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『はだしのゲン』問題はまだ終わっていない!・・・・その①

2014年03月31日 | 教育
松江市の件では、当然のように閲覧を認めることで決着しました。さすがに言論の自由の明記されている日本国憲法のもと68年間の日本では、検閲まがいのことは許さない雰囲気が多いと一安心していました。
ところが、問題を提起することによる自主規制や委縮する効果を考えてのことでしょうか、あちこちで個人や数人による陳情が出されています。新聞に出ている所からいくつか紹介します。

①東京都についての記事概要
 回答では、「暴力的な表現など一部に教育上の配慮が必要な表現がある」とする一方、学校教育法に基づき「校長は図書館資料の選定事務について権限と責任を有している」と明記、選定を校長の権限に委ねました。都教委も適切な選定へ指導していくとしています。


 ②神奈川県についての記事概要
 神奈川県は開架しているのは小学校で329校中275校(政令市立を除く)▽中学校で178校中159校(同)▽県立高校で144校中72校-だったそうです。小中高いずれも閲覧制限はなく、開架理由については「平和学習のため」と説明しました。
 県は「蔵書を選定する権限は学校長にあると考えている」としながらも、「過激な描写はある」と指摘。「小学校低学年など発達段階によっては一定の配慮は必要」として今後の対応を検討する方針を明らかにしました。神奈川県は教育委員会だけではなく、県議会にも陳情がだされました。

 (戦争の悲惨さを伝え、平和を願うのを躊躇してはいけない。)
 東京都も神奈川県の教育委員会も、今後は何を指導するというのでしょうか。戦争は悲惨だから過激な描写は取扱いに注意というのでしょうが、その悲惨さをこそ子どもや若い人に伝えていかなくてはならないことではないでしょうか。
 悲惨な場面はかくして描く戦争マンガや小説はどのようなものでしょうか。悲惨な場面があるからと問題視する考えこそ、戦争をゲーム感覚でとらえ、戦争をかっこいい戦闘機や艦船にあこがれるような感覚を醸成していくことになってしまうと思います。武器をかっこいいととらえて、基地見学や武器操作体験などに若い人が大勢集まる姿を見ると気になります。
 自由な閲覧以外にどんなことを対応するというのか疑問です。市民の目にふれないところでなし崩し的に自主規制ということになるのをねらっているのかとも思います。この後の「指導」というのを追跡しましょう。

 ③神奈川県相模原市についての記事概要
 相模原市教育委員会は3月6日、定例会を開き、反戦を訴える漫画「はだしのゲン」について、学校図書館での閲覧に配慮することを求める請願を「不採択」としました。5人の委員全員が「戦争を考える大事な資料」などとして作品を高く評価しました。
 自由な閲覧を求める請願も出ていたが、市教委は「これまで通り原則として校長の判断を尊重する」として、賛否いずれの請願も「不採択」としました。また、市立図書館でも館長の判断を尊重するとしました。5人の委員全員が「はだしのゲン」を全巻読んだ上で、定例会に臨んだといいます。

  (現憲法のもと、言論・出版の自由に即してまっとうな結論)
 今回の『はだしのゲン』をめぐる事件で、一番まっとうな判断を下した教育委員会だと思います。 次回に資料としてつけますが、日本の政府自身が国連に反戦を訴える素晴らしい漫画としてこの『はだしのゲン』の英語版を寄贈して広めているのですから。


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