桃とかなへび

いらっしゃいませ。

箱根ひとり2

2012年02月24日 | お茶
一夜明けても雨はざざ降り。
ご飯の前にまた温泉。

展望浴場はたった一人で、少し硫黄のにおいのするお湯を楽しむ。
貸切状態はそれもそのはずで、宿泊客は私も含め2組しかいなかった。
冬の平日の箱根、シーズンオフ極まる。
それにしても外気の若干の暖かさ。
春が近いというわけか、雪でなく雨でよかった。

朝ごはんはお決まりの和食。
お櫃一杯のご飯は食べ切れません。アジの干物の塩加減が薄くてありがたかった。
ところで朝ごはんの干物は関東の定番なのだろうか?
九州でも山ほど干物はあったけど、朝食べる習慣はなかったなあ。

部屋に戻って、テレビを見ながらだらだらした。
どこかで遊んで帰りたかったが、この雨ではやる気もなくなる。
強羅公園内のお茶室でお茶をいただいてかえることにしよう。

チェックアウトして荷物は預けて、傘を借りて公園に入った。
シーズンオフの工事で入口が変わって、雨の中うろうろしてやっと入れた茶室。
白雲洞茶苑という近代の三大茶人に継承された茶室群。

お茶をいただいた白雲洞は「田舎者の席」の貴重な作例だそうだ。
炉はなんと大きい「いろり」がドーンとあって、いかにも男性の茶室の様相。
しかも下座床の逆勝手(専門用語ご容赦)で縁なしの畳。









まずは座ってお菓子とお茶をいただく。
その方はとても美味しいお茶を点ててくださった。









席のご馳走はなによりも花。
ねこやなぎに赤と白の侘助。
お軸は鈍翁の筆による「萬古目前境界」。


お茶をいただいた後、係の女性が茶室の説明をしてくださった。
こんな雨の冬の朝、他にお客さんが来るはずもなく、
その方としばらくお話をした。
外国の方にお茶のいただき方を教えて欲しいと言われて、
茶碗の正面を避けて飲む(そのために回す)のはどう言えばいいでしょう、
というのには、少しお役に立ててよかった。

今は4年ほどお稽古してませんと言うと、
きっとまたいい先生との出会いがありますよ、とのお言葉をいただいた。
先生がご高齢でお稽古がなくなってそのまま、というパターンは多いらしい。

お話しする中で、私は引越しや転勤で何人かのお茶の先生にお世話になったけれど、
同じお茶でも、先生それぞれにこだわるところは違う。
私は自分の好みは別として、どんな先生のお茶にも合わせられます、
というのは、案外貴重なことなのかもしれないと思った。
皆さん、自分の教わってきたものにやはりこだわりと矜持があるものなのだろう。
妙にお茶を再開する勇気が湧いた。日本の何処でも海外でもね。

それから白雲洞から続きの寄り付きや岩風呂(!)別の茶室の見学もして、
再び雨の中を歩く。

宿に戻って、車で駅まで送っていただいた。
お昼過ぎには茅ヶ崎に着いて、
駅ビルで買い物をするうちに雨は上がった。
折りたたみ傘を開くことなく家に帰ることができて良かった。

丸1日以上人がいなかった家は冷え切って、
ともかく部屋を暖めることからはじめた。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れたら美味しかった。




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