどうこういう話ではない。申し上げているのは、もんじゅの安全の問題への懸念だ」と述べた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015110502000157.html

【コラム】
筆洗
2015年11月5日

 白象は、普賢菩薩(ふげんぼさつ)をその背に乗せる霊獣だ。しかし英語でホワイト・エレファントといえば「始末に困るもの、金のかかる厄介物」という意味になる▼その昔、タイでは王様が気に入らぬ家来に白い象を与えたという。神聖な生き物でしかも王からの贈り物となれば、いくらエサ代がかさもうが手放すこともできずに、家来は破産に追い込まれる。使い道がないのに維持費がやたらかかるもの。それがホワイト・エレファントである▼普賢菩薩にあやかって命名された日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」は、「開栄丸」という白い象をお持ちだ。この炉から出た使用済みの核燃料を運ぶ船なのだが、ここ六年近く一度も運んでいないのに、五十九億円が維持などに費やされたという▼さらに大きな白い象は、文殊菩薩から名をいただいた高速増殖原型炉「もんじゅ」だ。こちらは二十年前に深刻な事故を起こして以来、ほとんど動いていないのに、年に百数十億円もの維持費がかかる▼しかも、それほどの費用を使いながら、原子力機構はまともに点検すらできない。さすがに原子力規制委員会は、もう機構には任せられないと断を下した▼そもそも十兆円を投じても先が見えぬ核燃料サイクルという事業自体、飛び切り大きなホワイト・エレファントだろう。私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか。
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●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」

2015年02月17日 00時00分03秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【高浜3・4号機 意見公募 答えず「適合」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015021390070823.html)と、
【高浜・審査適合 「地元」とはどこなのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015021302000160.html)。
asahi.comの社説【関西電力高浜原発―再稼働前に地元を見直せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
最後に、東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015021302000129.html)。

 「パブリックコメント(意見公募)には、原発が集中立地する危険性や避難計画の実効性が審査されないことなどに多くの意見や疑問が寄せられた。だが、規制委は、事故が起きても一定レベルに収まると想定して判断する姿勢を変えず、すれ違いが目立った」・・・・・・。
 「すれ違い」どころか、原子力「ムラ寄生」委員会は「適当」過ぎる。責任感がなさすぎる

   ●日本中が「地元」・・・・・・
     大間原発と高浜原発の再稼働問題、「30キロ圏内の声を聴け」ではダメ


 「あとは地元同意があれば、関西電力 高浜原発(福井県)は再び動きだすという。原発事故の恐怖と影響は全国に降り注ぐ-福島の教訓だったはず。地元とはどこだろう地元同意とは何だろう」・・・・・・。「九州電力 川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に続いて2例目・・・・・・今後の焦点は地元自治体の同意だ。その範囲に法的な定めはない。川内原発では鹿児島県知事の判断で、県と薩摩川内市に絞られた。安倍政権はこれを基本としており、今回も関電と福井県知事は福井県と高浜町のみを同意の対象にする方向」・・・・・・・。
 悪魔の負の連鎖。自民党・電力会社をはじめ、原子力ムラ住人はやりたい放題やっている。
 アタマオカシイノデハ? 東京電力原発人災で何も学ばない「地元」とは何だろう? たとえ「法的な定め」はなくとも、「東京電力原発人災の教訓」から学べっ! 環境倫理観から、(世界のどこにも原発を稼働して良い場所などないが、百万歩譲っても)ニッポンで原発を稼働させるなんて許されないでしょっ!!

   ●原発再稼働の負の連鎖: 「川内方式」を「妥当」なんて、とんでもない!

 「原子力という巨獣が暴れだした時、神仏ならぬ身がいかに非力か。いやというほど悟ったはずなのに、事故対策の不備ぶりを裁判所も危惧するような状態で、なぜ再稼働を認めうるのか」?
 大津地裁再稼働を容認するとは到底考え難い」・・・・・・虚しい空しい、司法の無力。関電や自民党は、裁判所の判決を屁とも思っていないようだ。自身に都合よくしか判断しない。

   ●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
       「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです

     「【大飯、高浜再稼働 「早急な容認考えがたい」】
      http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014112802000128.html
      には、「大津地裁(山本善彦裁判長)は二十七日、
      「現時点で差し止める必要性はない」として、却下する決定・・・・・・
      決定文では、差し止めの必要性がないとした理由を原発の安全性の
      観点からではなく原子力規制委員会が、いたずらに早急に、
      再稼働を容認するとは到底考えがたいからとした
」」

   ●「アベノミクス選挙という愚」
       『週刊金曜日』(2014年12月05日、1019号)について

     「伊田浩之氏【大飯高浜原発めぐり大津地裁 再稼働の不備を指摘】、
      「原子力規制委員会・・・・・・がいたずらに早急に、新規制基準に
      適合すると判断して再稼働を容認するとは到底考え難い」。
      川内原発の現状を考えると・・・・・・??
      http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/437d41ad3bcdeef8c3d9569fd54d21af

 「愚」を繰り返すニッポン・・・・・・「このゴジラ最後の一匹だとは思えない」。

   ●東電の「万全」神話: 「作業員の安全を祈らずにはいられなかった」
     「東京・有楽町にあるゴジラ像のプレートにこんな言葉が刻まれている。
      「このゴジラ最後の一匹だとは思えない」・・▼怪物は、水爆実験に
      よって出現する。公開と同じ年の三月、ビキニ環礁で水爆実験の
      「死の灰」を浴びた、第五福竜丸事件が下敷きになっている。
      原作ではゴジラは第五福竜丸の帰還とともに日本にやってくる
      ▼「水爆などいい気になっていたら、人間は自分たちの力で完全に滅びる」。
      監督の本多猪四郎さん・・・・・・警告は、残念ながら現代に生かされていない
      ・・・・・・ゴジラは科学技術を使う人間の心の闇の中にすみ続けている
      ▼像の言葉は登場する科学者のせりふで、まだ続きがある。
      「同類が世界のどこかに現れてくるかもしれない」。ゴジラだらけである」

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015021390070823.html

【社会】
高浜3・4号機 意見公募 答えず「適合」
2015年2月13日 07時08分



【↑ブログ主注: 勝手ながらコピペさせて頂きました
   (http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2015021399070823.jpg)】

 原子力規制委員会は十二日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が原発の新しい規制基準を満たしているとの審査書を正式に決めた。パブリックコメント(意見公募)には、原発が集中立地する危険性や避難計画の実効性が審査されないことなどに多くの意見や疑問が寄せられた。だが、規制委は、事故が起きても一定レベルに収まると想定して判断する姿勢を変えず、すれ違いが目立った。

 意見公募には約三千六百件が寄せられた。この日の会合では、主な意見と規制委の見解を併記する資料も公表された。

 高浜原発が立地する若狭湾周辺には、関電大飯、美浜、日本原子力発電敦賀の三原発、高速増殖原型炉「もんじゅ」もあわせ計十四基が立ち並ぶ。同時多発的に事故が起き、事故収束の要員が不足したり、他の原発から高濃度の放射性物質が飛来し、高浜での作業ができなくなったりする懸念の声も寄せられた。

 規制委は、各原発で十分な要員や資材を準備しており、「それぞれの炉で独立して事故対応にあたれる」と回答。寄せられた疑問には直接答えなかった。

 記者会見で、集中立地の問題を問われた田中俊一委員長は「同時多発的に起きても、それぞれのところできちっと対策が取れる」とかわした。

 東京電力福島第一原発事故では、放射線量が上がったり、水素爆発の危険が増したりして作業員が待避する事態が何度も起きた。「新基準を満たせば、作業に影響がある事故にならないと決めつけているのはなぜか」との問いもあったが、規制委は新基準が求める対策により「作業に支障がないことを確認した」と回答するにとどまった。

 また、地図上では高浜原発に通じる道路は一本の県道しかなく、必要な外部支援が厳しい事態も起きうる。この懸念に対しては、七日間は支援なしに対応できることが新基準の要求だとして、問題ないとの考えを示した。

 複数の道があるような記述が回答欄にあったため、規制委や関電に取材すると、「機密」として具体的には明かさなかったが、徒歩による支援要員の投入しか審査していないと答えた。

 避難計画の実効性を、規制委が審査すべきだとの意見もあったが、田中氏は「そういう(避難の)事態にならないように規制サイドとしてやっている」と説明した。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015021302000160.html

【社説】
高浜・審査適合 「地元」とはどこなのか
2015年2月13日

 あとは地元同意があれば、関西電力高浜原発(福井県)は再び動きだすという。原発事故の恐怖と影響は全国に降り注ぐ-福島の教訓だったはず地元とはどこだろう。地元同意とは何だろう。

 何度でも繰り返す。原子力規制委員会の審査書は、安全のお墨付きではない。3・11後の新規制基準を満たすという、いわば車検証のようなものである。

 そんな規制委の手続きが終了し、地元同意が焦点になる。法的拘束力はないものの、事実上、再稼働への最後の関門だ。

 では地元とは、どこなのか。川内原発の時にも、議論になった。

 3・11後に改められた国の安全指針では、原発から半径三十キロ圏内の自治体に、原発事故を想定した避難計画の策定が義務付けられた。そこで、三十キロ圏内にある立地以外の自治体からも、同意を求める声が上がった。当然の要求だろう。

 ところが、原子炉の置かれた鹿児島県と薩摩川内市の同意を得ただけで、再稼働の準備は進む。

 高浜の場合は、川内よりも複雑だ。三十キロ圏が原発のある福井県だけでなく、京都府と滋賀県にもまたがっているからだ。

 京都府は先月末、同意権なしの協定を関電と結ぶ方向で一致した。自治体側からの意見表明は、原発の増設時などに限られる。

 滋賀県の嘉田由紀子前知事は「被害地元」という考え方を提唱し、現知事が引き継いだ。原発事故で被害を受ける自治体はすべて「地元」なのである。近畿の水がめである琵琶湖の汚染を恐れる人は、大阪などにも少なくない。

 福島の事故では、たとえば、村域のほとんどが三十キロ圏外の福島県飯舘村が、放射能による全村避難を余儀なくされた。どこが被害地元になるかは、その時々の複雑な気象条件次第である。科学的な線引きは難しい。福島の教訓を忘れてはならない。3・11後、地元の意味も大きく変化した。

 関電も福井県の西川一誠知事も川内同様、「地元同意は立地自治体(県と高浜町)だけだ」と言う。原発の恩恵を受けない自治体を含めれば、結論に時間がかかるだろう。

 電力自由化を控えて、電力会社は再稼働を急ぐ。利益が大きいからである。しかし、最優先すべきはいうまでもなく、安全だ。

 国が今なすべきことは、再稼働を急ぐより、原発ゼロへの道筋を示すことである。そうでなければ、多くの国民の不安は消えない。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

関西電力高浜原発―再稼働前に地元を見直せ
2015年2月14日(土)付

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、原子力規制委員会が「新規制基準を満たしている」と正式に認めた。九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に続いて2例目となる。

 今後の焦点は地元自治体の同意だ。その範囲に法的な定めはない。川内原発では鹿児島県知事の判断で、県と薩摩川内市に絞られた。安倍政権はこれを基本としており、今回も関電と福井県知事は福井県と高浜町のみを同意の対象にする方向だ。

 原発事故が広大な地域に被害を及ぼすことは、東京電力福島第一原発事故が示した現実だ。事故前と変わらぬ枠組みで原発を動かしていいはずがない。

 同意対象を県と立地の1自治体に限る方式を既成事実化するのではなく、再稼働の前に地元の範囲を定め直すことを改めて求めたい。

 高浜原発は、事故時に住民の即時避難が必要な5キロ圏に京都府舞鶴市が含まれる。国が避難計画策定を義務づけた30キロ圏内だと京都、滋賀両府県の8市町が入る。人口は12万人を超え、福井県側の約5万人を上回る。

 大飯(福井県)、玄海(佐賀県)、伊方(愛媛県)、島根(島根県)、志賀(石川県)。規制委の審査が進むこれらの原発も、近隣に他府県を含む。

 高浜原発での地元同意は、試金石となってこよう。


■立地の権限共有を

 地元同意の根拠は立地自治体が事業者と結ぶ安全協定だ。

 全国に原発が増えた70年代以降、トラブルも多発した。しかし情報は事業者と国に握られ、地元はしばしばかやの外に置かれた。住民の立場から安全を監視しようと、立地自治体は協定を結び、情報を求めてきた。

 福井県が各事業者と結んでいる協定には、事故後の再稼働の事前協議に加え、自治体が原発の運転停止を求めることができる条項もある。事故やトラブルのたび、事業者と粘り強い交渉を重ねて得てきた権限だ。

 一方で福島の事故後、周辺市町村の住民も事故に不安を抱き、「立地並み」の協定を望む声が各地の自治体から相次ぐ。

 関電はこの求めに否定的だ。京都府と協議中の新たな協定案でも、同意権は認めない方向だ。福井県知事も「立地自治体は責任を持ち、リスクを負ってきた経緯がある」と強調する。

 かかわりの薄い地域にカギを握られることには、警戒感もあるだろう。

 しかし周辺自治体が再稼働の判断に加わることは、より多くの目で安全性を広く監視していくことにつながる。安全性を独自にチェックし、不十分であれば再稼働にノーと言う。立地自治体が勝ち取ってきたこの成果を周辺自治体と共有することで、同意を得る地元の範囲を広げていきたい。


■避難と同意をセットで

 福井、京都、滋賀3府県と関係市町は、国の原子力災害対策指針にもとづき広域の避難計画をつくった。しかし計画通りに避難できるのか、細かな調整は緒に就いたばかりだ。

 福井で原発事故が起きれば、3府県の十数万人が主に関西方面へ避難する可能性がある。

 渋滞で混乱が生じる恐れもある。避難者用のバスの確保など、詰めるべき課題は多い。

 2府5県と4政令指定市でつくる関西広域連合は今年1月、広域避難の実効性確保などに、国が主体的に取り組むよう申し入れた。「実行されなければ、高浜の再稼働を容認できる環境にない」とくぎを刺している。

 住民の安全に責任を負う自治体からは、再稼働前の了解を得るのが筋だ。避難対象という側面から、当面は原子力災害対策指針が定めた30キロ圏を同意対象にすべきだ。そのうえで協定で位置づけている地元同意を、将来的には法に明記することを考えてもよい。それほど重いプロセスであることを、事業者側に認識させる意味もある。


「地元」を結い直す

 12年の大飯原発再稼働の時には消費地・関西の首長らが一時反対を表明し、福井県が孤立感を深めたことがあった。電力を使う側の一方的な主張に、福井県では不信感が根強くある。

 対立を乗り越え、広い意味での「地元」の関係を結い直す取り組みが不可欠だ。

 国主導で、福井と関西各府県の知事、原発30キロ圏の首長に集まってもらい、新たな地元の範囲や権限について、合意形成を図ってはどうだろう。

 原発内のプールにたまった使用済み核燃料をどこで貯蔵するか。老朽原発を廃炉にする場合、経済の柱を失う地域をどう支えるか。立地地域と、電力消費地が手を携えて解決しなければならない課題は数多い。

 手間はかかる。だが、福島原発事故が残した宿題に向き合う時間を惜しむべきではない。

 原発をどうするかは、国民全体で決めていくべきテーマだ。福井と関西とで、それに向けた一歩を踏み出してほしい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015021302000129.html

【コラム】
筆洗
2015年2月13日

 「仏様のおかげとしか思えないんです」。福島第一原発の3号機ですさまじい水素爆発が起き、にもかかわらず一人も落命せずに済んだ時、当時の吉田昌郎所長は、そう思ったという▼原子力の巨大な力を人間は本当に制御しきれるのか。「できる」というのが原子力ムラの方々の答えなのだろうが、考えてみれば、福井にある技術開発用の原子炉の名は「ふげん」に「もんじゅ」だ▼「普賢菩薩(ぼさつ)は象、文殊菩薩は獅子に乗られ、それぞれ巨獣の強大な力を知恵と慈悲で制している。その姿にあやかり命名した」というから、原子力ムラにはもともと「仏様の力」に頼るところがあったのかもしれぬ▼きのう原子力規制委員会は、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働にお墨付きを与えた。この原発の再稼働をめぐっては大津地裁が昨年十一月、住民の避難計画など備えが整っていない現状では、「(規制委が)いたずらに早急に再稼働を容認するとは到底考えがたい」と指摘していたが、その考えがたいことが起きたわけだ▼原子力という巨獣が暴れだした時、神仏ならぬ身がいかに非力か。いやというほど悟ったはずなのに、事故対策の不備ぶりを裁判所も危惧するような状態で、なぜ再稼働を認めうるのか▼仏教界からも脱原発を求め、再稼働に反対する声が上がっているという。「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい
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コメント
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