将棋おたくのつぶやき

主に将棋中心のブログです。

電王戦

2013-04-07 08:42:03 | 将棋
 よくコンピュータを車に例えられます。
 そのときに人間はオリンピック選手に例えられますが、飛脚や駕籠に例えるほうが適切な場面もあるかもしれません。

 他の身近な例ですと、町の小さな商店街近くに、大型ショッピングモールが出店。
 モールの担当者と商店街の人たちの話し合い。
「商店街の魅力が損なわれることはないですから」
どちらからかそんな言葉が出てくる。
 発せられる意味も受けとる意味もそれぞれ。
 商店街が実力で勝つことも確かに不可能ではない。
 負けた人の悲痛な慟哭。軽い気持ちで受け取って欲しくない。
 きっと真っ向勝負での勝利だけが勝利ではない。

 ただ、将棋だけでなく、あらゆる分野で人間はいずれ負けるのでしょう。
 プログラムを組むことすら、ルーチンで簡単な作業になったりして。

 そのとき人間に、存在する必要性はあるのでしょうか。
 もともとないのでしょうか。

理化学研究所の将棋関係の研究について

2012-12-31 12:49:17 | 将棋
 何度調べても難解なので、書いて整理していくこととしました。

H23 プロ棋士の直観は、尾状核を通る神経回路に導かれる http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2011/110121/detail.html
 プロ棋士とアマ有段者の比較実験。詰将棋における直観的思考(1秒)とコントロール課題の比較が主体。
 プロ棋士にのみ、尾状核の活動が優位に出現。
 「集中した長時間の練習を通して、初めは大脳皮質内の神経回路だけで行われていた将棋の思考過程が、大脳皮質の楔前部と大脳基底核にある尾状核を直接結ぶ神経回路に埋め込まれていくのではないか、と研究グループは考えています。」

H24 素人でも訓練によりプロ棋士と同じ直観的思考回路を持てる http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/121128/detail.html
 将棋初心者が集中的にミニ将棋の訓練をした実験。
 実験終了時には、H23プロ棋士の研究でみられたような、尾状核の活動が出現。
 「プロ棋士が持つ直観的思考回路は特別なものではなく、地道な訓練によって養われることを示しました。」

rikenchannelに発表されたH23シンポジウムより http://www.youtube.com/user/rikenchannel
 上記に発表されていない研究として、H23研究における脳波所見(論文未発表?)。
 プロ棋士12名のうち、6名に出題後0.6sの時点で頭頂部に徐波が出現。
 各6名の違いは「序盤型か終盤型か」。


疑問として(多くは自分の知識が乏しいこと)。
・直観は尾状核の活動と密接に連動していると考えてよいか。その他根拠となる研究は。
・尾状核は具体的に何をしているのか。思考を直接制御しているのか、間接的にか(ノイズの処理など)。
・徐波の出現は珍しいことなのか。

・プロとアマの違いは、実力と、純粋に経験の多さ、の二つがある。いずれをより見ているのか。
・この場合の「直観」には明らかに誤っているものも含まれると考えてよいか。
・その場合、直観の質を見分けることはできるか。

いい詰将棋つづき

2012-09-30 15:45:48 | 将棋
 前回の続きです。

 曲のサビ、漫才のオチと一緒で、解答者にとって詰将棋の収束は作品の最後に出会う場所であるため、解後感を良くするために

・収束をまとめる

という技法が出現したのは歴史の必然かなと思います。
 逆に収束から逆算する作り方も。なので

・煙詰にする
・あぶりだしにする

はその中でも特に凝った収束の演出といえます。煙詰を「オチ」ととらえる考え方に感動した記憶があります。

 それ以外の技法は逆になかなか思いつかないところです。それが生み出されたら一つの発見ともいえます。

・収束をなくす

趣向手順のまま終わらせるという技法。「ボレロ」のラストのような感覚でしょうか。見事に主題が浮き上がってきます。あらゆる趣向にできる方法ではありませんが。

・ルールをかえる

漠然としていますが、例えば協力詰系にするなど。収束の変化紛れを考える必要がなく、作意手順を追ったまま解図を終えることができます。


 逆に詰将棋を深く鑑賞することで、他の分野をより深く鑑賞できないか?ということも興味深いところです。皆様もぜひ。

詰将棋のルール(書き捨て予定)

2012-09-30 15:45:48 | 将棋
 論理的思考が苦手な私なので、どこか間違えている気もしますが。

 「攻方最短」ルールは不要である

…ってよく言うんですが。そんなことないですよね。
 21玉に29香と打って、「玉方最長だ」と飛飛角角合。それを有効合にする見事な捨て駒乱舞。
 あるいは、全駒状態で相手をいたぶるようにじわじわ攻める。
 などなど。
 「攻方の手順は唯一だから」という意見もありますが、攻方手順の絶対性は作意にしか保証されません(だから変別がある)。
 論理的にも作意を一意にするためには攻方の手に制約が必要です。

 私のイメージとしては次の順に成立していったと思うんです。
1.詰将棋の目的
 作者が見せたい手順(作意)を解答者に伝える
2.作意についての約束=解答者が守るルール
 攻方は王手を続け、玉方は王手から逃げる
 玉方は最長手順で逃げる(同手数なら持ち駒が余らないように)
 攻方は最短手数で詰める
 上記により定まる手順を作意とする。
 ※例外:無駄合
3.作意を伝えるための約束=作者が守るルール
 変化手順は全て作意手数以下で詰むようにする(反する=不詰または変長)
 作意手順において、攻方は他の手順で詰ませられないようにする(反する=余詰)
 ※例外:以遠打

 ここまでが原則。しかし詰将棋という表現上やむをえない状況があり、時に解答者・作者への救済措置を検討する。
4.作者に関する救済
 軽微なものは許容…最終手余詰、打場所非限定、迂回手順、嫌がらせ不成など
 作品の価値を損なわなければ許容されることがある…変長など
 出題形式によっては許容されることもある…手余りなど
5.解答者に関する救済
 許容される…余詰解答のみ、不詰に気付かない(作品の瑕疵は解答者に責任を負わせない)
 程度により許容されることがある…作意を絞るのが難しい変別解、誤って迂回手順を答える

 いかがでしょうか。綿貫規約(http://onkotisin.org/tume/tumetop.htm さまより)は自分のイメージと同じなので、今更蛇足かもしれませんが。

いい詰将棋って?

2012-08-16 16:58:48 | 将棋
 それなりの収束に難しい序を逆算すれば高評価を受ける・・・そんなふうに考えていた時期が私にもありました

 @proparaさんのtweetについてです。
 入選経験のほとんどない私でも、なんとなく感じます。素材もそれほど、大した技術を使わずちょっと逆算しただけでも、「解答者ウケ」する方向性を選ぶことで、平均点が上がる。
 もちろんあのtweetは「解答者は無視してよい」という意味ではないでしょう。「解後感だけで評価しないでほしい、もっとほかにも作品にとって重要なことがあるはずだ」ということでしょう。

 私自身は作図より解図のほうが好きなので、解後感は気になります。作図する立場になると、それを悪用しようとした自分に後ろめたさはありますが。

 ところで、詰将棋にとって収束とはそんなに重要なものなのでしょうか?
 立場によって違うに決まっている、という前提から思い切って書きます。
 立場というのは、詰将棋を作る動機が、「解答者が気持ちいいものを」「解答者をいい意味で裏切るものを」「作者として表現したいものを」「おめでたい場面にふさわしいものを(年賀や祝賀)」「自身の技術の向上のため」etc.など、一様に言えないからです。

 鑑賞する側にとっても立場があるでしょう。
 私の中で以前から気になっている問題があります。

 「詰将棋の中に、時間はあるだろうか」

 (ここから先は芸術に詳しい方に伺いたい・・・)
 詰将棋とは絵画的でしょうか。それとも音楽的でしょうか。
 絵画の中にも時間はあるでしょう。しかし音楽とは、時間を作者がコントロールできる部分が大きく違います。

 個人的には音楽に近いものととらえています。
 私が解く側だからかもしれませんが、解図というプロセスに、変化紛れを読む「時間」が介在します。
 詰将棋から受ける感動に、それは大きく影響していると考えます。
 最初に書いたようなやり方は、解答の時間性を操作することで作品の見せ方を工夫しているわけです。
 踊りのときに、音楽のタイミングに合わせるとかっこよく見える。それも見せ方の工夫の一つです。
 収束を決める、ということは、作品の重要な一部である「時間」をコントロールする行為と思います。

 では良い作品にとって収束は必須なのでしょうか。(続く?)

極限低レベル詰将棋解答選手権撃破

2012-04-18 19:27:11 | 将棋
 つまり攻略法です。書いても意味ないんですが、なんとなく書いてみます。


「解答に徹する。余計なことは考えない」

 好作なのでじっくり味わいたい方も多いと思います。
 でも味わう暇はないです。あまりに速く解けたからといって、そのあと味わう時間を割く余裕はありません。
 そもそも味わうことを目的とする人が大会に出てはいけません。解答時間が終わったら容赦なく正解を配布され解説が始まります。全問正解する自信がない限り、解けてもいない作品の答えを聞くことになります。耳をふさいでも気になってきっと聞いてしまいます。
 雑念を取り払い、解答に徹しましょう。鑑賞は帰ってから。

「盤駒に頼って可。ただし、普段は使用しない」

 今回私は盤駒を使用しました。盤駒使用で解図するのはおそらく10年以上なかったことですが、普通に解けました。なので当日盤駒を使用するのに練習はいらないのかもしれません。
 しかしいちいち駒を動かす時間もさほどありません。原則盲盤で解けるようにして、盤駒は途中図目的にとどめるほうが良いでしょう。

「手数の感覚をつかんでおく」

 事前の練習はしましたが、特別なものではなく、普通かしこ、それも大会で出現する手数の範囲にとどめました。
 というのもなんとなく何手、という感覚を持つことで、無駄な読み筋を省けるのです。

「解ける問題を手堅く正解する」

 順位は得点の順、同点なら退出時間です。
 大会では4~7問正解の付近に成績が集中します。1問多く解けたら10以上順位が上がります。
 なので5分早く退出することよりも、解答を確認することが優先されるでしょう。
 90分退出することなく見直し続けるほうが実際的です。


 読む力のある人が速い、だけであれば大会を行う意味がありません。
 ぜひ弱い人もがんばって上位を目指しましょう。


 この項目が役立つかはさておき。