BSプレミアム・朝ドラアンコールにて再放送中、2003年BK制作、石原さとみヒロインの『てるてる家族』。
24週目のネタバレ感想レビュー。後半戦。
春子姉ちゃん、嫁入り。(ローリーのあの話も)
前半はこちら。
『てるてる家族』24週 その1.動き始めた未来に怯むことはない
関連リンク
・『てるてる家族』23週 その2.お母ちゃんの青春
・『てるてる家族』23週 その1.虚実皮膜の向こうに
・『てるてる家族』22週その2.鐘の音降り注ぐ教会で
・『てるてる家族』22週その1.佐世保、はじまりの地へ
朝ドラ『とと姉ちゃん』『あさが来た』『ゲゲゲの女房』『あまちゃん』などこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
『真田丸』『精霊の守り人』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
『重版出来!』『天皇の料理番』『新釣りバカ日誌』など民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
●お嫁に行くその前の日
新郎の岡谷くんが来ました。
「開店祝いやったらまだ受け付けてますよ」
「何がええ?」
「春子姉ちゃんの幸せ」
やだもう冬子。お姉ちゃん思いで素敵じゃないの。
「お安い御用や」
岡谷のくせに!岡谷のくせに!岡谷のくせに!!
春子姉ちゃん幸せにしなかったら、今度こそ投げ入れるからな!!
その岡谷くんに春男がどうもよそよそしい。
謝る春子ですが、それは仕方ないと岡谷。
「一番先に僕たちの事分かってくれた人やんか」
……なんだおまえいいやつだな(ひどい)
岡谷の初登場は15週。
スケートリンクの隅っこで春子を煽り、そこから愛を叫ぶっていう「こいつモテねえだろうな」と思わせる初登場でしたが。
競技生活に悩む春子を支えるうちに仲良くなり、あれよあれよと家族に紹介。
「あの男潰す」と殺気漂わせる照子にかわって、若いカップルに理解を示したのは春男でした。
緊張しいの春男が精いっぱいの父親らしさを魅せるも「ハハッ」と緊張をほぐす春男が素敵だった17週。
●結婚なんて
結局岡谷くんに会うも、いそいそと工場に引っ込んでしまった春男。
工場にいる春男を春子が呼びに来ます。
肩をマッサージ。
「長い間…」と話しかけると「ひいい」と固まってしまうのは前日になっても変わらず。
ほんとにこの春男さんは、娘のことが大好きなんだなあ。
(で、春子は判っててやってるだろww)
いつまでも拗ねていないで。
明日はきちんと挨拶をして、と頼む春子。
自分の下にもう3人いるのだから。
「冬ちゃんと和ちゃんが受け継いでくれんのやろ?あの二人が結婚したら安心よね?お父ちゃんはあの二人が結婚しても反対せえへん」
けったいなことを言わないで、と冬子は否定するも感極まった春男は…
「結婚なんてせんかてええ!」
そういえば、11週、夏子が鼻にパチンコ玉をつまらせてしまったとき(これ実話)。
なぜか喜介に激怒する春男について工場長はこんなことをいっていました。
「地球がひっくり返ってもボケッとしてる人やけど、娘がひっくり返っただけでカッとなる人なんや!」
「心配だけは人一倍するんや」
かわいいてしゃあない娘たちが遠いところへ行ってしまう。
イースト菌・春男の寂しさ。
●新しい夢に向かって
そのころ照子。
またなんつう物騒な歌を。
うなだれる春男を放置してテレビにみいってる照子www
そうそう、いつも家でもニコニコしてるわけじゃないんだよ。
いつも「大博打のはじまりじゃ!」で踊ったり歌ったりしてる照子だけど、たまに垣間見える母性や人間性がとてもいい。
結婚式を控えて姉妹は荷物の整理。
春子が取り出したのは、一番最初に照子に買ってもらったスケート靴でした。
「『練習せえへんのやったら脱ぎ』言われたこともあったな」
そのとき母に厳しい言葉をかけられながらもスケートに向き合おうとする春子を守ったのは夏子でした。
4週
春子と夏子、大人になった今こそオリンピック代表選手と紅白歌合戦出場歌手ですが、幼い頃は同じアスリート。
姉妹であると同時に、競技仲間、ライバル。
あるいは練習に明け暮れて同世代の友人がい少ない2人にとっては友達。
だからこそ春子が夏子を励ます言葉にはグッとくるし、夏子が春子を称える言葉にも思わず涙腺が緩んでしまいます。
スケートに邁進していた頃を思い出す春子に、冬子は「今、夢はあるか?」と尋ねました。
「そらあるで。これから見つけるつもりや。これから新しい夢を見つけることが今の私の夢や」
昔の自分みたいだ、と冬子。
そんな冬子はずっと幸せだったんだよ、と春子は語りかけます。
よくわからない、でもそれが幸せだ、と笑顔のこぼれる姉妹たち。
物干し台に飾られたカラフルなてるてる坊主。
4人の人生がそれぞれの色で彩られているように。
●稲本先生
翌日のシャトー。
久しぶりの人物がやって来ました。
稲本先生!!
照子、その気がないのはわかるけど刃物は置いていきなさいwww
「『おめでとう』ぐらいは落ち着いてちゃんと言いたかったから」
「先生…ほんま長い間お世話になりました」
「いや、ちょっ…やめてよ、言う相手間違えてるわよ」
春子を支えたのは照子や春男だけではなく、この稲本先生の力も大きかった。
春男相手に「長い間…」コントを見せて、意外にも稲本先生相手に春子の素直な気持ちを伝えさせるのがお見事。
久しぶりの稲本先生でテンション上がるのはこの人も同じ。
「まず春子がお色直し終わって場が十分に和んだら、私がお色直しをします」
「えっ?」
なんで新婦母親がお色直しすんのwww(と思ったら実話でしたこれ)
●まちのあかりがとてもきれいなヨコハマ
そんなこんなで盛り上がっていたら、夏子もやってきた。
夏子との再会が嬉しいのは稲本先生も同じ。
スケートとは違う道を行ったけれども、今や芸能界で大活躍。
稲本先生、もちろん『ブルー・ライト・ヨコハマ』を歌いだすのですが。
「まちのあがりがとてもきれいなヨコハマ」
「……きれい『ね』」
なんでいしのようこにほんこんと同じボケをさせるのwwww
22週
で、エンディング。
こらスタッフ遊ぶんじゃない。
ところで。
春子と稲本先生ですが、こちら。
●水入らずの時間を
「今日は春子姉ちゃんが岩田家で過ごす最後の日です」
明日、春子はお嫁に行きます。
先日のすき焼きは飢えた宇宙人で大変なことになってしまったので、もう一回すき焼き。
さすがにこの日は、和ちゃんも弘子姉ちゃんも遠慮して席をはずし、純粋に岩田家だけの食卓。
「こないしてほんまに家族だけそろうやなんて初めてみたいな気ぃするし」
遅い時間まで商いをやっている家でもある岩田家。
春子夏子は小さい頃からスケートのレッスンなどで帰りが遅いことも。
落ち着いて考えたら、四姉妹と夫婦がそろうのはとても久しぶりなのかもしれません。
もしかしたら、夏子が東京に旅立つ前夜以来かもしれない。
11週
和ちゃんはまだいなくて、静子姉ちゃんがいて、弘子姉ちゃんもまだいるころ。
11週にはいたけれど、24週にはいない人がもう一人。
亡きおばあちゃん。
でも「ここにいてくれているような気がする」。
そんなことを冬子が言った直後。
おばあちゃん降臨なさってたwww
誰も箸をつけていないはずなのに「なんだか減ってる」と冬子が不思議に思うのも当然。
普通に食べてるんだもんwww
●姉妹の夜
赤い打掛がかけられた春子の部屋。
夏子と一緒に休むことになりました。
たまには新居に遊びにおいで、と春子。
「新婚リア充のとこなんて嫌だ」と言いつつ、義兄になる岡谷が自分のファンだと知ると「じゃあ行くかな」と夏子。
夏子……明るくなった。
軽口叩けるくらいに強くなった。
ほんわかしてるイメージだったけど、23週のいしだあゆみとの共演を挟んでから、笑顔の中に少したくましさが見えてきているような気がします。
「春ちゃん、幸せになってな」
「幸せやで」
子供時代のようにじゃれあう春子と夏子。
春子は夏子が忙しい中帰ってきてくれたことが嬉しくてたまらないかのように。
しっかりもののお姉ちゃん、年子の妹。
お互いに理解者同士でもある2人のじゃれ合いが微笑ましい。
●明日の良き日を願って
賑やかな姉妹の寝室とは一転、照子と春男は眠れない夜を過ごしていました。
「何かいろいろ思い出してしもて…」
「俺もや…ちっちゃい頃のことばっかりや。大きなってからはお前に取られてしもたからな…」
「ほんま…終わってみたらあっというまなんやね…」
見つめる先にはてるてる坊主。
明日の良き日を願って。
※前半、ミニスカはいてアフロのヅラかぶって、踊っていた夫婦と同じ夫婦です。
●春子姉ちゃんのお姉ちゃん。
「そしてその日がやって来ました」
お店に続々と集まってくるご近所談たち。
「アレ…もう終わってしもたんやろか」
「アレを見んことにはスピーチに張りが出えへんもんな」
「アレ」を観たいゲスご近所さんたち(ノ∀`)
何を観たいのかというと、コレ。
「弘子姉ちゃん、長い間、ほんまにお世話になりました」
着付けを手伝ったのは弘子姉ちゃん。
昔から姉妹の着付けを手伝うのは弘子姉ちゃんでした。
(3週)
四姉妹の長女・春子にとって、姉のような存在でもある弘子姉ちゃん。
20週で松本さんのところに嫁ぎましたが、こうした交流は変わりません。
この鏡越しの絵。どこかで観たなあと思ったらこれでした。
18週
少し時間が前後するのですが、披露宴でスピーチをする予定の人物は2人。
佐藤のおじ様と稲本先生。
佐藤のおじ様が来賓としてのスピーチだとすれば、稲本先生は友人代表スピーチになるわけで。
稲本先生、スケート漬けの生活送ってきた春子にとって、コーチであると同時に大切な友人でもあるんですね。
春子が今こうして「ハレの日の主役」でいられるのは、こうして一緒に鏡を覗き込んでくれる『姉』や『友人』がいたからなのでしょう。
なんとも粋な演出です。
冬子たちもやってきてワイワイ。
そんな華やかな姿を後ろからおばあちゃんもそっと覗いてて。
(内側にも取っ手ついてるのねwww)
●ここが我が家
準備の整った春子が階下に降りてきました。
みんな綺麗だけど、今日は春子姉ちゃんが一番綺麗。
春子の晴れ姿に緊張する春男、を覗き込むのは……
ゲスなご近所さんたちwww
朝ドラで立ち聞き盗み見はよくあるけど、隠す気ねえのなwww
佐藤さんは地元の名士だけど、ここはさすがに「閉めえ!」とシャットダウンされちゃいました(当然だ)
と思ったら、式場スタッフでしょうか。
タクシーの迎車が来ました。
「ちょっと待ってください。我が家はちょっとここからが長いんです」
弘子姉ちゃんにとって『我が家』。
「ここからが長い」ことを知っている。
そんな「アレ」を観たいからご近所みんな集まった。
ご近所にとっても『我が家』同然の岩田家。
●あの子の幸せを
いよいよアレ。
「お父ちゃん。お母ちゃん。夏ちゃん。秋ちゃん。冬ちゃん。長い間…ほんまにお世話になりました」
「あんまり幸せすぎたから、これ以上に幸せになれるんやろかて、ほんまは自信はないんやけど……」
「お父ちゃんとお母ちゃんが一からこの幸せを築いたように、私も…岡谷さんと…一緒に一から築いていきます。ほんまに、ありがとうございました」
頭を下げる春子に、照子が優しい口調で語りかけます。
「どんなに辛うてもどんなにひもじいても、あんたの顔見てたら、お父ちゃんもお母ちゃんも、自然と笑顔になってたんよ。そやったね、あんた?」
春子が生まれたのは戦後間もない頃。
春男も照子の若夫婦は、幼い春子を背負って日々を暮らしていました。(1週
「あんたは…お父ちゃんとお母ちゃんにとって…どんなものよりも…空に浮かぶ太陽よりも…なくてはならないもんやった」
「ようこないに大きなって…ありがとう」
春子の目からこぼれ落ちる大粒の涙。
ずっと目に涙を浮かべていた春男もついに溢れました。
照子に促され、口を出た言葉は。
「春子……幸せになり!」
礼服の袖で涙を拭きながら号泣する春男。
礼服の袖が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになって。
頭を下げて。
春子もまたこぼれ落ちる涙をこらえるようにギュッと唇をかみしめながら、頭を下げて。
岩田家で過ごした日々を思い出していたのでしょう。
温かい両親と妹たち、ご近所さんに囲まれた家族の日々。
「春子…幸せになりい」
「幸せになりい!」
「幸せになりい!」
何度も何度も。
繰り返される娘への愛の言葉。
何度も何度も。
店の方にも響き渡り、大粒の涙を拭うご近所の人たち。
幸せを祈るのは一番は家族だけど。
でも家族だけじゃない。
きっと、弘子姉ちゃんや寺井夫妻らご近所さんの分まで「春ちゃん、幸せになり」言ってくれたんだろうなあ。
堪え切れず声をあげたのは意外な人物でした。
待たされていたタクシーの運転手さん。
涙の中、思わず笑ってしまいました。
あれだ、『マッサン』のシャロやんと玉鉄が「あさイチ」に出演したときの通訳さんのように。
涙の中の笑い、これがとても温かい。
●てるてる坊主に祈る
披露宴の様子は描かれませんでした。
そもそも五輪出場選手とスポーツ雑誌記者の挙式って規模的に凄そう。
セット撮影だとしても尺も番組予算も使いきっちゃいそう。
結婚式そのものは描かれずとも、『お嫁に行く』がじっくり描かれていたので、披露宴の様子が想像つきます。
秋子が手伝ってハイレベル装飾が準備されたことでしょうし。
冬子のウェディングケーキならぬウェディングパンもきっと。
佐藤のおじ様のスピーチはあの調子だから長すぎて、工場長から「長い!」と怒られたでしょう。
稲本先生のスピーチは途中で鼻をぐずらせて、涙をさそったかもしれません。
余興でイースト隊、ローリー、田中コーチがライブをしたもしれない。
和ちゃんも一発芸披露したかもしれない。
夏子が歌わされてるうちに、冬子も宝塚時代の血が目覚めて歌に踊りに乱入するかもしれない。
そうこうしているうちに照子がお色直しをしてきて、また弘子姉ちゃんとタッグを組んで乱入してくるかもしれない。
でもきっと、お父ちゃんは席に座ってる。
ニコニコしながらも、泣きながらも座ってる。
ただ誓いの口づけでは暴れ出しそう。
新婦のあいさつできっとまた「幸せになり!」って言っちゃうんだ。
わからない、妄想だけどきっと『てるてる家族』らしい式に仕上がったんだろう。
結婚式が終わり、春子は岩田家を出ていきました。
その夜、物干し台で。
春子のためにいくつのてるてる坊主をぶら下げただろうかと振り返る照子。
「ようけ、ぶらさげたもんね…ようけ、ぶらさげさせてくれる子ぉやった…」
「その数だけ…あの子は俺らに幸せくれたんや…」
ぶら下げたてるてる坊主の数だけ幸せがある。
夫婦が見上げる空にはいくつものてるてる坊主。
右端には、これから新生活を始める若い夫婦。
それはかつての春男と照子のようでもあり。
『てるてる坊主の照子さん』。
原作のタイトルにも出てくる『てるてる坊主』は、この作品の原点ともいえる存在なのかもしれません。
明日もきっと晴れますように、と祈って(1週)
『幸せ』を大事にしたくて、飾っていたてるてる坊主。(8週)
時には弘子姉ちゃんや和ちゃんのために飾ったり。
夏子の東京の家にも飾っていたり。
冬子が木塚兄弟に手渡したり。
どこにいても何をしていても変わらないのは。
相手の幸せを願うという気持ち。
その『幸せ』とは、子どものことを思うということ。(22週)
数えきれないてるてる坊主は、数えきれない幸せの数。
●秋子、就職に悩む
春子姉ちゃんの結婚式から数日。
秋子の研究はどうなってるかというと。
エビ問題に奮闘中。
でもまあエビは2000種あるから、どれかは成功する、諦めたらいけないと励ます秋子。
「ほんまに岩田と社長は気が合てるうんやな」
「好きなだけですよ、こういうことが」
好きこそものの上手なれ、何かを達成するにはまずそれを好きである事。
秋子の表情が生き生きしているのですが、森野君が秋子の就職先について言及すると。
うん、やっぱり複雑そう……。
春子の結婚、夏子の紅白歌合戦デビューなど、物語が一つずつゴールしていく中で秋子の話はまだ終わっていません。
千吉博士から池田食品に入社してくれとスカウトされたときも「考えておきます」と複雑な表情。
うーん、秋子はどうなるんだろう。
院進学?思い切って米原さん方向の芸術分野?
聡明なイメージ、かつ吹っ切れた天才(急に踊り出す)な秋子。
彼女の才能を生かす未来があることを祈るばかり。
●夏場に放置されてたあの宇宙人話。
池田のお財布・佐藤のおじ様が銭札束持ってやって来ました。
お祝いを受け取りながら、冬子が効いたのはあの話。
夏場のアポロ11号月面着陸のときに放置されていたあの話。
(23週)
ああその妄言あったな。
(春子姉ちゃんの結婚式とかブルーライトヨコハマとか濃厚だったからすっかり忘れてました)
えっマジなの?
……??
「正体を知った人に好きや言うてもろたら人間になれるんや」
………???( ゚д゚)
正体を知られたローリーは宇宙に帰らなければいけない。
それを防ぐ唯一の手段は、正体を知ってしまった人から「好きだ」と言われること。
そうでないと宇宙に返さなければならず……
なんだこれ何の話だ。
さっきまで春子姉ちゃんの結婚式と秋子の就職の話だったけど。
なんだこれなんだこれ。
佐藤のおじ様は冬子に「ローリーに好きと言ってくれ」と頼むも半信半疑の冬子。
と、その冬子の心情を見透かしたように。
世間の誰も信じるはずがない、と真顔を続けたまま佐藤のおじ様。
「そやからそんな奇跡は起こりようがあらへんのや」と、ローリーとの別れを悲しむモードに入り、さすがに混乱する冬子。
えっローリーマジで宇宙人なの?
●冬子、初めて告白する
ローリーが宇宙に帰ってしまうのは悲しい。
ならば「好き」と告白すればいい、と冬子。
「いや…あんな…よう考えてみたら…あんたのこと…ローリーの事…好き…かもわからへん…」
……冬子?
あああああ、和ちゃん!!聞いてしまった!!
あああああ、和ちゃんまたそんな幸薄そうな顔をして!!
何はともあれ、初めての告白をした冬子。
「それが嘘でもほんとでも、生まれて初めて人に好きと言ったことは、私に不思議な余韻を残したのでした」
●ローリー、アイデンティティを喪失する
翌日、ローリーがやってきて封筒を手渡しました。
「僕の気持ちは歌にしてきた」
「もっと早よ君にこの歌を贈るべきやった」
……ローリー?
「えっどういうこと?」「え?まさか」
といろんな可能性が脳裏をよぎるこの一連の宇宙人話でしたが。
ちょうどローリーと同じタイミングでやってきた佐藤のおじ様が段ボールから取り出したのは、一冊の本。
「わしが書いた本や」
それは佐藤のおじ様、道頓堀散歩(7週で初出)の小説でした。
若い人にも読んでもらえるようにSF小説風味に仕上げたという作品。
舞台は池田、ゴガツヤマで見つけた宇宙人の子どもを拾って育てる金持ち紳士の物語。
……うん?
「それって、ぼくのことやないですか!」
ですよね、ですよね。
ローリーを宇宙人に見立てて書いた、と佐藤のおじ様。
ローリー納得いかず、アポロ月面着陸のときに話してくれたじゃないかと食って掛かるも。
「いやあれは構想をこう練っているときにな。こんな話をチラッとお前にしたらな、どんな顔するかなていう……わしの取材やった、取材」
………( ゚д゚)
佐藤のおじ様ひでえwww
あのあとローリー、完全に宇宙人だったのにwww
無駄に告白したヒロイン。
↓
盛大にアイデンティティが崩壊して、人間不信に陥ってそうなヒロインの幼い頃からの友達。
↓
多分一番ゲスい人。
↓
ひっでえ話www
うん?
いやいやいやいや、道頓堀散歩はわかったけど。
ローリー傷心や冬子ぐったりはいいんだけど。
えっ。
だって和ちゃん……和ちゃん……
●和ちゃん、勘違いをする
って思ったら案の定。
盛大なドッキリに騙されて、「あのメガネ絶許」とぼやく冬子。
とりあえずこの気分をどうにかすべく、和ちゃんをナチュラルにデートに誘うのですが。
「ローリー誘たらええやん」
「……?( ゚д゚)」
「俺、聞いてしもてん……ごめん」
「……?(; ゚д゚)」
和ちゃんが完全に誤解してるwww
そりゃそうだ、和ちゃんなら勘違いするわwww
「ええっ?!えっ?!」
「俺はええ思うで」
「ち、ちちちちちちゃうねん!!あれは、ローリーが宇宙人で!人間に!戻すために!」
ふwwゆwwwこwwww
「そんな苦しい嘘つかんでええねん、俺のことは気にせんといて」
ちょwww和ちゃんwww
ローリーへの告白から、真相解明、和ちゃんの勘違いまで腹筋壊れるかと思いました。
……あれっ「俺のことは気にすんな」って和ちゃんもナチュラルに告ってね?
●冬子、あのローリーにフラれる
「…なんちゅう日や…なんちゅうアホなんや私は…」
ドンマイドンマーイ!!
ふと目に入った、ローリーのあの封筒。
中は楽譜でした。
──貴女の気持ちは分かるけど、僕には何もできない。
──貴女とは生きられないから、僕はこのままひとりでいくよ。
──冬が来るたび、僕は貴女を思い出すだろう
「フラれたっていうこと…?ローリーに…?」
「フラれたっていうこと…?ローリーに…?」
「フラれたっていうこと…?ローリーに…?」
「私、フラれたの?!あのローリーに!?」
「いやあああああああ!」
ふwwwゆwwwこwww
てかなにその雑なクソコラwww
初めての告白をローリーにしてしまったということより、盛大に騙されていたことより、和ちゃんに勘違いされたことより。
『あのローリー』にフラれたっていう事実がショック過ぎて発狂する冬子。
そりゃそうだ、『あのローリー』だもん。
鳩でナンパしてきたり。4週
ルー語だったり。5週
子役時代に抜群の振り切った歌を披露したり。6週
そういえばこの6週は、去っていく和ちゃんをめぐる切ないシーンもあったっけ。
他にもパンと牛乳でパシられたり、半径5m以内に近づくなとか言われたり。
ローリーは基本的に『雑な扱い』を受け過ぎて、秋子に鞍替えしてしまったのですが。
そのローリーにフラれちゃあなあ!!
(※ゲスな笑いをしています
和ちゃんの教会話、ブルーライトヨコハマ、春子の嫁入り話とのギャップがえらくきつくて、もう抱腹絶倒。
っとになにあのクソコラwww
これ最終週直前でしょwww
楽しそうだなあBK!!
●次週はついに最終週。
今週の話はベーカリーてるてる家族の誕生と、春子姉ちゃんの嫁入り。
それから秋子のカップヌードルと、あとローリーのあの話。
春子姉ちゃんは、ドラマ初回から照子春男に背負われて登場しています。
乳児役、リトル時代、ミドル春子、それから本役。
半年前はまだ赤ん坊だった春子がお嫁に行く。
ああ時間が経ったんだな、ドラマが終わるんだなあとつくづく実感しました。
とにかく面白い。
「笑い」の意味の面白さではなく、心が震える面白さ。
ローリーに爆笑したり、急に踊りだす夫婦に驚いたり。
ヨネさんとの死別や工場長の言葉、和ちゃんの解放に涙が止まらなかったとき。
ブルーライトヨコハマに眩暈がするくらいに揺さぶられたとき。
その緩急の振り幅がいい。
さらに和ちゃんと冬子は残り1週間でどうなってしまうのか、予告でなぜ秋子は号泣しているのか、
先が読めない、それが『面白い』。
いい意味で時計代わりにならない15分間です。
一日15分、週6回、半年間が終わるときってのはなかなか寂しいものです。
この狂ったような明るさが楽しくて仕方ないんだけど、あと何回で終わると考えると切なくなってしまいます。
次回予告にあった集合写真。
写っている人たち皆、写ってない人も、みんな『大阪池田の栄町商店街に住んでる友達』みたいな感覚です。
泣いても笑ってもあと6回、楽しみです。
24週目のネタバレ感想レビュー。後半戦。
春子姉ちゃん、嫁入り。(ローリーのあの話も)
前半はこちら。
『てるてる家族』24週 その1.動き始めた未来に怯むことはない
関連リンク
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・『てるてる家族』23週 その1.虚実皮膜の向こうに
・『てるてる家族』22週その2.鐘の音降り注ぐ教会で
・『てるてる家族』22週その1.佐世保、はじまりの地へ
朝ドラ『とと姉ちゃん』『あさが来た』『ゲゲゲの女房』『あまちゃん』などこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
『真田丸』『精霊の守り人』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
『重版出来!』『天皇の料理番』『新釣りバカ日誌』など民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
●お嫁に行くその前の日
新郎の岡谷くんが来ました。
「開店祝いやったらまだ受け付けてますよ」
「何がええ?」
「春子姉ちゃんの幸せ」
やだもう冬子。お姉ちゃん思いで素敵じゃないの。
「お安い御用や」
岡谷のくせに!岡谷のくせに!岡谷のくせに!!
春子姉ちゃん幸せにしなかったら、今度こそ投げ入れるからな!!
その岡谷くんに春男がどうもよそよそしい。
謝る春子ですが、それは仕方ないと岡谷。
「一番先に僕たちの事分かってくれた人やんか」
……なんだおまえいいやつだな(ひどい)
岡谷の初登場は15週。
スケートリンクの隅っこで春子を煽り、そこから愛を叫ぶっていう「こいつモテねえだろうな」と思わせる初登場でしたが。
競技生活に悩む春子を支えるうちに仲良くなり、あれよあれよと家族に紹介。
「あの男潰す」と殺気漂わせる照子にかわって、若いカップルに理解を示したのは春男でした。
緊張しいの春男が精いっぱいの父親らしさを魅せるも「ハハッ」と緊張をほぐす春男が素敵だった17週。
●結婚なんて
結局岡谷くんに会うも、いそいそと工場に引っ込んでしまった春男。
工場にいる春男を春子が呼びに来ます。
肩をマッサージ。
「長い間…」と話しかけると「ひいい」と固まってしまうのは前日になっても変わらず。
ほんとにこの春男さんは、娘のことが大好きなんだなあ。
(で、春子は判っててやってるだろww)
いつまでも拗ねていないで。
明日はきちんと挨拶をして、と頼む春子。
自分の下にもう3人いるのだから。
「冬ちゃんと和ちゃんが受け継いでくれんのやろ?あの二人が結婚したら安心よね?お父ちゃんはあの二人が結婚しても反対せえへん」
けったいなことを言わないで、と冬子は否定するも感極まった春男は…
「結婚なんてせんかてええ!」
そういえば、11週、夏子が鼻にパチンコ玉をつまらせてしまったとき(これ実話)。
なぜか喜介に激怒する春男について工場長はこんなことをいっていました。
「地球がひっくり返ってもボケッとしてる人やけど、娘がひっくり返っただけでカッとなる人なんや!」
「心配だけは人一倍するんや」
かわいいてしゃあない娘たちが遠いところへ行ってしまう。
イースト菌・春男の寂しさ。
●新しい夢に向かって
そのころ照子。
またなんつう物騒な歌を。
うなだれる春男を放置してテレビにみいってる照子www
そうそう、いつも家でもニコニコしてるわけじゃないんだよ。
いつも「大博打のはじまりじゃ!」で踊ったり歌ったりしてる照子だけど、たまに垣間見える母性や人間性がとてもいい。
結婚式を控えて姉妹は荷物の整理。
春子が取り出したのは、一番最初に照子に買ってもらったスケート靴でした。
「『練習せえへんのやったら脱ぎ』言われたこともあったな」
そのとき母に厳しい言葉をかけられながらもスケートに向き合おうとする春子を守ったのは夏子でした。
4週
春子と夏子、大人になった今こそオリンピック代表選手と紅白歌合戦出場歌手ですが、幼い頃は同じアスリート。
姉妹であると同時に、競技仲間、ライバル。
あるいは練習に明け暮れて同世代の友人がい少ない2人にとっては友達。
だからこそ春子が夏子を励ます言葉にはグッとくるし、夏子が春子を称える言葉にも思わず涙腺が緩んでしまいます。
スケートに邁進していた頃を思い出す春子に、冬子は「今、夢はあるか?」と尋ねました。
「そらあるで。これから見つけるつもりや。これから新しい夢を見つけることが今の私の夢や」
昔の自分みたいだ、と冬子。
そんな冬子はずっと幸せだったんだよ、と春子は語りかけます。
よくわからない、でもそれが幸せだ、と笑顔のこぼれる姉妹たち。
物干し台に飾られたカラフルなてるてる坊主。
4人の人生がそれぞれの色で彩られているように。
●稲本先生
翌日のシャトー。
久しぶりの人物がやって来ました。
稲本先生!!
照子、その気がないのはわかるけど刃物は置いていきなさいwww
「『おめでとう』ぐらいは落ち着いてちゃんと言いたかったから」
「先生…ほんま長い間お世話になりました」
「いや、ちょっ…やめてよ、言う相手間違えてるわよ」
春子を支えたのは照子や春男だけではなく、この稲本先生の力も大きかった。
春男相手に「長い間…」コントを見せて、意外にも稲本先生相手に春子の素直な気持ちを伝えさせるのがお見事。
久しぶりの稲本先生でテンション上がるのはこの人も同じ。
「まず春子がお色直し終わって場が十分に和んだら、私がお色直しをします」
「えっ?」
なんで新婦母親がお色直しすんのwww(と思ったら実話でしたこれ)
●まちのあかりがとてもきれいなヨコハマ
そんなこんなで盛り上がっていたら、夏子もやってきた。
夏子との再会が嬉しいのは稲本先生も同じ。
スケートとは違う道を行ったけれども、今や芸能界で大活躍。
稲本先生、もちろん『ブルー・ライト・ヨコハマ』を歌いだすのですが。
「まちのあがりがとてもきれいなヨコハマ」
「……きれい『ね』」
なんでいしのようこにほんこんと同じボケをさせるのwwww
22週
で、エンディング。
こらスタッフ遊ぶんじゃない。
ところで。
春子と稲本先生ですが、こちら。
『 #べっぴんさん 』にいしのようこさん出るじゃん?滝裕可里さんも出るじゃん?稲本先生とミドル春子じゃん?主従じゃなくて師弟が13年の時を経て再会じゃん!っていう気がつけばてるてる脳。#てるてる家族 pic.twitter.com/9K2qg5ITPH
— ゆずず (@yuzu0905) 2016年8月13日
●水入らずの時間を
「今日は春子姉ちゃんが岩田家で過ごす最後の日です」
明日、春子はお嫁に行きます。
先日のすき焼きは飢えた宇宙人で大変なことになってしまったので、もう一回すき焼き。
さすがにこの日は、和ちゃんも弘子姉ちゃんも遠慮して席をはずし、純粋に岩田家だけの食卓。
「こないしてほんまに家族だけそろうやなんて初めてみたいな気ぃするし」
遅い時間まで商いをやっている家でもある岩田家。
春子夏子は小さい頃からスケートのレッスンなどで帰りが遅いことも。
落ち着いて考えたら、四姉妹と夫婦がそろうのはとても久しぶりなのかもしれません。
もしかしたら、夏子が東京に旅立つ前夜以来かもしれない。
11週
和ちゃんはまだいなくて、静子姉ちゃんがいて、弘子姉ちゃんもまだいるころ。
11週にはいたけれど、24週にはいない人がもう一人。
亡きおばあちゃん。
でも「ここにいてくれているような気がする」。
そんなことを冬子が言った直後。
おばあちゃん降臨なさってたwww
誰も箸をつけていないはずなのに「なんだか減ってる」と冬子が不思議に思うのも当然。
普通に食べてるんだもんwww
●姉妹の夜
赤い打掛がかけられた春子の部屋。
夏子と一緒に休むことになりました。
たまには新居に遊びにおいで、と春子。
「新婚リア充のとこなんて嫌だ」と言いつつ、義兄になる岡谷が自分のファンだと知ると「じゃあ行くかな」と夏子。
夏子……明るくなった。
軽口叩けるくらいに強くなった。
ほんわかしてるイメージだったけど、23週のいしだあゆみとの共演を挟んでから、笑顔の中に少したくましさが見えてきているような気がします。
「春ちゃん、幸せになってな」
「幸せやで」
子供時代のようにじゃれあう春子と夏子。
春子は夏子が忙しい中帰ってきてくれたことが嬉しくてたまらないかのように。
しっかりもののお姉ちゃん、年子の妹。
お互いに理解者同士でもある2人のじゃれ合いが微笑ましい。
●明日の良き日を願って
賑やかな姉妹の寝室とは一転、照子と春男は眠れない夜を過ごしていました。
「何かいろいろ思い出してしもて…」
「俺もや…ちっちゃい頃のことばっかりや。大きなってからはお前に取られてしもたからな…」
「ほんま…終わってみたらあっというまなんやね…」
見つめる先にはてるてる坊主。
明日の良き日を願って。
※前半、ミニスカはいてアフロのヅラかぶって、踊っていた夫婦と同じ夫婦です。
●春子姉ちゃんのお姉ちゃん。
「そしてその日がやって来ました」
お店に続々と集まってくるご近所談たち。
「アレ…もう終わってしもたんやろか」
「アレを見んことにはスピーチに張りが出えへんもんな」
「アレ」を観たいゲスご近所さんたち(ノ∀`)
何を観たいのかというと、コレ。
「弘子姉ちゃん、長い間、ほんまにお世話になりました」
着付けを手伝ったのは弘子姉ちゃん。
昔から姉妹の着付けを手伝うのは弘子姉ちゃんでした。
(3週)
四姉妹の長女・春子にとって、姉のような存在でもある弘子姉ちゃん。
20週で松本さんのところに嫁ぎましたが、こうした交流は変わりません。
この鏡越しの絵。どこかで観たなあと思ったらこれでした。
18週
少し時間が前後するのですが、披露宴でスピーチをする予定の人物は2人。
佐藤のおじ様と稲本先生。
佐藤のおじ様が来賓としてのスピーチだとすれば、稲本先生は友人代表スピーチになるわけで。
稲本先生、スケート漬けの生活送ってきた春子にとって、コーチであると同時に大切な友人でもあるんですね。
春子が今こうして「ハレの日の主役」でいられるのは、こうして一緒に鏡を覗き込んでくれる『姉』や『友人』がいたからなのでしょう。
なんとも粋な演出です。
冬子たちもやってきてワイワイ。
そんな華やかな姿を後ろからおばあちゃんもそっと覗いてて。
(内側にも取っ手ついてるのねwww)
●ここが我が家
準備の整った春子が階下に降りてきました。
みんな綺麗だけど、今日は春子姉ちゃんが一番綺麗。
春子の晴れ姿に緊張する春男、を覗き込むのは……
ゲスなご近所さんたちwww
朝ドラで立ち聞き盗み見はよくあるけど、隠す気ねえのなwww
佐藤さんは地元の名士だけど、ここはさすがに「閉めえ!」とシャットダウンされちゃいました(当然だ)
と思ったら、式場スタッフでしょうか。
タクシーの迎車が来ました。
「ちょっと待ってください。我が家はちょっとここからが長いんです」
弘子姉ちゃんにとって『我が家』。
「ここからが長い」ことを知っている。
そんな「アレ」を観たいからご近所みんな集まった。
ご近所にとっても『我が家』同然の岩田家。
●あの子の幸せを
いよいよアレ。
「お父ちゃん。お母ちゃん。夏ちゃん。秋ちゃん。冬ちゃん。長い間…ほんまにお世話になりました」
「あんまり幸せすぎたから、これ以上に幸せになれるんやろかて、ほんまは自信はないんやけど……」
「お父ちゃんとお母ちゃんが一からこの幸せを築いたように、私も…岡谷さんと…一緒に一から築いていきます。ほんまに、ありがとうございました」
頭を下げる春子に、照子が優しい口調で語りかけます。
「どんなに辛うてもどんなにひもじいても、あんたの顔見てたら、お父ちゃんもお母ちゃんも、自然と笑顔になってたんよ。そやったね、あんた?」
春子が生まれたのは戦後間もない頃。
春男も照子の若夫婦は、幼い春子を背負って日々を暮らしていました。(1週
「あんたは…お父ちゃんとお母ちゃんにとって…どんなものよりも…空に浮かぶ太陽よりも…なくてはならないもんやった」
「ようこないに大きなって…ありがとう」
春子の目からこぼれ落ちる大粒の涙。
ずっと目に涙を浮かべていた春男もついに溢れました。
照子に促され、口を出た言葉は。
「春子……幸せになり!」
礼服の袖で涙を拭きながら号泣する春男。
礼服の袖が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになって。
頭を下げて。
春子もまたこぼれ落ちる涙をこらえるようにギュッと唇をかみしめながら、頭を下げて。
岩田家で過ごした日々を思い出していたのでしょう。
温かい両親と妹たち、ご近所さんに囲まれた家族の日々。
「春子…幸せになりい」
「幸せになりい!」
「幸せになりい!」
何度も何度も。
繰り返される娘への愛の言葉。
何度も何度も。
店の方にも響き渡り、大粒の涙を拭うご近所の人たち。
幸せを祈るのは一番は家族だけど。
でも家族だけじゃない。
きっと、弘子姉ちゃんや寺井夫妻らご近所さんの分まで「春ちゃん、幸せになり」言ってくれたんだろうなあ。
堪え切れず声をあげたのは意外な人物でした。
待たされていたタクシーの運転手さん。
涙の中、思わず笑ってしまいました。
あれだ、『マッサン』のシャロやんと玉鉄が「あさイチ」に出演したときの通訳さんのように。
涙の中の笑い、これがとても温かい。
●てるてる坊主に祈る
披露宴の様子は描かれませんでした。
そもそも五輪出場選手とスポーツ雑誌記者の挙式って規模的に凄そう。
セット撮影だとしても尺も番組予算も使いきっちゃいそう。
結婚式そのものは描かれずとも、『お嫁に行く』がじっくり描かれていたので、披露宴の様子が想像つきます。
秋子が手伝ってハイレベル装飾が準備されたことでしょうし。
冬子のウェディングケーキならぬウェディングパンもきっと。
佐藤のおじ様のスピーチはあの調子だから長すぎて、工場長から「長い!」と怒られたでしょう。
稲本先生のスピーチは途中で鼻をぐずらせて、涙をさそったかもしれません。
余興でイースト隊、ローリー、田中コーチがライブをしたもしれない。
和ちゃんも一発芸披露したかもしれない。
夏子が歌わされてるうちに、冬子も宝塚時代の血が目覚めて歌に踊りに乱入するかもしれない。
そうこうしているうちに照子がお色直しをしてきて、また弘子姉ちゃんとタッグを組んで乱入してくるかもしれない。
でもきっと、お父ちゃんは席に座ってる。
ニコニコしながらも、泣きながらも座ってる。
ただ誓いの口づけでは暴れ出しそう。
新婦のあいさつできっとまた「幸せになり!」って言っちゃうんだ。
わからない、妄想だけどきっと『てるてる家族』らしい式に仕上がったんだろう。
結婚式が終わり、春子は岩田家を出ていきました。
その夜、物干し台で。
春子のためにいくつのてるてる坊主をぶら下げただろうかと振り返る照子。
「ようけ、ぶらさげたもんね…ようけ、ぶらさげさせてくれる子ぉやった…」
「その数だけ…あの子は俺らに幸せくれたんや…」
ぶら下げたてるてる坊主の数だけ幸せがある。
夫婦が見上げる空にはいくつものてるてる坊主。
右端には、これから新生活を始める若い夫婦。
それはかつての春男と照子のようでもあり。
『てるてる坊主の照子さん』。
原作のタイトルにも出てくる『てるてる坊主』は、この作品の原点ともいえる存在なのかもしれません。
明日もきっと晴れますように、と祈って(1週)
『幸せ』を大事にしたくて、飾っていたてるてる坊主。(8週)
時には弘子姉ちゃんや和ちゃんのために飾ったり。
夏子の東京の家にも飾っていたり。
冬子が木塚兄弟に手渡したり。
どこにいても何をしていても変わらないのは。
相手の幸せを願うという気持ち。
その『幸せ』とは、子どものことを思うということ。(22週)
数えきれないてるてる坊主は、数えきれない幸せの数。
●秋子、就職に悩む
春子姉ちゃんの結婚式から数日。
秋子の研究はどうなってるかというと。
エビ問題に奮闘中。
でもまあエビは2000種あるから、どれかは成功する、諦めたらいけないと励ます秋子。
「ほんまに岩田と社長は気が合てるうんやな」
「好きなだけですよ、こういうことが」
好きこそものの上手なれ、何かを達成するにはまずそれを好きである事。
秋子の表情が生き生きしているのですが、森野君が秋子の就職先について言及すると。
うん、やっぱり複雑そう……。
春子の結婚、夏子の紅白歌合戦デビューなど、物語が一つずつゴールしていく中で秋子の話はまだ終わっていません。
千吉博士から池田食品に入社してくれとスカウトされたときも「考えておきます」と複雑な表情。
うーん、秋子はどうなるんだろう。
院進学?思い切って米原さん方向の芸術分野?
聡明なイメージ、かつ吹っ切れた天才(急に踊り出す)な秋子。
彼女の才能を生かす未来があることを祈るばかり。
●夏場に放置されてたあの宇宙人話。
池田のお財布・佐藤のおじ様が銭札束持ってやって来ました。
お祝いを受け取りながら、冬子が効いたのはあの話。
夏場のアポロ11号月面着陸のときに放置されていたあの話。
(23週)
ああその妄言あったな。
(春子姉ちゃんの結婚式とかブルーライトヨコハマとか濃厚だったからすっかり忘れてました)
えっマジなの?
……??
「正体を知った人に好きや言うてもろたら人間になれるんや」
………???( ゚д゚)
正体を知られたローリーは宇宙に帰らなければいけない。
それを防ぐ唯一の手段は、正体を知ってしまった人から「好きだ」と言われること。
そうでないと宇宙に返さなければならず……
なんだこれ何の話だ。
さっきまで春子姉ちゃんの結婚式と秋子の就職の話だったけど。
なんだこれなんだこれ。
佐藤のおじ様は冬子に「ローリーに好きと言ってくれ」と頼むも半信半疑の冬子。
と、その冬子の心情を見透かしたように。
世間の誰も信じるはずがない、と真顔を続けたまま佐藤のおじ様。
「そやからそんな奇跡は起こりようがあらへんのや」と、ローリーとの別れを悲しむモードに入り、さすがに混乱する冬子。
えっローリーマジで宇宙人なの?
●冬子、初めて告白する
ローリーが宇宙に帰ってしまうのは悲しい。
ならば「好き」と告白すればいい、と冬子。
「いや…あんな…よう考えてみたら…あんたのこと…ローリーの事…好き…かもわからへん…」
……冬子?
あああああ、和ちゃん!!聞いてしまった!!
あああああ、和ちゃんまたそんな幸薄そうな顔をして!!
何はともあれ、初めての告白をした冬子。
「それが嘘でもほんとでも、生まれて初めて人に好きと言ったことは、私に不思議な余韻を残したのでした」
●ローリー、アイデンティティを喪失する
翌日、ローリーがやってきて封筒を手渡しました。
「僕の気持ちは歌にしてきた」
「もっと早よ君にこの歌を贈るべきやった」
……ローリー?
「えっどういうこと?」「え?まさか」
といろんな可能性が脳裏をよぎるこの一連の宇宙人話でしたが。
ちょうどローリーと同じタイミングでやってきた佐藤のおじ様が段ボールから取り出したのは、一冊の本。
「わしが書いた本や」
それは佐藤のおじ様、道頓堀散歩(7週で初出)の小説でした。
若い人にも読んでもらえるようにSF小説風味に仕上げたという作品。
舞台は池田、ゴガツヤマで見つけた宇宙人の子どもを拾って育てる金持ち紳士の物語。
……うん?
「それって、ぼくのことやないですか!」
ですよね、ですよね。
ローリーを宇宙人に見立てて書いた、と佐藤のおじ様。
ローリー納得いかず、アポロ月面着陸のときに話してくれたじゃないかと食って掛かるも。
「いやあれは構想をこう練っているときにな。こんな話をチラッとお前にしたらな、どんな顔するかなていう……わしの取材やった、取材」
………( ゚д゚)
佐藤のおじ様ひでえwww
あのあとローリー、完全に宇宙人だったのにwww
無駄に告白したヒロイン。
↓
盛大にアイデンティティが崩壊して、人間不信に陥ってそうなヒロインの幼い頃からの友達。
↓
多分一番ゲスい人。
↓
ひっでえ話www
うん?
いやいやいやいや、道頓堀散歩はわかったけど。
ローリー傷心や冬子ぐったりはいいんだけど。
えっ。
だって和ちゃん……和ちゃん……
●和ちゃん、勘違いをする
って思ったら案の定。
盛大なドッキリに騙されて、「あのメガネ絶許」とぼやく冬子。
とりあえずこの気分をどうにかすべく、和ちゃんをナチュラルにデートに誘うのですが。
「ローリー誘たらええやん」
「……?( ゚д゚)」
「俺、聞いてしもてん……ごめん」
「……?(; ゚д゚)」
和ちゃんが完全に誤解してるwww
そりゃそうだ、和ちゃんなら勘違いするわwww
「ええっ?!えっ?!」
「俺はええ思うで」
「ち、ちちちちちちゃうねん!!あれは、ローリーが宇宙人で!人間に!戻すために!」
ふwwゆwwwこwwww
「そんな苦しい嘘つかんでええねん、俺のことは気にせんといて」
ちょwww和ちゃんwww
ローリーへの告白から、真相解明、和ちゃんの勘違いまで腹筋壊れるかと思いました。
……あれっ「俺のことは気にすんな」って和ちゃんもナチュラルに告ってね?
●冬子、あのローリーにフラれる
「…なんちゅう日や…なんちゅうアホなんや私は…」
ドンマイドンマーイ!!
ふと目に入った、ローリーのあの封筒。
中は楽譜でした。
──貴女の気持ちは分かるけど、僕には何もできない。
──貴女とは生きられないから、僕はこのままひとりでいくよ。
──冬が来るたび、僕は貴女を思い出すだろう
「フラれたっていうこと…?ローリーに…?」
「フラれたっていうこと…?ローリーに…?」
「フラれたっていうこと…?ローリーに…?」
「私、フラれたの?!あのローリーに!?」
「いやあああああああ!」
ふwwwゆwwwこwww
てかなにその雑なクソコラwww
初めての告白をローリーにしてしまったということより、盛大に騙されていたことより、和ちゃんに勘違いされたことより。
『あのローリー』にフラれたっていう事実がショック過ぎて発狂する冬子。
そりゃそうだ、『あのローリー』だもん。
鳩でナンパしてきたり。4週
ルー語だったり。5週
子役時代に抜群の振り切った歌を披露したり。6週
そういえばこの6週は、去っていく和ちゃんをめぐる切ないシーンもあったっけ。
他にもパンと牛乳でパシられたり、半径5m以内に近づくなとか言われたり。
ローリーは基本的に『雑な扱い』を受け過ぎて、秋子に鞍替えしてしまったのですが。
そのローリーにフラれちゃあなあ!!
(※ゲスな笑いをしています
和ちゃんの教会話、ブルーライトヨコハマ、春子の嫁入り話とのギャップがえらくきつくて、もう抱腹絶倒。
っとになにあのクソコラwww
これ最終週直前でしょwww
楽しそうだなあBK!!
●次週はついに最終週。
今週の話はベーカリーてるてる家族の誕生と、春子姉ちゃんの嫁入り。
それから秋子のカップヌードルと、あとローリーのあの話。
春子姉ちゃんは、ドラマ初回から照子春男に背負われて登場しています。
乳児役、リトル時代、ミドル春子、それから本役。
半年前はまだ赤ん坊だった春子がお嫁に行く。
ああ時間が経ったんだな、ドラマが終わるんだなあとつくづく実感しました。
とにかく面白い。
「笑い」の意味の面白さではなく、心が震える面白さ。
ローリーに爆笑したり、急に踊りだす夫婦に驚いたり。
ヨネさんとの死別や工場長の言葉、和ちゃんの解放に涙が止まらなかったとき。
ブルーライトヨコハマに眩暈がするくらいに揺さぶられたとき。
その緩急の振り幅がいい。
さらに和ちゃんと冬子は残り1週間でどうなってしまうのか、予告でなぜ秋子は号泣しているのか、
先が読めない、それが『面白い』。
いい意味で時計代わりにならない15分間です。
一日15分、週6回、半年間が終わるときってのはなかなか寂しいものです。
この狂ったような明るさが楽しくて仕方ないんだけど、あと何回で終わると考えると切なくなってしまいます。
次回予告にあった集合写真。
写っている人たち皆、写ってない人も、みんな『大阪池田の栄町商店街に住んでる友達』みたいな感覚です。
泣いても笑ってもあと6回、楽しみです。
最高なブログですね!!
再放送の「てるてる家族」、本放送の時以上に楽しんで笑っているので、あと3日で終わるなんて寂しいな、何回も見たいなと思っていたら・・・このブログ発見。
面白さを、あなたさまのツッコミとともにおさらいできるのが嬉しいです♪♪
これだけでも嬉しいのに、「平清盛」大河よかったよね記事や、プロフィールを拝見したらお相撲好きとのこと。
勝手ながら同じ志向なので嬉しく思います。
さらに「もうすぐ三十路」、少し前にラインを超えた私より若い方がこんな壮大なブログを!感心するばかりです。
これからも楽しませていただきます(^^)