空井戸

小石を投げ込んでみても水音は聞こえない

読売新聞の人権感覚

2004-07-31 16:10:14 | Weblog
こんなニュースが配信されてる。

フセインは慢性前立腺炎、ヘルニアも…イラク人権相(読売)

その記事の内容はどうでもいいのだが、読売新聞がフセイン「元大統領」のことを書くとき必ず呼び捨てにしていることが以前から気になっている。

私は別にフセイン元大統領が好きなわけじゃないから、個人的動機から弁護する気持ちはそれほどない。しかし、日本国内で犯罪を犯した人のことを記事にするとき、読売はその名前を呼び捨てにするだろうか、と考えると何だか不公平な感じがする。

読売新聞は、フセイン大統領が「大悪人」であることは証明不要の周知の事実であり彼の(通常の犯罪者に対してさえ保証される程度の)人権を尊重する必要は全くない、と考えているように思える。

しかし、こうした読売の姿勢は、ブッシュ政権がグァンタナモあるいはイラク国内の収容所で行ない続けている虐待に通じるものだろう。

なんて感想を、スポーツ紙や週刊誌の記事に対して抱いたりはしない。「スポーツ紙なんてそんなもんだ」って思ってるから。でも読売新聞は日本を代表するクォリティペーパーなんでしょ。

そもそも、社説を含めて読売の記事には、発行部数と国内でのステータスにふさわしい、高潔さ、品格、節度、というものが圧倒的に欠けているような気がする。

大衆に擦り寄って、言葉による「悪者」へのリンチを煽動するような「高級紙」なんかいらないよ。

ETCの車載器がまた高くなる?「スマートウェイ推進会議」の変なプラン

2004-07-27 11:17:54 | Weblog
ETCが進化する…飲食代支払いや情報入手実現を提言(読売)


ETC用車載器の機能を高め、駐車場やガソリンスタンド、飲食店のドライブスルーなどの料金決済ができるようにする。入居者だけが入れるマンションの駐車場など、施設への出入りの管理にも応用できる。


だって。

ハードウェアを売って商売しようなんて考えは捨てて、
ETC車載器は単機能のまま、小さく、安く、すればいい。

と思うのですが。

やっぱり参院選対策だった? - オウム逮捕

2004-07-25 09:03:02 | Weblog
参院選投票直前の7月7日

国松元長官狙撃、元巡査長・オウム元幹部の3人逮捕
(読売)
オウム元幹部ら4人を殺人未遂容疑などで逮捕 長官銃撃(朝日)

のニュースが流れた。購読している読売新聞でも1面の扱いだったし、テレビでもこのニュースの報道に時間を割いていた。

でも、なぜ参院選直前に逮捕に踏み切ったのかがよく分からなかった。新聞記事に目を通してみても、逮捕に至るほどの決定的な「新事実」が何なのか判然としなかった。

そのちょっと前のニュース23で、自民党の誰かがテレビ朝日などに対して「政治的に偏向した報道の自粛を求めた」ということを筑紫哲也が喋っていた。政権側はマスコミの影響に対してずいぶんナーバスになってるんだな、という印象を受けて、それが頭に残っていた時だったのでなおさら、この「オウム逮捕報道」がなんだか作り物めいて感じられたのだった。

そして今日、アサヒ・コムのニュースで、

長官銃撃事件、逮捕4人の捜査難航 起訴は困難か

「新事実」なんてその程度のものだったのか?

パリーグが4球団になったら1リーグ?

2004-07-24 09:43:58 | Weblog
YOMIURI ONLINEで読む
巨人、阪神の2リーグ制維持試案に反対
は、比較的淡々とした記述という印象を受けるが、朝刊スポーツ面に掲載された関連の山脇幸二署名記事(「視点」)には、読売側の主張を正当化しようとする強い意図が感じられる。

ところで、


巨人の土井球団社長「反巨人同盟のようなものを作って物事を進めて行こうというやり方には強い不快感を持っている」


「反巨人同盟」は「悪の枢軸」だとでも?


2004年7月24日付 読売新聞朝刊16面

巨人、阪神試案に反対


2リーグ制「パ4球団ならムリ」


 阪神の野崎勝義球団社長は23日、ヤクルト、横浜、巨人の球団社長と相次いで会談し、来季は2リーグ制を維持して交流戦を実施することを柱とする8項目から成る試案を説明した。これに対し巨人は、「パ・リーグが4球団になれぼ、持ちこたえられない」と反対した。ヤクルト、横浜は「来季は2リーグ」という基本方針には同意したが、その他の案に関しては見解が分かれる部分もあった。このため、阪神は26日の実行委員会では「来季は2リーグ制を維持して、1年間で改革の議論をする」という基本方針だけを提案することになった。

 ◆野崎試案 ①2リーグを維持するため、知恵を出し合い議論する②セ、パ両リーグ間での交流戦実施③ドラフトでの自由枠撤廃、ウエーバー制導入④フリーエージェント資格取得年数を現行の9年間から8年間に短縮⑤オールスター、日本シリーズの継続⑥加盟料(新参加60億円、譲渡30億円)の撤廃⑦年棒減額制限の緩和⑧上記②③④⑥⑦の2005年からの実施

 この日午前にヤクルトの多菊善和球団社長、横浜の峰岸進球団社長と三者会談を行い、独自の改革案のうち「2リーグ維持のために知恵を出し合い議論をする」という部分では賛同を待た。しかし、ドラフト改革などほかの項目では時間をかけて議論するべきだという意見が出された。
 午後から行われた巨人の土井誠球団社長との会談では「パ・リーグで(オリックス・近鉄に続く)もう一つの統合があった傷合、1リーグでやらざるを得ない」とする巨人側と平行線に終わった。
 このあと、野崎社長はセ・パ両リーグ会長を訪ねて状況説明を行った。 会見した野崎社長は「1リークがいいのか2リーグがいいのか、時間をかけて議論をするべきだと(巨人を除く5球団の方向性がまとまった」と話した。しかし野崎試案については、「コンセンサス(合意)が取れていない」ため、実行委員会への提出を見送ることを明らかにした。
 ヤクルト・多菊善和球団社長「日本シリーズやオールスターがなくなると観客動員の面などで問題がある。1リーグにするにしても、来季1年間は2リーグでやって、その中で具体的なことを詰めていけばいい。(阪神とは)大局では一致した」


視点 窮状のパどう救済


 球界再編に向けた巨人と阪神の議論は、平行線に終わった。巨人の立場は明確だ。「セ6球団、パ5球団なら来季も2リーグのまま。パが4球団になれば、1リーグにならざるを得ない」。7日のオーナー会議で西武・堤義明オーナーが示した「もう一組の統合」が成立して4球団になった場合、パの運営は非常に困難になる。
 4球団では対戦相手が3チームしかなく、同じカードを年間45試合程度も組むことになり、ファンにあきられる可能性が高い。イチローが所属する大リーグ、ア・リーグの西地区は4球団で地区優勝を争ってはいるが、試合自体は東、中地区の計10球団とも行い、そのうえでナ・リーグとの交流試合も行っている。さらに、6球団からのセ・リーグ優勝チームと4球団でのパ・リーグ覇者が競う日本シリーズは、その価値を疑問視されるだろう。 4球団では、パ・リーグは成り立たない。それは球界全体の危機を招くことになる。
 結論は、9月8日の次回オーナー会議で出される見通しだ。ところが、阪神は「2リーグ制維持」の流れを作ろうとするように、巨人を除くセの各球団に「2リーグ制」を訴えた。意見をぶつけ合うのは悪いことではないが、その手順には問題があった。
 巨人・土井社長は阪神・野崎社長との会談の中で、強い姿勢で言った。「正規の場ではなく、各球団を回って反巨人同盟のようなものを作って物事を進めて行こうというやり方には強い不快感を持っている」。阪神が今回の提案に信念を持ち、レっかりとした裏付けがあるのなら、理事会や実行委員会など公式の場で堂々と主張し、賛同を求めるべきだった。巨人を外したうえで、個別に各球団を説得して回るようなやり方は、明らかにおかしい。
 提案内容も説得力に欠ける。土井社長が「パが4球団でも運営できるという根拠は何か」と尋ねたのに対し、野崎社長は「交流試合を組み合わせれば大丈夫」と言うだけで、それ以上の説明はなかったという。1年間、結論を先延ばしすれば、巨額の赤字を抱えているパの窮状はさらに進行するだろう。そこから目をそらし、セの安泰を図るためだけの「2リーグ制」であれば、それは無責任と批判されても仕方ない。    (山脇 幸二)

 横浜・峰岸進球団社長「1リーグは、まだ正式な機関で討議されていないこと。実行委や理事会などできちんと議題に乗せて議論すれば、透明性が増す。ただセ、パが6対6、6対5なら2リーグ制OKだが、パ・リーグが4球団なら1リーグをちゃんと検討したほうが良いかもしれない」
 小池唯夫・パ・リーグ会長「きょう直接、(野崎社長から)話を聞いた。26日午前にパ・リーグ理事会がある。パの球団も色々意見があるので、各球団に詳しく説明して検討したい。今ここで私の意見を述べるのはまだ早い。これから各球団に意見を伝えたい」


野崎試案に対して巨人は、「パ・リーグが4球団になれぼ、持ちこたえられない」と反対したみたいだけど、巨人西武の「有志連合(coalition of the willing, ああ気色悪)」がパリーグ球団の合併を進めようとしているのは、なんのことはない、1リーグ制を実現するためなんだよな。1リーグ制導入を延期することにすれば、4球団になるわけないじゃあないの。

米国食肉輸出連合会の新聞広告

2004-07-21 10:28:08 | Weblog
「米国食肉輸出連合会」は私たちの健康を第一に考えてくれているでしょうか?

2004年7月20日付け 読売新聞朝刊 14面


正しい知識を得ることが、BSE問題の「正解」です。

①牛肉の安性について

BSEの原因である異常プリオンが蓄積するのは、
脳や脊髄などの特定部位だけである。

アメリカの食肉加工現場では、政府の検査官の
監視のもと、年寺定部位を確実に除去している。

除去した特定部位が牛肉に混入しないように、
アメリカでは加工の作業手順が決められている。


(答えは、すべてYES。アメリカン・ビーフは、安全を最優先に生産されています)


 BSE問題について考えるときにまず知っておかなければならないのは、BSEの原因である異常プリオンたんばく質が、牛の体内のうち特定部位と呼ばれる脳や脊髄などにしか蓄積しないということ。私たちがふだん食用にしている牛肉や内臓には、もともと危険はありません。しかも異常プリオンは時間をかけて脳に蓄積していくため、異常プリオンの蓄積が少ない若い牛の脳を検査してもBSE感染は検出できないのです。つまり全頭検査をしても、すべてのBSE感染牛を発見できるとはかぎらないのです。
 検査に「完全」や「絶対」がありえない以上、食の安全を確実に担保できる唯一の方法は、特定部位の除去を徹底することです。アメリカでは食肉加工の過程で、政府の検査官の立ち会いのもと、全頭について決められた特定部位が確実に除去されています。また食肉加工の作業中に特定部位が牛肉に混入しないよう、混入の可能性が少しでもある作業手順は一切禁止されています。こういった法的な規制以外にも、現場ではより厳しい自主規制が設けられています。
 つまりアメリカにおいては、もし仮にBSE感染牛がいたとしても、異常プリオンの含まれる牛肉が決して食用に回ることはないのです。もともと検査はBSEの現状を把握し、拡大しないように監視するための手段のひとつにすぎません。リスクそのものである特定部位を除去してしまえば、それがいちばん確実な安全策。科学的根拠に基づいて適切な対策をとっているからこそ、アメリカン・ビーフは安全なのです。

当連合会では、今後もBSE対策への取り組み等について随時情報開示を行っていきます。www.americanmeat.jp 米国食肉輸出連合会


あなたは、アメリカン・ビーフを食ベたいと思いますか。

読売、反撃ののろし?

2004-07-18 14:51:09 | Weblog
しばらく読売サイドからは情報が出てこなかったんだが...

2004年7月18日付け 読売新聞朝刊 20面

迷走気味?再編論議

 根来泰周コミッショナーは、現在の球界再編論議について、こんな風に話したことがある。「議論が(百家)争鳴するのはいいけど、迷走すると困る」。コミッショナーの危倶は、どうやら現実になりつつあるようだ。

 阪神が「10チームでも2リーグ制維持を」と強く打ち出し、セ・リーグの各球団が追随する姿勢を見せている。具体案は、①セ、パ交流試合の実施②ドラフトのウェーバー制実施とフリーエージェント(FA)期間短縮③年俸減額制限の緩和④加盟料(新参加60億円、譲渡30億円)の撤廃と参加審査制度の導入-などである。

 2リーグを維持しながら、パ・リーグの各球団を救おうというなら①は当然だろう。しかし、②と③は、果たして、パの救済や球界全休の発展につながるのだろうか。②は、年俸抑制には確かに有効だが、その反面、スター選手やスター候補生たちの海外流出を後押しするだろう。米大リーグヘという流れは加速し、プロ野球は空洞化する。

 年俸減額の限度額は野球協約上、1億円を超えた選手で30%まで、1億円以下で25%までと決まっているが、③の減額制限の静和は、高額年俸選手よりむしろ低年俸選手の生活を直撃する。入団時にはチームも選べず、入団後の収入は不安定-。そんなイメージが浮かんでくる。職業としてのプロ野球の魅力が、急速に薄れてしまうだろう。

 ④にしても(新規参入には不適格と思える企業に対して、その名誉を傷つけずに「ノー」と言えるシステムができるのか。

 ②-④は、いずれも何年もの議論を経て現行制度に落ち着いたものだ。それを変えるとなると、議論はどんどん広がってしまう。簡単には結論が出ないだろう。また、②や③を導入したとしても、人件費の削減効果が出るまで、パ・リーグの各球団が持ちこたえられるか。

 阪神の提案は、出口の見えない迷路への入り口に思える。

(小石川 弘幸)


楢崎社会部長と同様、この小石川って人も社主のinuなんでしょうな。やれやれ。

サンワリ君

2004-07-18 12:15:17 | Weblog
鈴木義司さんが亡くなったそうだ。

「サンワリ君」連載38年、漫画家・鈴木義司氏が死去
鈴木義司さん、サンワリ君そのままに明るく照れ屋


読売が楢崎社会部長を中心として悪臭芬々たる「自己責任」キャンペーンを垂れ流し続けていた4月のある日、身構えつつ読売夕刊を開いたら、サンワリ君の台詞が目に飛び込んできた。

「あッ」
「いいんです自己責任です」
「このごろ自己責任に厳しいですねえ」

なんだか体の無駄な力が抜けて、「そうですねえ」と心の中で笑いながら相槌を打ってた。

「抵抗」の方法はいろいろあるんだなって思いましたよ。

ご冥福をお祈りします。

BSEに関する規制を緩めようとしているのは...また読売か

2004-07-18 11:41:48 | Weblog
<BSE対策>性急な全頭検査の見直しに慎重な考え 厚労相(毎日新聞)
<BSE>食品安全委 意見割れて報告書は先送り(毎日新聞)
若い牛除外の結論持ち越し BSEで専門調査会(共同通信)

実に良心的。

牛肉輸入、8月決着目指す 日米、次官級対話で(共同通信)

米農務省の内部監査で明らかになった検査体制の不備などに踏み込んだ議論はなかった。

なぜそこを指摘しないんだ。
「既定路線」を崩さないことに汲々としているみたいだな。
信頼できる検査を行わないまま、「わが国にはBSE問題は発生していない」と公然と嘘をつき続けながら牛肉を輸出しまくってたアメリカの言うことなんか信用できるか。っていう一消費者の利益は代表してくれてないの、お役人様。

[BSE対策]「緊急措置の役割終える全頭検査」[7月18日付・読売社説(2)]


 全頭検査を実施しているのは世界で日本だけだ。日本の検査基準を世界に合わせるべき時が来たといえよう。

 むしろ、BSE対策で重要なのは、原因となる異常プリオンが蓄積する脳や脊髄(せきずい)、小腸の一部といった危険部位を完全に除去することだ。

 欧州各国と同様、日本もすべての牛から危険部位を除去しており、この措置は継続される。危険な牛肉が出回ることは今後もないと専門家が指摘している。

 食品安全委は、こうした事情を丁寧に説明し、全頭検査見直しに、消費者がいたずらに不安を感じることのないよう努めるべきだ。


「読売社説」独特の匂いがする。

そもそもプリオンについて誰が、どの程度の知識を持っているというのだろう。

読売社説が言ってることは、どこの誰かもわからぬプリオン問題の権威が、BSEの検査についての「正しい」方法を考案済みで、その方法の安全性は「疑いを差し挟むことが許されないほど確かなこと」だから、日本の食品安全委員会プリオン専門調査会ごときは、検査方法の安全性の議論など無駄なことに時間をかけてないで、全頭検査しなくても大丈夫だ、というメッセージをさっさと出しさえすればいいんだ、無礼な。ってことなんだろ。

「農水省は業界の顔色ばっかり伺って、消費者の食の安全をないがしろにしてきた」って批判が沸き起こったのはそんな昔のことじゃないだろうに、また逆戻りしろっていうのかね。

なぜこのタイミングで? - BSE全頭検査見直し

2004-07-16 09:14:23 | Weblog
ついこの前の

米のBSE疑惑牛、4分の3未検査…米農務省明らかに

とか

BSE検査の実施状況を緊急調査、米農務長官が表明

って報道でアメリカの食品行政に不信感が高まってる時にそれはないだろと思ったね。

BSE全頭検査見直し、若齢牛除外へ…食品安全委案

最近では、今年初めのプルシナー博士の発言はすっかり忘れ去られているみたい。

「牛肉の安全 全頭検査しかない」 異常プリオン発見者