『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす (ぎおんしょうじゃのかねのこえ しょぎょうむじょうのひびきあり さらそうじゅのはなのいろ じょうしゃしっすいのことわりをあらわす)』
有名な平家物語の冒頭の一文です。
写真は「沙羅双樹」の花です。夏至のころ、朝に開花してその日の夕方には花を地面に落とします。
平家物語の作者は、このはかない一日花を 「盛者必衰」 の象徴とうたっています。
ただ厳密にいいますと、日本で言う沙羅双樹は「ナツツバキ」のことで本来のインド産 沙羅双樹とは別種です。
全性寺のナツツバキの花は、5枚ある花弁の1枚がほんのり紅を差したような柄になっています。
控え目な個性を出しながらも一日一生を生き切るすがたは、私たちにいろいろな大切なことを教えてくれている気がします。
このナツツバキ、全性寺の中庭にあるため一般にはご覧になれないのが残念です。