妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『ちかえもん』4話、たぎる妄想、深まる謎、赤うなる朝の沢庵の残り。

2016-02-07 11:35:39 | テレビ
木曜時代劇『ちかえもん』4話のネタバレ感想まとめ。


 

ちかえもんも万吉も、聞き間違い・言い間違い・勘違い絶好調。


ここで折り返しとかマジかーー。
ちかえもんロスもきそう。



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『ちかえもん』3話、なかなか討ち入らない赤穂義士に生きた人間を垣間見る。

『ちかえもん』2話、万吉の優しさと切なさ、でも「書けてな~い!」。

『ちかえもん』1話、初老のシナリオライター・近松門左衛門の愉快なおはなし。

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朝ドラ感想記事のまとめ。

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少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。





■言うても詮ないことなれど


 

討ち入り前に蕎麦を食べたことを後悔しはじめる赤穂義士。
どうせ食べるならわかめそばにすればよかった、鴨南蛮にすればよかった。



板わさも焼きのりも、タコワサも焼きみそも、トッピングすればよかった。
セットのだし巻き、大根おろし添えもつければよかった。
あと蕎麦がきも


無念じゃあああああ!!!!!

とまあいきなりの蕎麦テロしかけてきた赤穂義士。
討ち入りだろうと何だろうと、死ぬ前には何かを後悔するのが世の常……

でもそばのトッピングで後悔してんじゃねえよwww

茂山一家による豪華な劇中劇、ありがとうございました。




■ちかえもんが話しかけてきた


そんなどうしようもない劇中劇を拵えたのはこのひと。


「どや、意外やろ。なんと切腹の場面から始まるんや。なんでこないなことになったのか、という顛末を書いていくんや。」

なんってメタ発言……!!

『ちかえもん』第1話は、竹本座で曽根崎心中が演じられており、義太夫とちかえもんが曽根崎心中誕生を振り返るモノローグからはじまるのですが。
「なんでこないなことになったのか、という顛末」とはまさにこのこと。

ちかえもんのメタ発言に爆笑後、
万吉との編集会議。
ちかえもんの考証不足を指摘していると


「もっと表に出かけんと、ほんまに大恥かきまっせ」
「恥の多い生涯を送ってきました」


突 然 の 太 宰 www


討ち入りしたのは47人、腹を切ったのは46人。
減った1人は誰?なんで?、それを書こうよ!と万吉。

で、「その47人目の侍は誰なんだ」とちかえもんが尋ねますが…

 
「花咲じいさんの…吉四六さんの衣紋掛けの…」
「寺坂吉右衛門や!」
「よう分かりましたな」


相変わらずひどい万吉の空耳。

・はなさかじいさん
きっちょむんさん
えもんかけ


ほんとにちかえもんよくわかったなwww


めくるめく笑いを振りまく中、急にちかえもんがテレビ画面に向きなおり


<木曜8時にテレビの前に座り、時代劇をご覧になろうちゅう善男善女の皆さんには「釈迦に説法」でございますが…>

話しかけてきたあああああああ。
何この時代劇www





■またなんかいきなり始まった


そしたらまた何か始まった


<寺坂吉右衛門はんは「消えた四十七人目の赤穂義士」として名高いお方です>
<いろんな説がおますが、真相はいまだにミステリーです。>


寺坂吉右衛門の行方で盛り上がる2人。


ミステリーて。
元禄の時代劇の番宣でもなく台詞(ナレだけど)にミステリーてww






■自虐が過ぎる義太夫さん


母上の井戸端の噂によると、寺坂吉右衛門は大坂に潜伏しているとの噂。
見つけたら袋叩きにして奉行所に突き出されるという。

寺坂吉右衛門が汚名を着せられても大事にしたいものはなんだったのか、と考えながら歩くちかえもんにばったり義太夫さん。

 
「何や!わしは書いてるで!そないな言い方せんでもええやないか!」
「どうせ言うに決まってんねん!あんたはそういう心の狭い男や!」


義太夫さん何も言ってないのに、ちかえもんひどいwww
義太夫さんもしょんぼりきちゃって。

「……たまたま会うただけで、なんでそないにぼろくそ言われなならんねん」

この2人、実は結構好きwwww



「客は入れとうても入らへんけどな」
「自虐が過ぎるで」


油屋といえば黒田屋。
ちょうど赤穂義士の討ち入りちょっと後の暮れに大坂にやってきたという。
しかしそれまでどこで何をしていたかは誰も知らない…

<もしかするとあの黒田屋はんが消えた赤穂義士の寺坂はんかもしれん>

ここからちかえもんの暴走…じゃなくて想像がひろがっていきます。



■朝のたくあんの残りが赤うなってる


万吉の空耳も大概でしたが、暴走したちかえもんの空耳もなかなかひどい。

 
<朝のたくあんの残り…あさのたくあんのかみ…淺野内匠頭~?!>


<赤うなっとる…あこう…赤穂~?!>

逆にすごいよ、ちかえもんwww



■想像力がたぎるちかえもん


手代となって出直すことになった徳兵衛は、平野屋で佐七らと生き生きと働いていました。
「なんや手代扱いになって若旦さん、かえってよかったみたいでんな」
番頭の喜助さんも嬉しそうな様子。

ちかえもんはそのころ……

 
<おっ!旦さんナイス!>
<ごまかした~!隠した~!>


黒田屋を覗き見してました。

と、突然旦那さんが障子を開けてしまい



まあ、こうなるわな。
黒田屋は、前回(1話で匕首を突きつけたこと)を詫びますが、ここでもちかえもんの暴走妄想は止まらず。

<時に激しく気持ちが高ぶり、時にそんな己を恥じ、過ちがあれば潔く頭を下げるあの高潔さ…間違いあれへん。
 黒田屋久平次はんこそが、四十七人目の赤穂義士、寺坂吉右衛門はんやったんや!>


だんだんそう思えてくるから不思議だよ。



■徳兵衛がひっ捕らえられた謎


と、そのとき天満屋で初と徳兵衛が会ってました。


「梅や。もうほとんど散ってしもてるけどな」
「さよか…今年も見られんままやったな…」


2人で何やら切ない感じですが。
突然捕り物騒ぎが始まり、捕らえられる徳兵衛。


「不孝糖なる飴を売り歩いたかどで引っ立てる!」

これに待ったをかけたのが万吉でした。


「待ったらんかい!わいは不孝糖売り・万吉や!わいが親分でそいつは子分や」
「子分やのうて親分であるわいを引っ立てんかい!」


でも「アホの戯言」とされ、放置される万吉。
「落ち着け」を「餅つけ」とまた聞き間違えてしまう始末。
しかし妙なのは徳兵衛だけが連れていかれたこと、と天満屋の旦那が気づきます。

最初から徳兵衛だけが狙いだったのでは?と黒田屋。
初は混乱して…

 
「徳様やないとあかん!平野屋徳兵衛やないとあかんのや…!」





が、徳兵衛はすぐに帰ってきました。
黒田屋が嘆願の文を届けさせたとのこと。

徳兵衛は黒田屋に礼を言い、
「父親に話せないようなことがあれば同じ若手商売人同士、話そうよ」と何か妖しい雰囲気

いや、そもそも徳兵衛だけの捕り物を仕組んだのも黒田屋なんじゃないのか…?と思っていたところ


<か…かっこいい~!>

そっちかい!!

ちかえもんはもうすっかり黒田屋=寺坂吉右衛門モード。
大石内蔵助はんから何か密命を帯びて、大坂に潜伏しているとの推理。


その後、同心と黒田屋が何やら話してます。
それを見かけた万吉は……



何か勘付いた。

この万吉とちかえもんの黒田屋像の対比が面白いです。
明らかにうさんくさい、でももしかしたら47人目の赤穂義士なの?どっちなの?
と、見ている側をテレビから離してくれません。





■平野屋の過去


帰ってきた徳兵衛。平野屋忠右衛門はことの経緯を聴き


「黒田屋には近づくな。ええから近づくな!」
「お母ちゃんが亡うなったときとひとっつも変わりまへんな」


思えば平野屋も謎なんです。
徳兵衛はともかく忠右衛門は、一体何をしてそんなに大きくなってるの。
(いや醤油なんだけれども。)




■うた・近松門左衛門


まだかなまだかなと思ってたら、突然はじまりました。
メインディッシュ。


「行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ 君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ」

4話の替え歌は、井上陽水『傘がない』でした。

「あんまりええことやおまへんな」
と万吉が登場して、終わり。
今週ちょっと短めでしたが、この君ってのは黒田屋を指してるってと、雨の降らしかたが雑ってのがじわじわくる。


「いんちき花咲吉四六に尋ねたいことがおまんねん」
「ええ~?何や知らんけど邪魔すな!寺坂はんの帯びとる密命が、あっ、何なのかを」


ちかえもん、突然の歌舞伎www
あんた歌舞伎嫌いじゃなかったっけwww



■名探偵ちかえもん「あの白い粉」


黒田屋の屋敷にやってきたちかえもんと万吉が目にしたものは……



白い鸚鵡。
このやろう藤本脚本このやろう……!!!←褒めてる。


で、黒田屋対して万吉が

「おいこら花咲吉四六。十手持ち唆してあほボンひっ捕らえさしたんは、あんたの差し金やな?」
「あんたはわいとあほボンが楽しそうに商いしてるのを見て、羨ましいと思てたんやろ」
「いずれは不孝糖を我が店で商うてひともうけしたろっちゅう筋書きや!」


途中から盛大にずれていく推理を繰り広げます。
そもそも花咲吉四六ってなんやなん。

なぜかブチ切れるちかえもん。
寺坂吉右衛門がどんな思いで大坂に潜伏しているかを「あほ!ぼけ!かす!」と殴ると。


「寺坂さん!あれはなんでっか!」
「あれは…赤穂の塩でんな?」


危ない粉とかじゃないよ。
赤穂の塩だよ。
かっこよく言うんじゃないよ。


ちかえもんの謎の推理は、赤穂の塩と赤穂義士の因縁。
大石内蔵助が寺坂吉右衛門へ渡した密命は
「いつの日か赤穂の塩でもって淺野家を再興させい」というもの。
それにはまず銭がいるため、大坂で商いをはじめ、タイミングを見計らって平野屋の助けを請う。

 
「黒田屋さん…あんた、消えた四十七人目の赤穂義士、寺坂吉右衛門でっしゃろ?」

名探偵ちかえもんの名推理!

……の後ろでは万吉が変顔をしていまいた(これがまた青木さん楽しそうでいいんだよなあ)



■真実は……


黒田屋が語り始めます。

 
「いかにも。私が寺坂吉右衛門です。どうかこのことは内密に」

ナイミツニナ!ナイミツニナ!コノコトハナイミツニナ!!!
(脊髄反射です、気にしないでください。だからもう藤本先生が白い鸚鵡入れたりするからぁ)

大正解に喜ぶちかえもんでしたが、黒田屋の言うことは少し違いました。

「確かに吉良は憎かった。しかし私は…浅野の殿様も憎かった。四十六人の侍たち皆憎かった!」
「浅野の切腹も吉良への討ち入りも義士たちの最期も…全て私の…たくらみだったのですよ」
「一人残らず殺して自分だけが生き残る…そういうたくらみだったのですよ」




山崎さんの圧倒的迫力……
マジか、と思わず思ってしまうほどでしたが。

「そういった筋が…私には好みです」

だよね、そうだよね。
いくらのなんでもそんなわけはないよね。


と思いたいのものの。
もちろん寺坂吉右衛門の話は口から出まかせなんだとしても、彼が平野屋を恨む何かを示しているような気がします。
「弱者が強者の上に立つ」ことを狙ってるんでしょうか、黒田屋は何者なのでしょう。




■万吉天使説


って、すっかり信じ切ってるちかえもんはまだ黒田屋=寺坂はんと信じています。
そこに母上の井戸端情報。
「寺坂吉右衛門の居場所はとうの昔にわかっておるそうじゃ」



 
「しょうもないうそついて、あんたをからかったんでっせ」
「ほな誰や…黒田屋はんは一体どこから来たどこの誰なんや?」


pgrと笑う万吉ですが、ちかえもんはどうも腑に落ちない様子。
そう。
ちかえもんにも視聴者にも、「じゃあ黒田屋は一体誰?」という疑問が残ってるんです。

でもまあ万吉はそんなことはどうでもいいと。


「おかあはん、おかあはん!わいもう寝ますさかい。なんぞ本読んどくんなはれ」
「子供か?!お前は!」
「すぐ眠れるように信盛の書いた本にしましょうね」


万吉……天使か!!!


いい大人が「寝るから本を読んでくれ」なんて言ったら「はぁ?」ですが。
これが万吉だと

……許す!!

となるから不思議です。


でもこの万吉も謎なんですよね。
藤本さんの脚本からして、無駄な設定や台詞、小道具はないはず。

孝行が至高とされる元禄の世に、親不孝を奨励する『不孝糖』を売り歩く男。
忠臣蔵、47人目の赤穂義士・寺坂吉右衛門、黒田屋の言葉、義太夫の突然の自虐。
物語の根底に流れる「曽根崎心中」、切腹した赤穂義士。
究極の親不孝、究極の不忠義。

もしかして万吉が寺坂吉右衛門、なんじゃなあないのか。





■結局誰も分かっていない


黒田屋と初の謎の密談。
物語の折り返し地点、これはターニングポイントになりそうです。

 
「平野屋の若旦那を救ったのはおまえのためではない。まして…あの若旦那のためでもない」

黒田屋の恐ろしい計画の全貌が明らかになります。
平野屋の稼ぎ、あの蔵の中の朝鮮人参。
それを扱う手腕。
そのすべてを乗っ取る、と黒田屋。

当然初は「徳兵衛と恋仲にある自分になぜそんなことを話すのか」と、また妖艶に尋ねます。
すると黒田屋は


「おまえは徳兵衛にほれてなどいない。狙いは平野屋…忠右衛門だろう?」



!!!!!!

あれっ、私の知ってる曽根崎心中と違う。
これは……そう簡単には徳兵衛と初の心中にはいきそうにないぞ…!!

ていうか山崎親分、このヒール感かっこいい…!!








黒田屋もお初も、そして平野屋もわからない。
そもそも主役の万吉が謎。

けれど物語も全8話の第4話が終わり、それぞれが徐々に浮き上がってきました。
平野屋の秘密、黒田屋のたくらみ、お初が出世景清をそらんじていたこと。
どこか謎が深まる(でも可愛い)万吉。

これは目が離せなくなってきたぞい。


…ってな陳腐な言い回しはわしのプライドが許さんのである。






■ルビwww




「標的」を「ターゲット」と読ませる時代劇www



■おまけ、ちかえもんの歌を予想しよう。








……やっぱり井上陽水来たら吉田拓郎が欲しいのが人情ってもの。

吉田拓郎『人間なんて』で、「人形なんてララーラーラララーラーラー」でも。
(あっ、人参もいける)

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