常勝アップルに忍び寄る危機 「過去の失敗」繰り返すのか (1/2) : J-CASTニュース
数が多い方が勝つ。
大前健一はだから古いのである。
大前健一やニューヨークタイムズの主張は、「OSは搭載されるハードの数を拡大したところが勝つ」であり、AppleはMacでWindowsに負けた二の足を踏むと言うのである。
資本主義の企業価値を測る単純法則を当てはめることが愚かな事をWindowsとMacが逆に証明しています。
Mac OSはWindowsに駆逐されたのでしょうか? Macはデザインがいいから、ある少数派に使われているのではありません。「使いやすい」から使われ続けているのです。
WindowsとWordをはじめにするビジネスソフトが天文学的な数字で全世界の生産性を落としています。
高給な管理者を必要とするシステム管理、セキュリティーに投入した金額など、莫大な金を使っている。
OSの数を伸ばす為に、ハードとソフトのメーカーが別れてしまうと、「ハードとソフトのバランスが崩れます」そしてその調整に無駄が増え、ユーザーには全く関係無い対策が、OSやアプリケーションソフトの中に無駄なコードとして蓄積される。
Microsoft Wordでたった10ページ程度の写真や図入りの文書をつくって、重くて操作がしにくくなり挙げ句の果てに落ちてデータが壊れる。こんな事を経験した人は多いでしょう。200ページの論文を少ないページ数に分けてリスク分散する作り方をした人もいるでしょう。
この様な行為がどれだけ生産性を落としてしまっているか、考えればわかる事です。
Appleは、昔Mac OSをオープンにした事があります。
日本ではパイオニアがハードを作りました。そして日本を代表する大企業もOSライセンスを受けて、Mac用のハードを作る計画がたくさんありました。(S社やT社)
しかし、Appleは、上記のハードとソフトのバランスが取れなくなる問題に気がつき、多額の違約金を払いOSライセンスをやめました。
資本主義的な成功を目指すのではなく、自社の製品を最も使いやすい状態で消費者に届けるという目的のためでしょう。
Androidを搭載するハードは、Androidをよく理解したハードメーカーだけが作るわけではありません。
商品ラインナップで必要だからとにかく作れ、とか、差別化する為に無理なカスタマイズを行うメーカーも多いでしょう。
それは、ハードボタンの位置や数、画面のサイズ、センサー、処理速度、などなど沢山あります。
WindowsはMicrosoftという企業としては成功したかもしれません。
しかし、使わされているユーザーにとっては不幸な時代だったのです。
Windowsと同じ不幸の道をAndroidは歩み始めています。
WindowsではMicrosoft。AndroidではGoogleのみが成功するのであり、ユーザーは成功者にはなれないのです。
Appleは少数であろうと、今まで通りユーザーが成功する「もの」を作り続けて欲しいです。
WindowsよりMac、AndroidよりiOS。これが大きなアドバンテージである事は、2つを使い分けている人にはわかるのです。
そして、私は、大前健一やニューヨークタイムズが指摘した方向へ進む事を歓迎しています。
なぜなら、WindowsやAndroidが増えれば増えるほど、MacやiOSを使っているだけで生産性が高いというアドバンテージを貰えからです。
iOSが他のハードメーカーにライセンスされる事があるとすると、その時ジョブスはAppleにいないか、この世にいないときでしょう。
年収1ドルで働くジョブスの見ている先は、覇権や成長や株主ではなく、ユーザーなのです。