その日を境に、キラの体調はいままでの不調が嘘のように善くなった。
欝はなにかをきっかけにけろりと治ることがあるという。
まさにその状態だ。
「リバウンドさえ気をつければ、あとはもう大丈夫」
アディのお墨付きだ。
リバウンド。すなわち、一度癒えた傷を再び開くことがなければ だ。
キラの心の傷。
アスランとの別れと、戦争。
「じゃあ、もう大丈夫ですね」
アスランはほっと息をついた。
キラと離れることは、もうありえない。
万が一離れるときがくれば、キラを引きずってでも連れて行く。
それだけの力を、アスランはもう身につけていた。
もう一つの問題は、自分たちの努力でなんとかするしかない。
そういう力も、望まないうちに身につけてしまった。
「キラくん。よく眠れる?」
「んー」
「ごはんはおいしい?」
「うー」
「キラ」
「ちょっと待ってー」
話半分なキラは、アディの前でキューブを完成させるのだと躍起になっている。
「手止めて。話聞け」
「だから待ってー」
うー とキラが唸って。
カチン と音を鳴らせて。
「できた!」
前面色が揃ったキューブを、アディに差し出した。
「いままでありがとう」
「キラくん・・・」
「もう大丈夫」
にこり と、キラは心から笑った。
いきなり多くのトラウマと向き合ったキラは、疲れたのかすっきりしたのか。
急に寝つきがよくなった。
食も、弱った胃が善くなるのと合わせてすすむようになり。
それでも、元の体重に戻すのに三ヶ月。
医学的に「照準値」とされる体重になり、顔色も改善、衰えた体力は戻すのに苦労したが、その辺はイザークのスパルタだった。
仕事の時間も徐々に戻し。
以前と変わらない生活になったとき、アスランが我慢の限界を迎えた。
「三ヶ月我慢した」
「・・・は?」
深夜。やっとで床についたキラに、風呂上りのアスランは低い声で言い放つ。
「あれだけ毎晩だったのがいきなり三ヶ月のお預けだ」
「・・・はい?」
「もう駄目」
ばたり と倒れこむように、キラを押し倒す。
「ちょ、アスラン!?」
「限界」
ちゅう とキラの首筋に口付けて、するりとパジャマの下に手を滑らせる。
その感触に、アスランは満足する。
「骨、浮いてないな」
「食べてるもん」
「気持ちいい」
そのままキラの上着をたくし上げれば。
健康的なキラの身体。
「うん。健康そのもの」
「・・・そういう確認しないでよ」
「しかたないだろ」
痩せこけたキラの身体を目の当たりにするたびに、こっちが欝になりそうだった。
せがまれてしてはいたけれど、内心あのときは本意ではなかったのだ。
「ああ、でも腰は細いままだ」
へその辺りにキスを落として。
「覚悟はいいか?」
「・・・なんの」
「明日は足腰立たないと思え」
死刑宣告を聞いた気分だった。
でもキラは気づいている。
アスランに求められたのは本当に久しぶりで。
うれしくて。
「お手柔らかに」
降ってきたキスを、甘受した。
というわけで、おまけのような完結。
病んでるキラを書こうと思ったはずが、ただアスランがかわいそうなだけの話になりました(反省)
向いてないよ。私、連載向いてない。
欝はなにかをきっかけにけろりと治ることがあるという。
まさにその状態だ。
「リバウンドさえ気をつければ、あとはもう大丈夫」
アディのお墨付きだ。
リバウンド。すなわち、一度癒えた傷を再び開くことがなければ だ。
キラの心の傷。
アスランとの別れと、戦争。
「じゃあ、もう大丈夫ですね」
アスランはほっと息をついた。
キラと離れることは、もうありえない。
万が一離れるときがくれば、キラを引きずってでも連れて行く。
それだけの力を、アスランはもう身につけていた。
もう一つの問題は、自分たちの努力でなんとかするしかない。
そういう力も、望まないうちに身につけてしまった。
「キラくん。よく眠れる?」
「んー」
「ごはんはおいしい?」
「うー」
「キラ」
「ちょっと待ってー」
話半分なキラは、アディの前でキューブを完成させるのだと躍起になっている。
「手止めて。話聞け」
「だから待ってー」
うー とキラが唸って。
カチン と音を鳴らせて。
「できた!」
前面色が揃ったキューブを、アディに差し出した。
「いままでありがとう」
「キラくん・・・」
「もう大丈夫」
にこり と、キラは心から笑った。
いきなり多くのトラウマと向き合ったキラは、疲れたのかすっきりしたのか。
急に寝つきがよくなった。
食も、弱った胃が善くなるのと合わせてすすむようになり。
それでも、元の体重に戻すのに三ヶ月。
医学的に「照準値」とされる体重になり、顔色も改善、衰えた体力は戻すのに苦労したが、その辺はイザークのスパルタだった。
仕事の時間も徐々に戻し。
以前と変わらない生活になったとき、アスランが我慢の限界を迎えた。
「三ヶ月我慢した」
「・・・は?」
深夜。やっとで床についたキラに、風呂上りのアスランは低い声で言い放つ。
「あれだけ毎晩だったのがいきなり三ヶ月のお預けだ」
「・・・はい?」
「もう駄目」
ばたり と倒れこむように、キラを押し倒す。
「ちょ、アスラン!?」
「限界」
ちゅう とキラの首筋に口付けて、するりとパジャマの下に手を滑らせる。
その感触に、アスランは満足する。
「骨、浮いてないな」
「食べてるもん」
「気持ちいい」
そのままキラの上着をたくし上げれば。
健康的なキラの身体。
「うん。健康そのもの」
「・・・そういう確認しないでよ」
「しかたないだろ」
痩せこけたキラの身体を目の当たりにするたびに、こっちが欝になりそうだった。
せがまれてしてはいたけれど、内心あのときは本意ではなかったのだ。
「ああ、でも腰は細いままだ」
へその辺りにキスを落として。
「覚悟はいいか?」
「・・・なんの」
「明日は足腰立たないと思え」
死刑宣告を聞いた気分だった。
でもキラは気づいている。
アスランに求められたのは本当に久しぶりで。
うれしくて。
「お手柔らかに」
降ってきたキスを、甘受した。
というわけで、おまけのような完結。
病んでるキラを書こうと思ったはずが、ただアスランがかわいそうなだけの話になりました(反省)
向いてないよ。私、連載向いてない。